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『スカーレット』 ART-SCHOOL

2010年01月10日 18:51

(ミニアルバム『スカーレット』は当時タワレコ限定・限定生産でのリリースだったため、
 現在入手は少し困難。
 曲自体はこれと次の『LOST IN THE AIR』をコンパイルした編集盤『Missing』で
 聴けるので、そのアマゾンのリンクを貼ります。
 限定にしたのは、やっぱリリースが自主レーベル、しかもその場凌ぎ的なところだったせいか?)
MissingMissing
(2006/09/06)
ART-SCHOOL

商品詳細を見る


一応、ミニアルバム『スカーレット』のジャケット画像も。
artschool_scarlet.jpg
1.スカーレット
独特の響きを持ったコードカッティング(Bm7(11)とかいう、抑えるのは簡単だけど素敵なコード!)が割とクリーンに、しかし焦燥を抱えて疾走し、その勢いのままサビのシャウトまで突き抜けていくという、シンプルで勢いのある構成の曲。楽器が段々増えて来る構成などは結構王道だけど、それをアート的な単調さでもって実行するとやはりそこそこ独特な味わいがある。少々シンプル過ぎるきらいはあるけれど、サビの勢いも含めたその勢いや、曲全体を貫く相変わらずの透明感や、第一期の頃よりも未練がましさと諦めがはっきりと現れ始めた歌詞などが、第二期アートの一発目として響く。

2.RAIN SONG
新メンバーになって初めて作られた曲らしい。軽いタッチのドラムが新鮮。そのドラムに導かれるような爽やかさから重厚なサビに突入する。そのサビやアルペジオの雰囲気などに『LOVE / HATE』の時期の残り香を感じる。サビの英語は木下流。タイトルコールよりもその後のトゥルットゥットゥルーの方がいい感じ。歌詞については、それまでの美しい感じの言葉とは一線を画する「それよりなんか 肉食いてえ」が衝撃的(笑)4分50秒もあるがやや冗長か。

3.クロエ
後期ARTの新規路線の一つ「ファンク路線」の一曲目にして木下本人も自信作っぽい。プリンスを意識したというそれはしかし、そのねちっこさもアート流の、どこか虚無的というか、へっぽこというかな、そんな可愛らしさやスマートさがある。ちょこちょこと刻むギターや、それに絡む木下のファルセットなどが、彼等なりのファンクを構成する。カッティングからアルペジオに切り替わる具合とか、アート的なギターロック感もある。ドラムもストイックに徹していて良い。歌詞は露骨にセックスを主題にして、特にこの時期は「猿」という単語がお気に入りらしい。

4.TARANTULA
グランジ的な無骨さを感じるコードに、コーラスの利いたギターのフレーズ、そしてサビの勢いなどにグランジ、特にNIRVANAな感じを強く受ける曲(でもどうやら他のバンドのなんかの曲と露骨に似ているらしい、この曲)。シンプルなグランジで、勢いはあるけれどちょっと引っかかりが弱いか。歌詞はセックスを絡めた過去の追憶。刺青の女性は実体験らしい。

5.1995
イントロから「スピッツか?『青い車』か?」とさえ思うような爽やかさ、第二期アートの新機軸のひとつ、爽やかギターポップ路線(もっとも第一期にもその萌芽はあったが)で、いきなりなかなかの名曲に仕上がっている。バックで流れるSEの具合や、瑞々しいギターの音やフレーズ、そして流れるようなノスタルジックなメロディが絶品。サビで入ってくる歪んだギターも爽やかにドライブする。全体を通して良く澄み切ったイメージで、やはり追憶的で、しかも情景描写を多用した歌詞と合わさって、とても淡い風景を喚起させる。映像的な楽曲こそアートの真骨頂。

6.APART
緊張感のあるイントロからハードなギターが入り、その後勢いはそのままに静と動を行き来するタイプの曲。静パートの疾走感の具合が少々『スカーレット』と被っている気もするが。サビ前の展開するパートから既出のメロディをシャウトに変換するサビへの勢いをロックと思うか過剰に感じるか。その勢いなど、ライブで動のパートを担うタイプの曲。

7.君は僕の物だった
ミュート気味なギターが繊細な奥行きをもって響く(The Policeを意識したものらしい)、穏やかでメランコリックなナンバー。ひたすら淡々と進行する具合は彼等の『1965』などの曲と共通するものがある。そういう意味では第一期ぽさも多分に感じる。タイトルコールのあとに続く「そして今は誰のものなんだ」がなんとも虚しげで良い。もうひとつフックがあったら名曲だったかもしれないが、ミニアルバムの締めとしてはなかなか。


衝撃のメンバー脱退(二人も同時に抜けるってヤバいよなあ)の後、新メンバーにgt.戸高とba.宇野を加えた新生ART-SCHOOL(これ以降をファンは第二期、前の四人の時代を第一期と呼ぶ)の、一発目のリリース。第一期が強制終了後レコード会社を干されたので、自主レーベル(VeryApe Records。NIRVANAどうこうより前に、そこまで「猿」って言葉にハマってたのかと)からのリリースとなった。
普段ART-SCHOOLはミニアルバムに六曲を収録するが、これだけ何故か七曲収録で、しかも意外とどの曲も演奏時間が長くて(三分台の曲は『君は僕~』のみ)、結果30分という彼等のミニアルバムでは最長の収録時間となっている。再出発のため気合いが入っていたのかもしれない。
新しいバンドの方向性を模索・提示しようとしている感が随所に見られる。後の作品を聴くと、それらの要素はまだ不徹底かなと思われるところもあるが、その辺の過渡期な具合がこの時期の作品の特徴。しっかりとファンクや爽やかギターポップなどの新機軸も打ち出し、個人的にはその二曲(『クロエ』と『1995』)が、木下のソングライティングの微妙な変質なども感じられて興味深いし、完成度も高いと思う。
歌詞については、第一期に顕著だった「美しい頽廃の世界を求めて」な雰囲気はすっかり薄れて、性にまみれながら素敵さと醜さに満ちた過去の追憶と、そして現状の荒廃っぷりが現れ始めた。「猿のようにやる」という自嘲まみれのフレーズが頻出で、みっともなさの表現がこれ以降顕著になっていく。


『スカーレット』PV。スーツな木下。字幕のフォントがバンドのカラー的に、あざといなあ。
バンドの演奏など相変わらず変にユーモラスというか、滑稽というか。


ライブ『スカーレット』。線が細いくせに猪突猛進という感さえある。
木下のギターなんか音小さいな。

ここでこのミニアルバム発表当時のインタビューが読めます。四人でのインタビュー。ネットでタダで見れるものなのに内容が濃くて、雑誌が可哀想(笑)そして猿をアピールする木下。
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