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『Bullet With Butterfly Wings』 Smashing Pumpkins

2009年06月01日 04:19

なんかヨーロピアンなジャケ。ビリーの趣味が爆発している。
ジャケット裏はもっと強烈。
Bullet With Butterfly WingsBullet With Butterfly Wings
(1995/10/12)
Smashing Pumpkins

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まず、当初のシングルに収められた二曲。

1. Bullet With Butterfly Wings
スマパンの曲の中でも、最も分かり易く、そして激しくグランジしている曲だと思われ。爆発を前提とした抑制の中短く切れたメロディを歌い、そしてサビの激しさに繋がっていく。生き急ぐように拍子足らずで、明るいイメージは無く、ひたすら攻撃的なパンプキンズ。ハネはしないが要所要所でロールするドラムや、途中からもう何がなんだかよく分からないギター、そして極めつけのリフレインが超強力。そこからのブレイクも、定番とはいえ否応無しに盛り上がる。そして最後の強烈な爆発と強引な収束。フラストレーションが一気に燃え上がり、燃え尽きるかのような展開。
ビリーはこの曲を「オーディエンスと合唱し易い」と思ってシングルにしたようだ。確かに、ライブでこれを聴いたら否応無しに盛り上がるだろうなと思う。スマパンの他のハード路線の曲みたいな爆発とはまた異なった、純オルタナティブミュージック的興奮。演奏するのも楽しそう。PVでも演奏してるし。
2. ...Said Sadly
激しい前曲とは打って変わって、非常に穏やかで優しい、イハによるカントリーソング。それは、まるでNeil YoungとNicolette Larsonのデュエットするカントリーソングのように穏やかで優しくてか弱い。この曲の場合、デュエットの相手はNina Gordon、私は彼女について何も知らないが、イハよりもしっかりした歌声が、(悪い意味で無く)弱いイハの声とよく合っていると思う。西海岸の夢を思わせるスライドギター、芝生の上に降り注ぐ優しい太陽を思わせるメロディとハーモニー。この曲は、イハがソロに持ち越すことになる作風と何も変わりはしない。彼の「核」のようなものを、ソロを聴いた後では強く感じる。彼のソングライティングの無欲さがよく伝わってくる(ビリーとはそこにおいて対照的だと思う。ビリーのソングライティングは多くの場合世界を塗り替えんとする欲求に満ちている)。


スマパンのメランコリー期の1stシングル。先行シングルだったか。先行シングルとしてはパワーがあっていいんじゃないっすかねー。カップリングも好対照をなしてるしぃー。二曲じゃ総評する意味ねーっすわ。いやまあ両方ともいい曲なんですが。

この二曲にプラスして、ボックスセットのこのCDには五曲のカバーが収められている。

3. You're All I've Got Tonight (original: The Cars)
The Carsの原曲とほぼ同じようなアレンジであるが、ギターの歪みの重さや質と、ビリーの歌い方でかなりスマパン色に仕上がっている。パワフルなタム回しと分かり易い左右のギターの壁がいい具合。間奏のギターソロはかなり抑制されている。ビリーのこういう曲における歌い方の(いい意味での)醜さ具合は一貫している。なんと言うか、えぐいあの感じ。
4. Clones (we're all.) (original: Alice Cooper)
Alice Cooperのシンセと機械的なリフの隙間を流れるポップソングを、やはり90年代風のハードさでもってカバー。ただ、ミドルエイトの部分に幾らかの脚色というか、盛り上がっていく感じの原曲のミドルエイトを、呪文みたいに冷淡に歌ったりして、その前後の構成がちょっと入れ替わったりしている。ギターのミュート時の音がいかにも90年代オルタナな感じでいいと思った。サビのメロディは、普通に聞いてたらそうは思わなかったけど、よく聴くとあんまりスマパンっぽくはない。どうでもいいけど。
5. A Night Like This (original: The Cure)
キュアーの原曲はキュアーらしさが強烈に出た、クールでちょっと力強いマイナー調というか、まさに「キュアー節」みたいな曲だけど(っていうかカッコいいなあおい)、それを何故かビリーではなくイハのボーカルで、しかもいつも以上に弱々しく歌う。タイトで音が大きめなドラムの他は輪郭の丸い音が多く、独特のサイケ感はキープしている。うっすら入っているチェロの音が夜をなぞるようで美しい。というか、イハの声でもスマパンっぽい曲に聞こえる。ということは、スマパンのメロディに占めるキュアーの位置がどれだけ重要かということを表す。まあ流石にアハーハーなんてコーラスはスマパンの他の曲じゃあ聴けないが。
6. Destination Unknown (original: Missing Persons)
ピコピコ具合がいかにも80'sポップスって感じの原曲(ガールズポップっすね)を、割とそのままカバー。打ち込みを使用している。うねうねシンセが実にそれっぽい。ただ、原曲のどこかドリーミングな感じは無く、むしろYMOを少し思わせるようなクールさを感じる。間奏にもノイズが入るし、原曲よりも無機質な感じ。ただ、メロディがポップでどこか可愛らしいので、無機質さが暗さに繋がらないのがちょっと面白い。
7. Dreaming (original: Blondie)
これはなんか、カバーだけどこう、名曲然として存在しているし、ビリー的にも多分そういう位置づけで、しかもシングルの最後を収束させる意味も持たせているのだろう。Blondieに関しては恥ずかしくも無知なのでようつべで原曲を聴いてみたら、なんか3分くらいの元気のいいポップスソングだった。それをスマパンはゆったりと丁寧に、5分くらいの「幻想的な名曲」風に料理する。リズムが打ち込みなのだが、このリズムはほぼ『Ava Adore』と同じものが使われている。既にこういう方向に向かっていたようだ。リズムが全面に押し出されている。あくまで人力チックな他の演奏と上手く合ってて良い感じ。原曲以上に「Dreaming」な感じに仕上がっていると思う。3分半を過ぎると、後はアウトしていく。順番に楽器が減っていく。リズムは最後まで消えずに、それにふにゃふにゃシンセが絡み、そして突如途切れる。いいなあ、演出上手。原曲が女性ボーカルだからか、ダーシーが「最初は」ボーカルをとるが、これがなんか変な感じ。エフェクトが掛かっているのか、声が汚いのか(笑)ダーシーの歌は全然上手くないと思う。コーラスはいいと思うけど。途中からビリーがメインで歌い出すのがなんか笑えると言うか哀れと言うか。

という訳で、追加されたカバー曲は誰かの80年代趣味に満ちている。それらのどれもがそれなりにしっかりスマパン色に仕上がっているのは流石と言うか。でも原曲のメロディとかを聴いていると、確かにそれらとスマパンが陸続きな感じはする。個人的にはニューオーダーのカバーも聴きたかったかも。
そして最後にちょっとだけ、「次」の方向性を匂わせて終わる。この辺ビリーの完璧主義具合が伺える。当然ボックスが出る頃にはジミーは既にいなかった訳だから。


スマパンのPVはどれもようつべで「リクエストによる埋め込み無効」が出る。
よってまたもやニコニコから。

怒りに満ちていながら、オレはまだカゴの中のネズミみたい
オレしかいないと言っておくれ ジーザスは一人息子だったろ
オレこそが選ばれし者だと言っておくれ
ジーザスはお前のための一人息子だった!
怒りに満ちているのに、オレはまだカゴの中のネズミなんだ
まだ信じている、オレはきっと救われはしないということを


ビリー……(´・ω・`)
この絞り出すようなやけっぱちな鬱加減、好きです。


ついでに、メロンコリー期のライブ動画。始まり方が笑える。テンポ速いカッコいい!
ビリーが望んだオーディエンスとのコミュニケーションもばっちり。
この頃のスマパンは「外部から見れば」本当に最強だな。
実際は、内面はボロボロだったという。死に体にはとても見えないが。
あとZEROティー欲しい。
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