一連の雷句誠騒動を見て
2008-06-07
『金色のガッシュ』は中学生の時読んでた。高校生になってから『かってに改蔵』が終わって『からくりサーカス』が非常に残念な展開をしたので、サンデー自体を読まなくなって、結果ガッシュとも疎遠になった。最近終了したと聞いて、そのうち暇が出来たら読み返そうとか思っていたら、なんだか作者が小学館と絶縁宣言したり不満ぶちまけたりで、そして遂に今回の提訴へ。サンデーの編集の最悪さは結構前から話題になっていた。特に目立ったのは、一時期の連載漫画の低年齢化で、すでにコロコロを持っている小学館がなぜサンデーで同じ層を取り込もうとしたのかよく分からない。結果、『かってに改蔵』が終了し、ボーボボの百倍詰まらないギャグ漫画が始まった(ボーボボを評価してると言うよりも酷さを強調してるんです。ボーボボの私の中での価値はネウロを結果的に生んだこと)。
しばしばその酷さは、作者のちょっとした愚痴に留まらず、大きく露出する瞬間があった。それはとりわけ、なぜか結構な人気があったはずの(ワンピース離れも結構出来ていたころの)『うえきの法則』が打ち切られ、しばらく後になぜかアニメ化し、それに合わせて急に続編が始まったことなどに強く表れている。干されて、勝手にアニメ化されて、急に続編書けと言われて、作者も気が悪くなったのだろう、休載が続いた。
ジャぱんの終盤の酷さもよく取り上げられる。あろうことか編集者と同姓同名のキャラを、それもギャグではなく完全無欠な美形キャラとして登場させるなど、元から兆候はあったが、過剰なリアクションインフレでストーリーは破綻、最近でもかなり最悪な(この場合の「最悪」は「シャーマンキングはまだネタになったからいいじゃん」レベルの酷さを指す)最終回を迎えた。
実力のある漫画家の流失も、その酷さゆえだろうか。編集長に本気で嫌われてたっぽい久米田康司の打ち切り以降、藤田和日朗が青年誌に行ったりまさかのモーニング連載をしたり(まあいつの間にかサンデーに帰って来ていたけど)、そしていつの間にかウルトラジャンプで連載している皆川亮二。
ここ最近の、雷句さんの「告発」を総て真に受けるわけではない。彼は『うしおととら』時代から情熱と諧謔さを持ち合わせていて(巻末でやたら輝いていたな)、そして師匠の情熱を一番受け継いで、それをさらに間口の広い、現代風の作品に昇華した。いつの間にか結構売れて、サンデーの大御所たちの次くらいのポジションまで上り詰めた彼だが、漫画事態も熱さとひょうきんさを上手く両立した、それなりに評価の高いものであった彼だが、彼の「告発」はあくまで一漫画家としてのものであり、視点が違えばどうだとか、そんくらいの酷い環境は普通だとか、色々と文句は付けられるだろう。
しかし、私が言うまでもなく多くの人が指摘しているが、雷句さんがここまで辛辣に、小学館を相手取って戦う姿勢を見せているのは、問題提起であるとともに、漫画をめぐる環境の改善を狙ったものであろう。彼ならばそれなりに成功して財も地位もあり、発言がもみ消されることも無く、仕事が無くなるリスクも幾らかは軽くなる。彼が漫画のことを本当に好きだから、ここまで本気で戦っているんだと私は信じたい。
あらゆる場所で、「最近の少年誌は質が落ちたよね」と囁かれる昨今、彼の問題提起がこの閉塞的な状況を打破する一つのきっかけとなればいいのですが。
あと、サンデー自体はどうでもいいが、『金剛番長』だけはちょっと別格だからなあ。やっぱり鈴木央さんも同じように編集の嫌がらせ・脅迫とか受けてるのかなあ。『ULTRA RED』のリベンジの意味でも、彼には彼なりに最高の漫画を貫徹してほしい。とりあえず編集者の名前が出てきたらアウトかな。サンデーの人材が流失していく中で、ほぼ唯一の逆パターン、しかもジャンプからという、変わり種中の変わり種な作者はそろそろ本当に報われてもいい時期だと思う。無事完結してくれることを祈る。
「美術的価値ある原稿を失った」 “金色のガッシュ!”作者、小学館に330万円損賠求め提訴…原稿紛失で
http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/1135710.html
「金色のガッシュ!」作者・雷句がサンデー編集部の裏話を暴露…編集者らを実名挙げ痛烈批判
http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/1135827.html
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