汎用型ブラインドマシーン(ちょっといじけている)
日記を書くのが嫌いな私ですが、こういうのなら書いていいかも。
朝起きて、ぼんやりと天井を見た。
風呂に入って、鏡越しに私を見た。
抜け落ちた髪の毛を見た。
シャワーの水が光に跳ね返るのを見た。
洗濯機によってぐるぐるされる服を見た。
その傍らでトーストしたパンが焼けたのを見た。
洗濯物を干そうとしたら、やたらと天気のいい空を見た。
自転車が無かったので、学校まで歩いていく道すがら、
いつもだったらあまり見つめないものとかを見た。
白い壁が青空と合ったアパートを見た。
そこで揺れる洗濯物を見た。
通り過ぎていく軽トラックを見た。
某スタジオの前でたむろする若者を見た。
いくつもの車を見た。
可哀想な様を見た。
人が怒るところを見た。
下らない愚痴をこぼす自分を見た。
何かジャムってるのを見た。
誰かがドラムを叩くのを見た。
自動車教習の理不尽で厳しい現状を少し見た。
走って自転車を取りに行く途中、赤坂から大名の町並みを見た。
ブックオフにちゃんと私の自転車があったのを見た。
ぶつぶつとしゃべりながら、天神や中州、博多駅を見た。
おごってくれる先輩を見た。
ジャンクフードと言われても大好きな照り焼きマックバーガーを見た。
自転車が強制的に繋ぎとめられていたのを見た。
他人の苦しみや性癖を勝手に表現するところを見た。
繊細さとワイルドさの混じった、もうかっこいいギターを見た。
今までに無く繊細で綺麗な歌をファルセット込みで歌う先輩を見た。
出番が無いときは常に怪しい挙動の謎のキーボーディストを見た。
やたら格好いいものを見た。
その後の弾き語り、酔いどれて歌う日本のむにゃむにゃを見た。
臭くて恥ずかしい詞を見て恥ずかしがる自分を見た。
感情的に過ぎる弾き語り師を見た。
突如、このライブの真相を握る人を見た。
様々なカバーソングを見た。
人が卒業で、泣きそうになって堪えているところを見た。
そして、それゆえにその人がキラキラと輝くのを見た。
東京の街に出て行く人の、最後の青春かもしれないものを見た。
予想をはるかに上回る、いいライブを見た。
夜の街を見た。
渡り歩く若者たちを見た。
それほど広くは無い道にて堂々と営業する屋台を幾つか見た。
知らないラーメン屋を見た。
赤いもんが浮いたラーメンを見た。
ちゃっかりと意外なところに登場する人を見た。
帰り道、色んな車が光を引き連れて走るのを幾度も見た。
救急車とパトカーがバス停の近くでとまっていたのを見た。
自転車を漕ぐのが早い人を何人か見た。
追い抜かしていく車の後姿をいくつも見た。
やっとこさ帰り着いて、今ひとつ納得の行かない我が仮住まいを見た。
玄関に鎮座する空き缶のゴミ袋を見た。
何も変わっていない、変わるはずの無い我がワンルームの中をまた見た。
感情があって、悲しさはそれの一部分だから、
涙が流れるはずは無い。
(感情/BLANKY JET CITY)







