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『24時』 サニーデイ・サービス

2010年04月28日 13:25

人生で何度目かの個人的サニーデイ周期が来てるな今。
24時24時
(1998/07/15)
サニーデイ・サービス

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サニーデイ最大の問題作にして大作。付録の『ベイビー・カム・ヒア組曲』も含めれば16曲80分越えという、曽我部のキャリア中でも圧倒的なボリューム。

このアルバムの特徴は、そのボリュームにもあるような、それまでのアルバムのバランスの良さをかなぐり捨てた暴力的かつ焦燥に満ち溢れた作風にある。セルフタイトルの前作でバンドが「完成」してしまった後の、マンネリ化の気配を何としてでも払拭しようというもがきが全編に溢れている。何しろ冒頭から6分台の曲を立て続けに三連発、アルバム最後には10分越えの大曲が腰を据え、さらにおまけの『ベイビー~』も十分越え。アルバムとしての流れが無い訳ではないが、他の作品のカチッとしたそれではなく、バンドの苦悩のドキュメンタリー的な重さがある。

曲調も、抑圧された熱き血潮で突っ走るフォークナンバーで始まり、カントリータッチな名曲(『シルバー・スター』)やらサニーデイ史上もっともカオスでフリーキーな『僕は死ぬのさ』、音響的な終盤二曲などを経て、淡々とした静から最後の荘厳壮絶なエンディングを迎える大曲『24時のブルース』、そしてもはやボロボロの『ベイビー~』に至るまで、無秩序に乱れ打たれている。このアルバムがサニーデイのホワイトアルバムと呼ばれる所以である。新しい方向性を血みどろで求めるバンドの、そして曽我部の頭の中を全てさらけ出したようなそれは、時に痛ましく、しかし時に目が覚めるほど美しい。持てる力全て出し切らんとして、尺的制約やらアルバムのカラーやらをかなぐり捨てたバンドの、混沌かつ奔放な姿、そしてそれでも保たれる楽曲の強度!

自分たちの混乱を忠実に表現したこの作品に敬意を表して、あえて四つ星をつける。今思えば、このアルバムでの殆ど死に体での実験の数々が、後の曽我部の音楽性豊かな活動を予感させるものであった。完璧さを放棄して愚直に生き急いで、結果破綻したこの時期の彼等には、四つ星こそ栄誉であるように思う。永遠に完成しない強烈なエネルギーの奔流が、確かにここには収められている。


サニーデイ・サービス『さよなら!街の恋人たち』
この、フォーキーながらやたら重く苦しいムード。曽我部の歌もかなり激しさ入ってる。


サニーデイ・サービス『今日を生きよう』
上とは対照的な超脱力PV。自分はこんなPVつくっといてM.I.Aの新曲のPV(グロ注意)に文句つけるか、というツイートを読んで爆笑した。曲自体はどこか諦観が感じられる。ループなドラム、ループな日常。

当時このアルバムの制作現場を見たらしいライター兵庫氏のレビュー
アルバムの初回盤に付録している(らしい)レコーディング日誌と合わせて、当時のサニーデイの混乱っぷりがよく見えて来て興味深い。曽我部というずば抜けた才能が最もコントロールを失いかつ才能あふれ出しまくり状態だと、ここまで状況がカオスになるかという。このアルバム最大の聴き所はそこにあるからなあ。ある意味凄く難儀、ある意味凄く人間的。それにしても兵庫さんのレビュー、『MUGEN』と『LOVE ALBUM』を「迷走」と決めちゃうのは、ちょっとむっとしちゃうなあ。確かにバンド的な上昇気流はこの二枚には無いけど。

このアルバムからはサニーデイでもレアな曲が何曲も出た時期で、とりあえず『蜂と蜘蛛』『真昼のできごと』という二大ボツ曲がこの時期にかっちりレコーディングされながら、殆ど酷い扱いを受けている(前者はツアーパンフの付録、後者に至っては「PSソフト「キャイーンのたのしメール」収録」とかいう意味不明な自体の後、曽我部ソロ1stにて再録)。この二曲もかなりいい曲なので、せめてB面集アルバムとかに収録してくれると助かったのになあ。しかし今ではこうやってネットで聴けるので、まあ、便利な時代です。


サニーデイ・サービス『蜂と蜘蛛』
中期ビートルズ的気怠げサイケロック。音のローファイ具合がヘンテコ。どっちのバージョンも終盤の展開はワルノリ気味(笑)


サニーデイ・サービス『真昼のできごと』
細野さんのソロ作的なゆったりとオリエンタルな風味が心地良い、かなりの名曲だと思いますが、マスタリングの最後になって外されたという、不遇な一曲。正直せめてシングルのカップリングとかに押し込んじゃえば良かったのにと思う。
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