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『D.I.Y.H.i.G.E.』 髭(HiGE)

2009年03月06日 02:55

2ちゃんにうpしたものをついでに転載。
D.I.Y.H.i.G.E.D.I.Y.H.i.G.E.
(2009/03/04)
髭(HiGE)

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1. ダイアリー ★★★☆
いきなりマイルドな歌から入る、ドリーミーでベルベッツな曲。後ろに入ってる鉄琴の音とか、トレモロが深く掛かったギターの音とかが今回の路線を表す。
歌詞は前作の自虐路線を保ったままダウナーで正直になったようなやるせなさがある。アルバムのテーマである「夢」という言葉が、諦観に満ちた情感で歌われる。
2. 家 ★★★★★
力強くもゆったりとしたバンドサウンドが展開される、USインディっぽいっていうかスマパンの『Today』とかっぽいナンバー。ギター二本の住み分けが凄くそれっぽくて良い。サビのリフレインがマイナー調になるところが非常に良い。帰る家を見つけたと言いながらもやはり「毎日は曖昧なDAY & DAY」と、どこか迷いとそれに対する諦めを思わせる歌詞。
3. オーバーグラウンド/アンダーグラウンド ★★★
前作『Chaos In~』よりも前の作品にあったようなサビ無しな感じで進んでCメロで世界が広がる感じの曲。須藤のボーカルの後ろでずっとコテイスイがコーラス(?)をしているのが印象的。「辺りは暗くて 見失ってしまうよ」と迷ってる感じがここでも吐露される。
4. 髭よさらば (album ver.) ★★★
先行シングルにも収録されなんかタイアップもついた、髭らしい良い意味でジャンクなナンバー。ドラムが重たいところなんかはサバス風。ギターもそんな感じで重く鋭かったり。しかし全体としては非常にファニーな仕上がり。シングル盤との違いはそんなに感じない。PVの悪ふざけ具合は大好き。
5. ミートパイ フロム ロシア ★★
彼等の初期によく見られた、なんらかのリフ(今回はベース)を軸に作り上げられたねじくれナンバー。しかしいかんせんフックが無い。盛り上がらない感じを狙っているのだろうけど、適度なアングラ感は出してるけどなんか足りない。終盤のファズいベースは良い。
6. D.I.Y.H.i.G.E. ★★★
今作では唯一のシンプルなグランジナンバー。相変わらずシンプルなリフの上にしっかりポップなメロディを載せてくる。途中からのサイケな展開によってアルバム内での整合性を維持している。サビの拍子足らずな合唱がポイント。
7. タイポグラフィー ★★
彼等のアルバムに必ず一曲はあるインスト。ベースの宮tea作曲。このアルバムのテーマは「夢」らしいが、この曲を聴いてる限り、やはり奇麗な夢ではなく、かなり不安定で自家薬籠的な感じがする。
8. 嘘とガイコツとママのジュース ★★★☆
ずっと繰り返されるギターやベースのリフやメロディ、そして単調なリズムで展開される、今回のカオス曲。一応サビもあるがそれも突き抜ける類のものではなく、とてもねじれている。ベルベッツの『Sister Ray』とかゆら帝のここ数作とかにも繋がるようなカオス具合。個人的にはもっとぶち壊れて欲しかったかも。
9. 夢でさよなら (album ver.) ★★★☆
先行シングルにもなった曲。「歌謡曲っぽい」と自称するメロディとテンポ正しくゆったり疾走するギターロックが噛み合った曲。淡々としたリズムギターと所々でユニークにぶれるリードギターのズレが良い。歌詞を見ると、確かにこの曲が先行シングルというのは正しかったのだなあと思わせる。夢で得る自由と諦観に満ちた歌詞は確かにアルバムのテーマを表している。シングル盤とはMixやギターの歪み具合などが異なる。
10. イカしてる俺は××× ★★
何だこの曲……?ペイヴメントのアルバムに時々入ってるぶっ壊れた勢いとユーモアだけで出来た曲みたいな感じ。歌詞は自分に対する皮肉か。暴走というよりは、迷い狂ってるようなイメージに思える。
11. ミスター・タンブリンマン  ★★★★
アルバムの締めは、だらしなくも情け無いリフと拍子狂わせな歌が流れるAメロから穏やかに浮遊するサビに移行するミドルテンポな曲。ドリーミーなサビからまたリフに戻って行くところのぐにゃっと潰れていくような感じがなんとも虚しい。そして最後のサビの後の高揚感。ギターのサイケな音作り。夜明けという「夢の終わり」を、どこか逃避的な世界観でもって歌うのもまた非常に虚しい。

総評:★★★☆
髭(HiGE)のメジャー5枚目のアルバムはセルフプロデュース(前作前々作はアイゴンこと曾田茂一をプロデューサーに迎えて作られている)を何故か前面に押し出した(多分そこはどうでもいいんだろうけど)アルバムとなった。前作が切れ味とポップさに長けたアルバムであったのに対し、珍盤『Electric』を挟んだ今作は「夢」をテーマとしたサイケでドリーミーな感じ(これは昨今のネオサイケブームの影響か)を強調したアルバムとなった。しかしその夢は逃避的で、その逃避は酷く諦観に満ちていて、おまけに楽曲は初期の自由なサイケ感なんかも標榜しながら、どこか力の抜けた作りで、なんとも弱々しくも切ない、悪く言えば「迷走」しちゃってる雰囲気が香る。確かに前作のはっきりとした作風が髭のキャラクターをある程度作り上げてしまったので、そこからの脱却の必要はあったのだろうが、それにある程度苦しんで(あるいはその苦しみを利用して)いるような感じがした。
確かに、前作、今作と来て、なんだか髭というキャラクターが行き詰まってしまいつつあるような感じはする。だからこそ、これから彼等がどんな路線に進むのかは悩ましいとともに、非常に興味深いところでもある。


3月12日追記:アマゾンでレビューしたので、そっちも張ってみる。

髭(HiGE)のメジャー5枚目のアルバム。
二年ぶりらしいセルフプロデュース(前作前々作はアイゴンこと曾田茂一をプロデューサーに迎えて作られている)を前面に押し出したアルバムとなった。

前作が切れ味とポップさに長けたアルバムであったのに対し、珍盤『Electric』を挟んで、今作は「夢」をテーマとしたサイケでドリーミーな(これは昨今の欧米インディシーンのネオサイケブームの影響か)コンセプトをある程度有したアルバムとなった。前作で特に顕著だったグランジ的な要素は著しく限定され、その代わりにベルベットアンダーグラウンド(M1とかモロ)からゆらゆら帝国まで連なる類のサイケデリックな要素があちこちに付加され、「夢」というコンセプトを表す。

しかしその夢は逃避的で、酷く諦観に満ちていて、おまけに楽曲は初期の自由なサイケ感なんかも標榜しながら、これまでの人を喰ったような余裕が無い、やたら素直で弱々しく切ない感じを強調し、
意地悪な見方をすれば「迷走」しちゃってるような雰囲気も漂う。前作である程度完成してしまった「髭」としてのキャラを避けることに躍起になっているような感じもする。

しかしその分、前々作以前のシニカルに振る舞う髭とも、皮肉を自身も含む全方向に向ける前作とも異なる、これまでで最も弱々でネクラな髭のキャラクターを眺めることが出来る。また楽曲の粒も揃っており、アルバム一枚としての流れも前作と同様スムーズである。

前作、今作と来て、なんだか髭というキャラクターが行き詰まってしまいつつあるような感じはする。だからこそ、これから彼等がどんな路線に進むのかは悩ましいとともに、非常に興味深いところでもある。

スマパン的などっしりギターロックM2や、『Electric』からのフィードバックを活かしたカオスなM8なんかが好き。



やっぱ聴き込むと感想変わりますね。


更に追記3月20日

アルバム発売記念でこんな企画をやっているようです
うわあ……しょうもねー。
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