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いわゆる「オルタナ」サウンドとは第二回

2008年07月05日 06:36

今回は、前回曖昧に例を示したオルタナサウンドの歴史を、浅く拾ってみます。

まず、全てのオルタナティブな表現の一大ルーツとされるのが、ニューヨークロックのゴッドファーザー・The Velvet Underground。その制作姿勢は「アンチテーゼ的実験精神」に基づかれ、彼らの残した音楽から後に様々な「カウンター的」なジャンルが花開いていきます。

ただし、彼らの音楽はあまりに多くのジャンルに波及したため(サイケ・パンク・ゴス・ノイズ・ポストパンク等々)、オルタナサウンドの起源というよりも、「オルタナに繋がる要素も内包した」音楽だったということに、ここではとどめておきたいと思います。

批評精神という意味では、Bob Dylanも忘れてはなりません。いくつかのオルタナバンドが持つ鋭い批評眼は、彼の志を受け継いだ部分が多少なりとも存在します。まあサウンド的には全然オルタナじゃないけど。だから動画なし。

あと、忘れてはならないことですが、いわゆるオルタナもの的な音楽というのは、「音はオルタナしていても曲は意外とポップ」という場合が多いですが、そのポップさは伝統的なギターポップ/ロックの系譜の中にあります。要するにThe Beatles。アルバムで言うなら『Revoler』時期の荒くれながらもヘロヘロなポップさはオルタナ的でもあります。

この辺、The Doorsとかはオルタナというよりもポストパンク的で、その辺の境界はちょっとややこしいです。
60年代のオルタナ的ギターロックでもう一曲。パワーコードの大味なリフが主体な感じがNirvanaと通じるものがあります。ハードロックやパンクっていうよりはオルタナだろう多分……。The Kinks


こういった60年代における、最早いわゆるロックンロールの枠からはみ出て誕生したギターロック、しかし70年代に入るとロックバンドは次第に巨大化して、マッシヴなハードロックや、荘厳で深遠で冗長なプログレの時代に入ります。ヘナヘナ感やユーモア感覚といったひねくれた要素や、ぶっ壊れた冗談のような実験作というのは減少し、そういったものの復活はパンクの熱が冷めるのを待たねばなりません。
そういった60年代的ヘナヘナ感・ユーモア感をこの時代多いに受け継いだのは、ロックバンドではなくシンガーソングライターたちでした(T-Rexもマーク・ボランというシンガーソングライターのバンドといえないこともないし)。
熱に浮かれるハードロッカーや哲学的思考の海に沈んでいくプログレの人たちの裏で、どうしようもない切なさ・空虚さ、よく分らないが大事な何かが失われていく感覚を表現し始めたのが、後にオルタナのゴッドファーザーと呼ばれるようになる、我らがNeil Young大先生です。「だらしなくも失われ続けていく」、オルタナにとって批評性と同様重要な精神性を彼は批評性(またはアンチテーゼ)と一緒に磨き上げていきます。

ヒット曲を生んでスターになる道が開けてもそれに納得せず、ひたすら傷ついたロック屋であり続けている彼の精神性、それがあろうことか、自分とは一世代下の音楽、自分と同期のアーティストの多くが忌み嫌う音楽、反抗そのものを音にした音楽――パンクを発見した瞬間、彼のその精神性が音となって現れます。ジョニー・ロットンに奉げられ、後にカート・コバーンにその詞を引用される、彼の代表作にして彼そのものの楽曲。Hey Hey, My my。

オルタナの起源は多々ありますが、この曲こそが音楽的・精神的オルタナ性が一致し発露した最初の瞬間だと考える人は多いです。僕もその方向。

ただ、この曲が生まれてその後すぐにこういった音楽が増えていったわけではありません。むしろこれはオルタナのそれ以降の歴史と切り離されている感すらあります。まあ時代はポストパンク・ニューウェーブの時代なんで。このオルタナ性が発見され広まっていくのは、アメリカのアンダーグラウンド・ハードコアシーンの発達以降です。

『No New York』等からだんだんと発展していくアメリカのアンダーグラウンドシーン。しかし、No Waveの精神が示すとおり、その音楽性は一般的なポップオルタナの尺度を遙かに超えた気狂いっぷりが交差する世界でした。ノイズまき散らし、不協和音を出すことを目的とし、快楽性を否定する。まあこういう音楽を「オルタナ的」って表現する場合も大いにあるんですけどね。一番分かりやすいのは、初期モーサムなんかはこの辺からの影響もふんだんに含んでます。福岡のオルタナシーンはむしろこういうのばっかり。変態な街だ……。

No Waveの代表的なバンドDNA。この辺はまだポストパンクに含めてもよさそう。アートリンゼイ先生何やってはるんすか。

Black Flag。いかにもUSハードコア、いかにも雑誌『Dolls』って感じの世界。吹っ切れてます。

Minor Threat。USインディの大御所イアン・マッケイ。


Husker Du。USハードコアにポップさを導入し、後のオルタナシーンの隆盛を支えました。

この辺ポストパンクとオルタナサウンド確立の過渡期的な感じがしますね。

まさにその過渡期の真っただ中を過ごし、そしてオルタナサウンド確立に多大なる貢献をし、もはやオルタナそのものみたいな存在になったバンドがSonic Youthな訳で。動画は過渡期的暗黒オルタナまっしぐらな『Death Valley 69』。グロ注意。

で、遂にはPixiesがそういった要素を踏まえてか踏まえてないのか、または60年代ロックからの影響も感じさせながら、まさにオルタナクラシックとなる名曲・珍曲群を残していくのでした。そこには荒々しさを一面に秘めながら、はっきりとしたポップ性・キャッチーさがあったことが重要でした。

オルタナの代名詞的名曲Debaser。シャウトはUSアンダーグラウンド的でありながら、圧倒的に突き抜けたポップさ。

同じ頃にDinosaur Jrも大変ポップでヘナヘナでしかしギターがいい具合に歪んだ作風を展開していました。こっちはアングラっぽさは薄めで、そして60年代ギターロックやNeil Young的なもたったポップさが表れています。


で、そうやって形成された「オルタナ」な音楽を結果的に世界中に広めることになったのが、カートコバーンさんたちNirvanaなのでした。ついでに自殺もするし、めでたしめでたし。

チアリーディングな女の子たちの存在が嫌がらせすぎる。

とりあえず今回はここまで。
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