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『シャーロット.e.p.』 ART-SCHOOL

2009年12月25日 05:19

ここまでインディリリース。
シャーロット.e.p.シャーロット.e.p.
(2002/04/05)
ART-SCHOOL

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1. foolish
ARTの全曲中でもとりわけポップな快作。どっしりとドライブするリズムと雑に入ってくるギター。ブレイク後の間奏でさえ続くドライブ感がサビで崩壊する感じが良い。疾走しながら落ちていくサビのコード進行とそこに乗っかる相変わらず発音の悪い、勢い重視の英詞。全体的に突き抜けたメジャー的だけどちょっとニヒルなメロディや、その落としどころの付け方、シャウトの気持ち良さなど、木下の歌がとても良い感じ。曲全体の演奏の一体感が気持ち良い。

2. シャーロット
アートのミドルテンポの楽曲中でも最高の部類に入る、文句無しで第一期最高傑作。柔らかで影の深い、水の中のようなヴァースのサウンドの下、陰鬱なタム回し→単調と切り替わるリズム、そしてそれらが二回目のサビで一気に広がっていく、広がっていくけど、壮大だけど漆黒な感じの雰囲気が最高。ギターの歪みはシューゲ、リズムは重く、その中を木下のコーラスが悲痛に突き抜けていく。淡々としていながら強烈な重力変化を見せ、それが非常に映像を喚起させるような広がり・収まりを繰り返す。曇り空の海を思わせるような音と死の匂い濃厚な破滅的歌詞。全てが曲の雰囲気作りのために機能した、素晴らしい演奏。アートスクールというバンドの独特の美学の、ひとつの到達点かと。

3. プール
RIDEの『Vapour Trail』を下敷きにした(かなりモロ)、これもシューゲイザーな雰囲気に溢れた曲。アートのシューゲはドラムが鈍重な感じが独特か。二回目の繰り返しのブレイクが息が詰まるようで良い。シロップ16gとタイプの違う、アートらしい綺麗な陰鬱さがよく出ている。流石にドラムの「ドンドンドン!」と『Vapour Trail』まんまなのはびっくりと言うか、要するにネタバラしか。何気に最後のサビのシャウトで声がかすれるのが非常に良い。このギリギリ加減、切迫感こそ初期アート。

4. FADE TO BLACK
攻撃的な浮遊感のあるリフと重厚なドラムの部分、それと穏やかに水の中を疾走するような部分、この二つのパートだけで構成される、シンプルなアートの疾走系の曲でもとりわけ典型的な曲。ライブでは定番中の定番。ベスト盤にも入ってたし。サビでメロディは舞い上がるのにリズムは重くなる具合の重力変化は曲が張り裂けるのを見るようでぐっとくる。泣き叫ぶような歌い方がよく表れている。そして歌詞の中で遂に彼女が死ぬ(笑)頻出ワードというか、アートというバンドの美学のコンセプトのひとつ。

5. I hate myself
重厚なリフと穏やかな部分で構成されるという意味では前曲と似たところもあるが、こちらはミドルテンポのどっしりした曲。裏声を多用した木下のシャウトなメロディと演奏の重厚さのギャップというか、このぐちゃっとした感じが映える。あとドラムのとめはね。このミニアルバムからメジャー1stフルまで、こういうリズム面のアクセント的な工夫がしばしば出てくる。

6. IT’S a MOTHERFUCKER
締めは非常に穏やかなEELSのカバー。柔らかなギターのアルペジオとベースと木琴だけでシンプルに柔らかくアレンジ。キーが低いのか、ボーカルが音の低いところをはっきりと歌えていないが、それもまた味と言ってしまえばそれまで。EELSを引っ張り出したのは木下のこの時期の私情込みらしい。


ART-SCHOOLのインディ最後の音源で、ミニアルバムとしては三枚目。ここまでくると音自体はもうメジャー1stと同じ程度になっており、実際このミニアルバムを出す時期にはメジャーデビューが決まってたとか、あとメジャー1stにこのミニアルバムの冒頭二曲が収録されたりとか。改めて見ると、第一期アートの重要曲がずらりと並んだ、濃い盤。濃度ならメジャー1stより上かも。
サウンド的にはシューゲイザー的サウンドが積極的に導入され、独特の雰囲気作りを更に押し進めたものとなっている。ていうか『シャーロット』によってその世界観が一度完成した感さえある。透明感とドライブ感の折り合いの付け方、その木下方式が完成したのはこのミニアルバムか。あと、歌詞に「死」がぐっと出てきたのもポイントか。次第に世界観が切羽詰まりつつある(笑)
このミニアルバムの時期に、木下の母親が死んでいる。高校卒業後上京して、ろくにバイトもせずに音楽やっていた木下にとってこれはとても大きかったらしい。このミニアルバムにおいて「死」が出てきたのは、その辺も関係するのかもしれない。最後がEELSのカバーっていうのも、やはり母親に捧げたものらしい。

ライブの定番『FADE TO BLACK』。強烈なリズムチェンジやシャウト全開なメロディなど、非常にライブ映えする。


『FOOLISH』のPV。Fiona Appleの『Across The Univers』のPVのオマージュ?楽しそう(笑)
PVあるのにベスト盤未収録(笑)で『FADE TO~』が入ったり、不思議なバンドです。


独特の奥行き。消極的な狂気。破壊ではなくもっと穏やかな感じの「死」。ベスト盤収録は英断だと思う。
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