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思い出シリーズ第一回:くるり編

2009年09月26日 02:24

なんとなくここに書く(書けるほどの)ネタが最近無いもので、こんな更新を思いつきでするようになってしまいました。まあいいか。

最近は新しい音楽にのめり込むこともぐっと少なくなり、むしろ音楽を積極的に聴くことが減ってしまい、何だか黄昏的な何かを感じているのですが(笑)、遂にそんな視点でもって様々なものについて語ることが出来れば良いなと思うこのコーナーでございます。レビューなどではなく、ごく個人的なことをアバウトにフリーキーに書ければなと(笑)

そんな第一回、くるりでございます。というかくるりのPV観ていたらなんとなく淡い気持ちになって、こういう更新をしようと思ったのですが。

くるりと言えば、最近もアルバムを出し、ライブもするようだし精力的に活動をしているようなのです。その演奏や作曲センスは円熟の域に達しているようで、安定して良い作品を創っているようです。
魂のゆくえ魂のゆくえ
(2009/06/10)
くるり

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ただ、確かに完成度の高いアルバムだと思うのですが、個人的にあまりのめり込めないのも事実なんです。実はわたしこのアルバム、パソコンに入れてから二回しか聴いてません。

それでさっき、ふと思い立ってくるりのPVを幾つか観たのです。それらの曲がもうそれなりに「昔」であることに気付き、わたしは何と言うかじわりとした思いをしたのです。

くるりは大学生バンドから発展した典型的なバンドであり、色んな意味で大学生的なセンスに満ちたバンドだったように思います。

濁ったコードで日本の情緒を取り込みつつもどこかだらしなくもいかんともしがたい学生然とした雰囲気を全体的に醸し出していた初期。沈殿したフラストレーションが一瞬ぶわっと舞い上がるような、そんな良さがあります。しかし良く聴くと本当に色々凝ってるよなあ。このぐにゃっとして抜けきれない感じがインディらしくもありしかしなんとも身近で、そういう魅力がありました。岸田ギター上手いよなあ。


そして上京してデビューしてテンパる(笑)この困惑と絶望と被害妄想感、みっともなさが攻撃性になり、そして突き抜けた格好良さになるのは、学生のクソな気持ちを代弁しつつも圧倒的な説得力があったものです。そう、こんがらがった大学生は七面倒だ(笑)
あと9mmのこの曲のカバー反対!分かり易過ぎるしなんかあんまり頭良さそうじゃない(笑)
この曲のアウトロの迷走具合とか、やっぱり当時のくるりだからこそ出来た業だよなあ。


しかし大分東京にも機械にもこなれてきて、急に洗練されるくるり。レディへ以降のエレクトロニカ導入キラキラ空虚で切ないという学生ロックの一大潮流の日本における重要な地位をスーパーカーと分け合う。ここにきてくるりの音楽の想定する「若者」の概念が大分変わってきます。「なんか駄目な大学生」から「下北沢的なスノッブさを愛する若者全般」へ。くるりの持っていた切なさの質もまたそういった具合に変化していきました。
あとこのセンチ過ぎる曲をどう民生がカバーするのかは結構興味あります。


で、そういう系統の極北。賢い大学生らしく情報を集め再構築して、という大学生音楽・若者音楽の、もう皆が羨むような理想を強烈に曲とサウンドにした名曲だと今でも思います。切なさは空虚さにどんどんと取り込まれ、ひたすら淡くて美しい光景を求める。もちろんそんなのを本気で志向していたらそれはサブカルという形で世の中の隅に沈殿することになり、やっぱりどうしようもない、まあとりあえず踊ってみるかと。やっぱり若者らしい彼等。その後ドラム脱退でバンドが一時的に崩壊するところも含めて、一番くるりが切なくて虚ろだった時期だと思います。

しかしくるりは復活する。なんかやっぱり大学生らしいいかんともしがたさと、その割には妙に力強くて芯のしっかりした、しかし微妙な情緒も忘れないサウンドを持って。ついでに外国人ドラマーも連れて来て!

クリストファーがロックンロールで客を煽り、みんな盛り上がる。若者の高揚!何よりもクリストファーの見た目無茶苦茶に身体を揺らしながらもバカテクなドラムがまた、向こうの国の学生バンドっぽくもあり、味気なさと時に同義のプロっぽさからも上手いこと逸脱していて非常に良い。何よりもこの曲自体、岸田の歌詞の「僕たち」という「うだつの上がらない若者全般」を歌い上げるような感じ、どろりとしながらも格段に逞しくなりそして学生的な狡猾さとプロっぽさのせめぎ合いが熱い。空虚な『World's End~』からか弱くも力強いこの曲への転換というのが、どれだけわたしたちの世代の音楽好きな若者にとって意味が大きかったか!「いつかは想像を超える日が待っているのだろう」!


そしてこの曲でまた、岸田のポップソングのセンスも完成を迎える。軽快さと反復による切なさ、そして歌詞の微妙な言い回しによる「僕たち若者」の切なさや繊細さをポップに舞い上げる業。そういった要素はともすれば繊細の果ての何か物足りなさに行き着いてしまいそうなところ、それをクリストファーのドラミングが心地良い具合に転がり回って払拭する感じがこの曲の幸福なところだと思う。

そしてちょっと悲しいかな。この曲でくるりのポップソングは本当にひとつの「完成」に達してしまった気がするし、「若者」に対するくるりの微妙なスタンスもひとつのすっきりしたところを迎えてしまった気がする。

これ以降のくるりが詰まらんとか、そんなことは全然思わないし、むしろどんどん岸田は職人的ソングライターになっていくし、色々とやってバンドとしても上手くやっていると思う。けれどどこか寂しく感じてしまうのは、なんというかもう岸田やくるりが「混迷する若者の気持ち」を混迷した感じに歌わなくなってしまったことが大きいように思うのです。『NIKKI』周辺では妙に爽やかぶってみたり、『ワルツを踊れ』ではどこか京都時代の感情の動きを大人になった岸田がトレースしているようでもあり、そして最新作『魂のゆくえ』ではもうなんか、くるりは完全に「若者の代表」から離れ、「若者の微妙な感情を歌う大人」になってしまった気さえするのです。いや、人間歳を取るからそれは仕方が無いことだし、むしろそういったくるりの若者に対する距離感の変化はある種理想的にも思えるのですが、しかしやっぱりどこか切ないと思ってしまうのです。


特にこの曲の、まるで京都~『図鑑』辺りのくるりを優しく見つめるかのような情緒と優しさ、そして過ぎ去ったものを眺める切なさが溢れている具合が、聴いていて、かつてくるりに熱狂していたひとりの人間として、非常に、非常に感傷的になるのです。妙にあっさりした曲展開も、最小限の展開で最大限の切なさを生み出すその極意を「完全に分かってしまった」といった感じがあって、何とも切なくなるのです。そしてその切なさは、何と言うか「何でそうなってしまったんだよ!」っていう感じではなくて「うん、そうだよな、きっと大人ならそうすべきなんだよな」と思えてしまう感じなんです。
ちょっとアレですが補足しますと、わたしはこの曲が凄い好きです。大人になった、ポップの極意を掌握した岸田繁は、これから細野さんみたいになっていくのでしょうか?うん、それがいいと思います。そういう彼の創る曲はきっと、かつてくるりに熱狂的にはまっていた「若者」だった人達を、コーヒーや酒の苦みのようなもので優しく迎え入れてくれることでしょう。「若者を見つめる大人」になった岸田繁、いつかはそういうポップの超傑作を創ってくれることを期待します。しかし何故だろう、本当に切ない。

下手をすれば今のくるりの方が今のピロウズよりも年取って見える、それがきっとくるりの一種の業であり、そしてこれからのくるりの向かっていく先を少し示しているのでしょう。ああ、何かそれは本当に、切ない。大人になるって切ないなということを、くるりというバンドをずっと見ていると思うのでした。

あとエディは本当にピアノが上手過ぎるなあ。
しかもパフォーマンスも面白いし、なんなのこのおっさん。

ひょっとしたらエディこそ一番素敵でおバカな歳の取り方をしているのかもしれん……。
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コメント

  1. たかぼー | URL | -

    くるりはスペシャ見始めた頃から知って
    最初は「変なバンド名だな見た目地味だし。でもなんかカッコいい」って印象でした。
    「青い空」のPVはほぼ毎日見てた気がする。
    ストラトをかき鳴らす岸田氏がカッコよかった。
    今見るとホモくさくて気色悪い 笑。

    もっくん、アメトーークに出てましたね。
    ダイアモンドユカイのバックバンドのドラマーとして

  2. よしとも | URL | -

    確かに、やっぱり特に初期なんかは独特の気持ち悪さみたいなのが目につきますよね。気持ち悪いけどなんかかっこいい、みたいな。

    でも『青い空』と『宿はなし』が初期に既に一緒に入っているところ、もっと言えば『モノノケ姫』と『坂道』が一緒に入っているあたりから、ただ気持ち悪い訳でもブチ切れている訳でもなく、っていうバランスが面白いなあと。今岸田氏は後者的なポップスを極めようとしているんすかね?どうするのやら。

    もっくんの活躍を聞くとなんかいいですよね。和むというか安心するというか。

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