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『SWAN SONG』(Disk1, Disk2) ART-SCHOOL

2009年12月26日 16:02

バージョン違いで二枚。収録曲が微妙に違うのが泣けます(ファン泣かせ的な意味で)。
両方とも纏めて書きます。
SWAN SONG(DVD付)SWAN SONG(DVD付)
(2003/07/30)
ART-SCHOOL

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SWAN SONGSWAN SONG
(2003/07/30)
ART-SCHOOL

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Disk1:六曲入り+DVD
(PV『DIVA』『サッドマシーン』『EVIL』と『ロリータ~』ライブ)で1500円(当時)
1. LILY
グランジのダウナーさを強烈にフューチャーした感のある、虚無的な曲。静かにかき鳴らされるアコギと細いギターのフレーズが非常に虚無的で、「どうしたん!?」っていう暗さがある。サビで一気にグランジ的爆発をするけれど、それも非常に鈍重で、その後の弱々しいファルセットの方がメインというか。吹き飛ばされそうなほど頼り無いボーカルが非常に虚しげ。重さと虚しさの極端なギャップに押しつぶされそうな、そんな曲。ベースのダークな重さが良い。

2. DRY
二期以降増える機械的なリズムパターンの先駆け的な曲。サウンドもディレイの利いたギターの繊細なフレーズと太いベースの対比。ヴァースのメロディは『MEAN STREET』と同じで、あれっと思うけど。サビで切り替わって疾走するところ、特にスネアの連打の度にブレイクするところがかっこいい。ファルセットの裏でどんどん高まる演奏も良い。間奏からの畳み掛けるような展開は凄い。後の『刺青』なんかに繋がるタイプの曲かと。最後が『モザイク』と同じなのは「?」だけど。

3. OUT OF THE BLUE
これもどこか虚無的なエフェクトから入り、繊細なギター、太いベースの抑揚の聴いたヴァースからサビの疾走へと突き抜けていくタイプの曲。サビのギターのブッ潰れてキラキラさが皆無なところや、強力に叩き付けるリズムが格好良い。そしてヴァースのメロディを激しいまま繰り返して、そしてブレイクで舞い上がる展開、アレンジが素晴らしい。
バンドがテンション上げて突っ走り、そしてピタッと合う感じが素敵。

4. LOVERS
単調なリズムが終始続く、『1965』と同じタイプの曲。淡々とした超シンプルなギターフレーズが何とも虚無的で、良い。サビのメロディは木下ソロの『RASPBERRY』から流用だが、曲のテンションが全然違うのでまるで別もの。シューゲイザーチックなサビのギターの音圧と、それがまた淡々と元の静寂に戻る感じがとても美しい。シンプルな演奏、饒舌なサウンド。歌詞も良い感じ。「名前が無いこの惑星で名前が無い恋人と 白日にさらされてハッピーエンドを夢見てた」。そういう切実な願いが美しいほど、続く「何ひとつかなわずに」のフレーズが利いてくる。

5. SKIRT
シンプルな渇いたアコギのカッティングを中心とした、しかしやはり爽やかさよりも虚無的な雰囲気が強いミドルテンポな曲。ぶっきらぼうなボーカルがサビで一転非常に切実になるのが良い。単調なフレーズの繰り返しなのに、歌メロの良さが素晴らしい。サビのフレーズは見事に這いつくばっている。「わかっているさ それくらいは」っていい歌詞。二回目のサビの後一気に音が引いて、その世界の果てのような静寂から次第に楽器が増えて、遂にシャウトに至るまでの展開はもう本当にどうしようもなく虚しげで格好良い。後のアルバムにもこのミニアルバムから唯一収録される、素晴らしい名曲。最後のシャウトの情け無さ!

6. SWAN SONG
ミニアルバム中で唯一陽性なメロディを持つこの曲が最後にあるのは流れとして良いと思う。やっぱりキュアーか何かみたいな透明感のあるエフェクトは虚無的ではあるけれど。同じフレーズを繰り返す深いコーラスの掛かった瑞々しいギターもニューウェーブ的。そしてサビのメロディの切実さからポップなコード進行に解放される感じがとても気持ちがいい。アコギだけの箇所でも後ろでエフェクトが鳴っているのもいい。あと、ドラムがシンプルながら可愛らしい。そういったポップな要素が、やはり惨めな状況を歌う歌詞の、しかしどん底で少しだけ前向きな感じをよく表していると思う。この曲のサビの、みっともなくて下手ででもとても綺麗な感じは、本当に木下にしか出せない。


Disk2:三曲入り
500円(当時)
1. SWAN SONG
上に同じ。こちらではは盤の先頭に。

2. LILY
上に同じ。はず。筆者はこの三曲入りの方を持っている訳ではなく、『MEMENT~』を○○で手に入れたので、実際にこの盤を聴いたことは無いのです。もし同曲のバージョン違いとかだったら、鬼だな。

3. MEMENT MORI
この三曲入りバージョンでのみ聴ける一曲。Disk1も2も元々限定販売だったせいで、両方とも今では値が吊り上がっていて、特にこちらの盤はこの盤のみの曲がこの曲だけなので、入手が困難かつ非常に億劫。悪いことしやがってもう。
曲自体は、穏やかなギターとシンプルなキーボードの音を中心としたしっとりスローナンバー。サビのメロディは『TEENAGE LOST』と共通。同じ単調さだが、こちらの方が完成度は高い。全体を貫く、穏やかで少しだけ温かいような感じの中、木下の張り上げる声が響くととても切なくなる。キーボードの音の温かさとベースの重さの相性が良い。サビで歪むギターもなんか妙に人間味がある。


ART-SCHOOLの『LOVE / HATE』期のシングル第二弾。しかし限定生産か何かのため元々から非常にレアで、それゆえ今ではかなり高値がついてしまっている。しかも何故か二形式での発売、しかも微妙に収録曲が違う、そして何よりも、そこに収められている曲が、もう非常にクオリティが高いために、とても面倒な状況を引き起こしている。現在ちゃんと普通に金払って聴けるのは後のアルバムに収録された『SKIRT』とベスト盤に収録された『SWAN SONG』のみ(『LOVE / HATE』に『SWAN SONG』と『LILY』のPVが収録されてはいるが)。二枚纏めて再販か、もしくはレア曲のコンピレーションを望む、けどこの時期の音源は、今の所属レコード会社と異なる(この時期は東芝EMI、今はポニーキャニオン)から、難しいんだろうな。
楽曲について。『Requiem~』までの爽やかさはもう完全に消滅。この二枚はひたすら虚無を歌った曲ばかり。美しい情景を書いていた歌詞はほぼ姿を潜め、ひたすら諦観・自虐・自嘲が描かれる。音もそれに合わせて彩られて、前シングル『EVIL』でのサウンドの動静の分離が更に押し進められて、この作品では特に静の部分の繊細さ、それもモノトーンの繊細さ、虚しさ故の優しさ・柔らかさみたいなものが非常に前面に押し出されている。ニューウェーブ的なサウンドではあるが、その音に込められた意味合いは、正直この時期の彼等独特のものだと本当に思う。こういうサウンドは世界でもこの時期のアートスクールだけだと、本当に思う。
それだけに、そんな貴重な時期の音源のひとつであるこれがレアものになって高値で取引されている現状は、ちょっともどかしい。多分バンド崩壊時期の録音だろうし、木下的にも一番見返したくない時期なんだろうなとは思うけど。

『LILY』PV。枯れとる。

『SWAN SONG』PV。これ個人的にめっちゃ好き。
双子の女の子の可憐さや危うさも良いし、途中でライト振り回しているところとか、美しいなと。
木下のオジーTとか、首の振り方とか。バンドの状況を考えると、櫻井さんの振る舞いに癒される。
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