--年--月--日 --:--

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

『Let It Be』 The Beatles

2008年12月23日 20:51

Let It BeLet It Be
(1991/07/20)
The Beatles

商品詳細を見る

1. Two Of Us
カントリーチックで実に小規模な、名曲。タイトルの「two」は、ジョンとヨーコだとかポールとリンダだとかが正しいらしいが、一ファンの勝手な妄想としてはここはやはりジョンとポールにしておきたいところ。このアルバムは仲違いしたバンドによる悲惨なセッションの残骸で出来ているが、そんなアルバムの始まりがこんなに優しく、そしてどこか疲れきって、休日にどこかに出かけることを希望にして生きているような曲というのが切ない。ジョンとポールのハモリはまた、仲違いしていたとは思えないほど素朴で美しい。ポールの書いたメロディがまた、過剰な部分が無い素朴なメロディで良い。そして「You and I have memories...」と続く曲展開がなんとも感動的で素晴らしい。フェードアウトしていくアウトロはなんとも寂しい。
2. Dig A Pony
ジョンによるダルでパワフルな三連ロックンロール。まあただヨーコに「好き」って言いたいだけの曲だけど、でも結構いい曲。この時期のビートルズはアメリカ的な土臭いロックを志向していたけれど、それが上手く出ている。ジョージのギターなんかは後のUSローファイに繋がる部分なんかもありそう。アップル屋上でのライブを一発撮りしたものらしい。いい演奏だ。ただ、曲の前後にあったらしいタイトルコールが除去されているのは不満。どういうことだよフィルたん。
3. Across The Universe
曲に関してはジョンのメロディアスサイドの名曲。そのメロディは『Strawberry Fields~』や『Sexy Sadie』にも並ぶ美しさ。頼り無いメロディの循環が儚さと悟りっぽさを上手く表している。しかし残念なのは本人がこの曲を完成させることが出来なかったこと。このバージョンはフィルたんが勝手にストリングスやコーラスを挿入しまくった、多くのファンから顰蹙を買ったバージョン。別にこれはこれで悪くないとは思うんですけど。結構サイケだし。
4. I Me Mine
ここからポールいじめ開始。いきなりジョージのポール糾弾ソング。「お前いっつもアレ、俺、おれ、オレ、そう言ってるのが聞こえてウザいんだけどこの自己中」という曲。曲自体はワルツ調から猥雑なロックンロールに展開する様がなんともグダグダでこのアルバムらしい感じ。特にいい曲とは思わないけど、フィルたんの編集によるストリングスが歌詞のヒステリックさを強調しているのは笑える。
5. Dig It
元々は10分に渡る、ファンに言わせれば「非常にスリリングな」ジャム。しかし私はこの曲の4分バージョンを聴いたけど、ダルかったけどなあ。だからフィルたんがこの曲を40秒の小曲に編集したのは、商品として考えれば別に間違ってはいないと思う。そして最後にジョンのジョーク(ふざけたことに赤ちゃんトーキング)「ジョージ帰っちゃったから、次は「天使ちゃま」の歌でちゅ」うーん、辛辣。
6. Let It Be
そして天使様「マザーメアリー」来たる。日本人みんなこの歌好きアルねー。この歌が好きだとある程度のビートルズファンに言ったら鼻で笑われます。まあビートルズ的なスマートさが無くて、あまりにジェントリーすぎるかとは思うけど。でも、オルガンだけ残った後からの展開は流石にかっこいい。特にジョージのギター、音良し鳴き良しフレーズ良しでかなりかっこいい。ジョージのギターはやはりこの時期に完成したらしい。
この曲はシングル版もるが、違うのはサビでホーンセクションが入る(アルバムバージョン)かコーラスが入る(シングルバージョン)かということ、そしてギターソロ。断然このアルバムバージョンが格好良いです。
7. Maggie Mae
神聖な気持ちの前曲を小馬鹿にするかのようなふざけた曲、曲順に乾杯。リバプールに伝わる春歌で、売春婦の歌らしい。それを仲良く弾き語るジョンとポール。なかなかに終わってる感じがして良いです。すぐ終わるとこもグダグダで良し。
8. I've Got A Feeling
このアルバムの元々のコンセプトに一番かなった曲はこれか。アメリカンなルーズさとパワフルさを持ったミドルテンポの曲に、おっさん臭いテンションのポールとシニカルで鋭いジョンの歌が交差する。インディチックなギター、重たいドラム、分解寸前のはずのバンドがここでは上手く噛み合った演奏を見せている。屋上ライブからの一発撮りだが、間違い無く屋上ライブでのハイライト。特に終盤のジョンとポールの歌が同時進行するところへの流れは思わず「バンドっていいなあ」と思っちゃう程。
9. One After 909
ビートルズ初期のレパートリーからの一曲。確かにそんな感じのする曲。しかし初期のあのドライブ感は抜け落ち、なんだかズンドコしている。その中でキーボードが自在に動き回り、元々マージービーとトだったのが結果的にスワンプロックみたいになっている。これも屋上ライブから。
10. The Long And Winding Road
『Let It Be』『Hey Jude』と並び称される、ポールの名バラッド。確かに気品に満ちたメロディだが、しかしあまりにスタンダード寄り過ぎてビートルズっぽさが全く無いのも確か。フィルたんの編集でストリングスが分厚いのもビートルズっぽくない感じを助長している。まこれはこれで映画のエンディングみたいでかっこいいと思うけど。正直ポールはこのアレンジについてキレ過ぎだと思う。先の三曲の中でも特に作為的なこの曲、私は別にどうでもいい。
11. For You Blue
で、そんな本気全開のポールをまたもバカにするような曲順。ジョージによる非常に「カルい」カントリーブルース。もうなんて言うか、捨て曲感全開な感じがなんともいい。アルバム終盤にして最高のグダグダ感。スティールギターがかっこいいが、なんともダルダルで気が抜ける。
12. Get Back
散々虐められたポールが最後に放つ、会心のロックンロール。やはり土臭い、というかどこかウエスタンな感じもする。ルーズな演奏の中、リンゴのドラムの安定感、キメの入れ方の鮮やかさが光っている。まさにこのアルバムの元のコンセプトを体現した曲。ジョンによるリードギターもなかなか格好良い。ポールの歌があまり暑苦しくないのも良い。これもアップル屋上ライブからのテイク。最後にジョンが「オーディションに受かりますように」と言うジョークが挿入されて終わり。


ジョン曰く「地球上で最も最低なセッション」だったというゲットバックセッション、それはポールの「もっと昔みたいにタイトなバンドに戻ろうぜ!そしてライブしようぜ!」という提案から始まり、テンションの高いポールとやる気の無い他三人(それは曲にも良く出ている。ダルい雰囲気の多いアルバム中でポールの数曲だけやたら上品ぶっているあの感じ)によって非常に実りの無いセッションが行われた。その残念さはそのセッションからどうにかして作り上げたアルバムが、そのクオリティの低さに販売を断念せざるを得なくなる程。結局グダグダで険悪で解散が確定してしまった感じのあったバンドは、このセッションの後に色々あった後、最後のアルバム『Abbey Road』のレコーディングへと至る。そしてこの投げ出されたセッションは、まずセッションの様子が映画『Let It Be』となり、そして60'sの名プロデューサー、フィルスペクター(上ではフィルたんと呼称)にジョンがアルバムとしての編集を依頼する形で、結局は世に出ることになった。その編集にポールは激怒、色々あった後ジョンとジョージがいなくなったのを見計らって『Let It Be naked』を制作、という流れ。

アルバム自体を観ていく。まずはなんとも凄い曲順。感傷的に始まったかと思うと急に真面目ぶったポールに対して厳しい(笑)構成になり、そして最後にポールが「元に戻ろうぜ」と言うという、酷い曲順。私、その酷さが好きです。大好きです。もう『Maggie mae』のどうしようもなさとか、凄くこの時期のビートルズっぽくてリアルだと思う。フィルたんはいい編集をしたと思う。ストリングスとかのアレンジも、まあこれはこれで悪くないと思う。確かにポールはウザいかもしんない。
で、曲において目立つのがアメリカンロック的傾向で、カントリーやスワンプ、そしてThe Bandを意識したと思われるグルーブ感がアルバムの主流である。これはサイケブームが一段落したイギリス(アメリカではもっと続く)のその後の「ルーツ志向」にビートルズも乗っかっていたことが分かる。その消化っぷりはセッション最後のアップル屋上ライブによく現れている。もっとバンドが纏まっていたら、この路線で一枚いいアルバムが作れたかもしれない。キーボーディストのビリープレストンがいい仕事をしている。そしてジョージもそのプレイを完成の域に高めている。これでバンドに纏まりがあれば、というのはなんとも惜しい話である。

しかし凄いのは今の時代、Youtubeで映画『Let It Be』を部分的に見ることが出来ること。リアルタイムで映画を見ることが出来て「あれ観とらん奴はビートルズファンじゃないし」とか言っちゃうオジサン涙目wwwいやしかし確かに早くDVDか何かにしちゃえばいいのに。以下はこの映画のクライマックス、例の屋上でのライブ。ビートルズ、何年かぶりにして最後のライブ。これが非常に出来がいいから驚くよなあ。これがこんな簡単に観れるなんて、ホントいい時代になったらしいなあ。





あと一枚でやっと終わる。やれやれ。
スポンサーサイト


コメント

    コメントの投稿

    (コメント編集・削除に必要)
    (管理者にだけ表示を許可する)

    トラックバック

    この記事のトラックバックURL
    http://okazaki5.blog95.fc2.com/tb.php/402-25892c4a
    この記事へのトラックバック



    上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。