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『TEENAGE LAST』 木下理樹

2009年12月25日 05:07

改訂版全曲レビュー。まずはART-SCHOOLから。そして木下ソロから。
ティーンネージ・ラストティーンネージ・ラスト
(1999/10/21)
木下理樹

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1. GLORIA
いきなり歌とベースラインから始まり、徐々にノイジーなギターとコーラスが被る疾走曲。というか、アートファンにとっては最初の木下の歌い出しが出オチ。声が高い。そしてとても可愛らしい。リバーブも利いているから、まるで別人のよう。ブッ潰れてノイズの粉みたいになったギターといい、どことなくジザメリ風。ポップで可愛らしいメロディで疾走。本当に可愛いwそしてサビのメロディは後に『ジェニファー’88』に使い回される。

2. RASPBERRY
またいきなり歌から始まるが、ポップスライクなメロディが意表を突く(実際どこかの女性ポップスと酷似w)、新鮮な感じの曲。アートではこういうタイプのメロディをあまり歌わないので新鮮。まあブリッジは『LOVERS』に使い回されるのだが……。サイコキャンディーなザラザラギターも甘美なメロディを浮かび上がらせるようでいい感じ。終盤の囁きからサビのメロディが変化する流れがかなり良い。急にブツっと終わる感じもいい具合に無愛想で可愛らしい。

3. RIVERS EDGE
ノイジーなギターと共に疾走するリズムが入る、やっぱり妙に元気な曲。パワーコードのリフが変なのと、それをまるで無視したようなメロディが奇妙にマッチしている。そして唐突なブレイク、そこからの再開がちょっと気持ち良い。ヤケクソっぽい疾走感が可愛い。しかしこの曲の歌はなんかアートっぽい。やはりサビのメロディが後の『欲望』に流用される。このメロディは『欲望』よりもこっちのが好き。

4. SWAN DIVE
後にアートでリメイクされる。アートバージョンが繊細なギターリフが駆け回るアレンジであるのに対し、こちらは全体的な穏やかさがネオアコっぽい陶酔感を生んでいる。モコモコした感じの音に打ち込みのリズムが淡々と鳴り、このバージョンも中々魅力的。そしてこの時期の木下の甘い声質がそんな曲の感じに非常にマッチしている。歌詞と相俟って「可愛らしい少年少女のちょっとメルヘンなロードムービー」的な情緒に満ちている(リメイクの方はなんかもっと深刻そうなイメージ)。しかし木下曲で明確なサビを持たないのは本当に珍しい……。

5. LIKE A DAYDREAM
ノイジーなギターが嵐のように蠢きまくる、いわゆる鬱曲。ぐちゃぐちゃな曲に対してメロディが非常に滑らかで、何だか不思議な感じ。次作の『汚れた血』なんかと同じタイプの曲か。しかしよく聞くとベースラインが全編同じで、しかも超単純。よくまあここからこれだけのメロディを引き出せるもんだ。これもサビのメロディがアートのなんかの曲で聴いたような。しょっちゅう挿入されるDinosaur Jrの『Don't』の叫びがなんか変な感じ。
 
6. NORTH MARINE DRIVE
いやあ、これは名曲。全編どことなくアートっぽいけどアートでは聴いたことの無いようなメロディ(強いて言うなら『MARCHEN』や『斜陽』か?)が非常に繊細かつポップで可愛いグッドメロディで、木下もとりわけ大切にメロディをなぞっている感がある。単純に非常に良いうた。二回目のサビから入ってくるノイジーなギターが生むドライブ感もとても気持ちがいい。お得意のラジオのサンプリングもいい感じ。そして最後のサビ前のギターソロ、というか何だこれ!?ノイズっぽい線がウロウロと彷徨っているかのようで、それがサビに収束していく様が非常にドラマチック。これを木下が弾いたって言うの?うそぉ……。正直、彼のキャリア中でもかなり上位にカウントしていい曲だと思う。


木下理樹の音楽シーンデビューアルバム。宅録で造られたアルバムで、しかし「これで20歳!?」みたいな、中村一義や七尾旅人のときみたいな驚きが無いのはやっぱり、圧倒的な音のショボさのせいか(笑)
いやしかしそれも、粉のようなノイズギターとリズムマシーンか何かの単調なリズム、そして全体的にぼんやりとした音像などなど、ジザメリ、特に『Psychocandy』をオマージュしている感があり、そういう意味では独特の良くも悪くもミーハー的な趣向が生きていると言える。まあアルバムタイトルもジザメリだし。そう、このアルバムはどちらかと言えばUSよりもUKっぽい感じがする。シューゲイザーとかその辺の。木下の声が基本的にやたらと高くて可愛らしいのもそれっぽい。宅録シューゲとしては結構聴かせるだけの魅力があるかも。
そういう音やら、そして歌詞やらも含めて、全体的にやけっぱちな感じがするのが良い感じ。木下の良さはこのやけっぱちで適当な感じだと思うので、このミニアルバムはその源流を味わうことが出来る。まあ流石にインパクト絶大の(笑)ジャケットまではフォロー出来ない気もするが(笑)そう、木下の絵は、結構酷い。そういうことも全部引っ括めて可愛らしいと、いちファンである私なんかは思う訳ですが(笑)
色々と酷いアルバムではあるが、しかしネオアコ~シューゲな、モコモコな質感ってのは、木下のキャリアの中でもこれがとりわけ際立っているので、木下ファンにとってはなかなか聴き応えのあるアルバムかも。何よりも曲が書けるのが木下の強み。あんなベースラインからどうやってああいうメロディ引き出して来るんだ!?この独自性があるからこそ、木下は一部のファンに非常に好かれていると思う。

現在入手は困難。アマゾンでの価格に爆笑。流石にそこまでの価値があるかと言うと(笑)
ようつべやニコニコで落としましょう。それかP2P。
ファンのために再販してあげればいいのに。これはこれで結構いいから、それなりに需要あると思うけどなあ。


とても可愛らしくて、どこかぎこちなさげなメロディが非常に良いのです。
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