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『SONIC DEAD KIDS』 ART-SCHOOL

2009年12月25日 05:10

改訂版全曲レビュー。とりあえずアートから。
SONIC DEAD KIDSSONIC DEAD KIDS
(2000/09/08)
ART-SCHOOL

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1.FIONA APPLE GIRL
このアルバムは意図してデッドな音でローファイに録音されているが、とりわけベースラインから入るこの曲は酷い。ベースが聞こえ難い中突然歌が始まって「!?」となる。曲自体は既にこの時点である程度木下式のグランジ解釈が成されている。無理を言えば『MISS WORLD』などと同系統の曲。ノイジーでフリーキーなアウトロのギターがインディっぽい。歌はかなり無気力気味。後に別の曲にメロディが転用されるように、既に木下節はある程度完成している。シンプルと取るかショボイと取るかは趣味次第。結構ライブでも良く演奏される。ライブではもっと疾走する。一曲目からフィオナ・アップル聴きながら少女が自殺で、ある意味気合いが入っている木下世界。

2.NEGATIVE
前曲と打って変わって威勢のいいギターから始まる、疾走タイプの曲。結構明るいメロディが良い。歌が随分可愛らしく聞こえるが、これもライブの叫ぶバージョンの方が勢いがある。シンプルで直線的でデッドな音質のギターは確かにこれはこれで魅力的。しかし歌は激しく埋もれ気味。

3.MARCHEN
ローファイな音造りが一番功を奏していると思われる、穏やかなミドルテンポの曲。やっぱり『Gigantic』なコード進行は良いなと思うが、そこに乗る木下の抑制の利いたメロディもいい。英米のささやかなパワーポップみたいな、しょぼくて甘美なメロディ。まったりとしたドライブ感が心地良い。

4.斜陽
このアルバムでもとりわけポップで訴えかけるメロディを持つ、可愛らしいパワーポップ。木下本人がこの曲を非常に大事にしている事実が、アートが本質的に締まりのあるグッドメロディを志向していることを思い起こさせる。様々な場面を切り取ったような映画的(であろうと木下が努力しているであろう)歌詞もいい感じ。サビでギターを二本とも潰すのではなく一本に細く鋭いフレーズを弾かせるのはアートの定番。

5.汚れた血
彼等のキャリア中でも最長の演奏時間を持つ曲。ゆったりと進行する前半は壮大なスケール感と焦燥とを匂わせ、二回目のサビからそれらが広がっていき、そしてその後の拍子が変わってからの強烈な展開が爆発する。反復する木下のシャウト、どんどん壊れてぐちゃぐちゃになっていくギター、ART-SCHOOLがインディライクなオルタナバンドであることを強烈にアピールする。ノイズパートが急に途切れて穏やかになって終わる展開も良い。アートで一番SONIC YOUTH的な箇所かも。音がショボイのが惜しい。いつか再録しないかな。それかライブアルバムに入れるとか。ライブでの後半パートの暴走具合は本当に堪らない。

6.SUNDY DRIVER
NIRVANAの『Drain Me』を思い起こさずにはいられないリフを中心としたパワーポップで締め。終いにはWEEZERっぽいメロディまで出てくるし。しかしそんな中でも木下独特のメロディ回しは元気に跳ね回る。サビの微妙な英語の発音も何のその。開き直ったようなバカっぽさでなんか清々しくミニアルバムは終わる。


ART-SCHOOLの、CDとしては最初の音源のはず。インディリリース。2000年。
後のサウンドの充実からすれば考えられないようなデッドな音が全編で繰り広げられる。ギターはアンプ直なんじゃないか?しかしこれはこれで中々良いような気がしてしまうのがファン心理。「『PAVEMENT』の1stを意識した」らしいが、その言い訳なのかよく分からない感じがなんか微笑ましい。そして木下の声が圧倒的に若く、まだ切迫感のようなものはあまり見られないが、その分いい意味でのしょぼさとか気怠さ、そして何より変な可愛らしさがこれはこれで魅力的。
歌詞に関しては文学・映画作品からの引用たっぷり。にやにやするなり、「こいつ分ってねえな~」するなり色々しましょう。でも結構好き。
それにしても、この時点で木下のソングライティングがある程度完成しているのは興味深い。これらの曲を今のバンドで録音すれば最新の音源として出せてしまいそうな、そういう首尾一貫性というかある種の進歩の無さというか。木下節その2(その1はソロのミニアルバム)として十分に楽しめる。そして『汚れた血』はやっぱり名曲。ライブでもっと演奏して欲しいなあ。


ライブの『NEGATIVE』。叫ぶのが良い。
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