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『あと10秒で』 ART-SCHOOL

2010年01月12日 02:40

あと10秒であと10秒で
(2005/06/22)
ART-SCHOOL

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1. あと10秒で
幻想的なSEから打ち込みのビートなどがきらびやかに弾けて、そこからサビの「何もねえ」連呼の疾走感に繋がっていく、シューゲイザー風味とダンスビートと木下具合を混ぜた感じのポップでストレートでアッパーな曲。打ち込みリズムから生ドラムに変わるときの曖昧調を打ち破るドライブ感は勢いがあって良い。単調さも勢いに任せて一気に駆け抜ける。歌詞の量もこれ、よく考えたら少ないなあ。「なんもねーへ!」と聞こえるサビの連呼がいい具合に投げやりで可愛らしく、そして虚無的なフレーズのはずなのにポップでキャッチー。「触りたいな」も「触りたいの」に聞こえて可愛らしさアップ(笑)ライブで演奏されないことあるの?ってくらいの定番で、第二期アートの代表曲。

2. 汚されたい
渇いた感じのするアルペジオが落ち葉を思わせる、穏やかなギターポップ。コード進行の陰り具合とそこに乗るメロディの甘みの具合が良い感じ。サビのメロディはポップながらグランジ的な「動」は見当たらず、その代わりにささやかな女性ボーカルが流麗なメロディをサポートする。落ち着いた音使いや展開の中で、サビの歌やギターのフレーズが薄味だけど効果的に浮かび上がる。まあそんな上品な曲調の割に歌詞はドロドロだけど。その辺の不整合具合がどことなくより生々しい切実さがあるようにも。

3. イディオット
一音目からフェイザーが掛かったギターや叩き付けるドラムなどの激しいサウンドが展開する、このミニアルバム中でも最も激しい曲。いわゆる『APART』や『羽根』なんかと同じがっつりロックな曲か。曲構成も『羽根』や『WISH』なんかと似ている。ていうか『WISH』の焼き直しじゃ……。激しいサウンドの中を四つ打ちのリズムが軽やかに駆け抜ける感じは組み合わせの妙を感じる。

4. LITTLE HELL IN BOY
全体的な抑制の利かせ方と、サビの解放の仕方がそれまでの疾走曲と一線を画している。ハイハットの刻みだけから、シンプルなギター、そして映画のセリフのサンプリングが入って、少しシャウトじみた木下の歌が入って、サビに行く訳だけれど、サビもディストーション!って感じではなく、むしろニューウェーブ的な神経質なトーンでトレモロ奏法のギターが空間に線を引くように鳴るのが気持ち良い。陰りのあるコードを激しく鳴らすのではなく、細く冷たく響かせている。戸高のコーラスなども効果的で、音空間の埋め方が巧みな名曲。

5. カノン
メインの浮遊感のあるアルペジオフレーズがThe Cureの『High』によく似た、爽やか目なギターポップ。かき鳴らすアコギの具合や木下のポップだけどどこか投げやりで渇いたメロディが第二期のアートの魅力を非常に良く表している。コーラスの具合やディストーションギターの薄く配置した感じ、そして曲終盤の激しいミュートピッキングから始まる戸高の個性の良く出たロマンチックなソロなど、それらが上手く合わさって寂しげだけど凄く爽やかな雰囲気を作っている。木下の拙げな歌もその微妙なファルセット具合を含めて、かえってとても繊細に響いているから不思議。

6. 僕のビビの為に
何故かインスト。アートの全楽曲中唯一では?チープなリズムボックスに合わせてアコギ二本で、なんかフレーズもシンプルで単調だけれど、なんだか可愛らしい味があって、締めとして悪くない感じ。しっとりとするパートがしっかりとキャッチーなのは流石だなあと。……しかし、何だろうこれ。何故インスト?不思議。

(隠しトラック).あと10秒で(John Agnello mix ver.)
『あと10秒で』の、リミックスかと思ったら、割と単に別ミックスのよう。声に掛かったエフェクトやベースの大きさなど、微妙なところが異なる。っていうかラフミックス?ギターが少しくぐもり気味。折角の打ち込み要素の入った曲なんだから、どうせならもっとがっつりリミックスしても良かったのになあとは、思う。


第二期として復活して以降、自主レーベルからミニアルバムを二枚出したART-SCHOOLはポニーキャニオンのレーベルROCKER ROOM(GRAPEVINEなど所属)に入り、メジャーに返り咲く。このミニアルバムがそのメジャー復帰後第一作。活動再開後ここまで三枚ともミニアルバムってのは凄いな……。もともと『あと10秒で』はシングルにするつもりだったらしいので、単純に曲数の多いシングル、くらいのアレなのかもしれない。
しかしこれは、前二枚とは結構サウンドの性質が異なっているように思われる。前二作が模索的で過渡期的な作品だったのに対し、これは明らかにサウンドの志向に統一感がある。すなわち、グランジ要素は殆ど影を潜め、その代わりにフォーキーな感じというか、優しいギターのトーンやコーラスなども用いて、80年代UKのニューウェーブ~ネオアコ~シューゲイザーまでの雰囲気(The SmithsとかThe CureとかRideとか)が色濃く出ている。そしてそういう音楽が持っているような風景のあの感じも、上手にサウンドに込められているように思う。これまで以上に秋から冬に掛けての渇いた街の景色を思わせるサウンドが増えた。『汚されたい』『LITTLE HELL~』『カノン』の三曲は特にそういった面が非常に良い形で現れていて、第二期アートのメランコリックなサウンド志向が伺える(何となく、「木下も戸高もその辺の音楽が好きなんだろうなあ」感が伝わってくる)。
サウンド的なエグさは減ったけれど、歌詞は割と前二作を引き継いだ、「猿」な、露悪的な雰囲気。サウンドが可愛らしくなったので歌詞が聞き取り易くなって、ある意味より生々しいかも。


『あと10秒で』PV。まさかのボクシング。どうせなら木下がボクシングしたら面白いのに(笑)


『あと10秒で』ライブ。悪い曲ではないけれど、正直これよりもいい曲は他に沢山あるとは思っちゃう。
でもライブで直に聴くと、まあ向こうのテンション次第ですけど、なかなかいい具合。戸高が見てて熱い。


『カノン』アコースティックライブ。木下弾かねえのかよ!と。そのくせ歌もへたるし。
しかし良い。もしかしたらファンはもう、木下が一生懸命歌ってたらそれだけでいいのかもしれん(笑)
やっぱりソングライティングのセンスが独特だなあと、見せつけられる。

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