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『HELP!』

2008年05月19日 00:16

Help!Help!
(1990/10/17)
The Beatles

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1.Help!
代表曲中の代表曲にしてジョン本人が認めるターニングポイントな曲。まあ確かに歌詞には疲れが見えるが、「僕が昔若かったころ~」って歌ってる本人何歳だよ!十分若けぇーよ!とも思う。それよりも、非常に軽快で上手に跳ねるリズムと、その上に乗っかる激ポップで「The Beatles!」な歌メロ、そして歌メロと同じくらい存在感のある流麗なコーラスに注目。最後のサビに向かう前にアコギだけになる展開は現在でもしょっちゅう使われる手法だし。初期ビートルズの総決算のような、完璧な名曲だと思う。
2.The Night Before
ポールお得意の「軽快で上質なポップスすぎて引っかからない」タイプの曲。ピアノが伴奏の中心だが、それを弾いているのがジョンというのが、だんだんメンバーが音楽的技能の高まりを見せ始めたのが分かる。うーん、本当に特に言うことないな。悪い曲じゃないからいいんだけど。
3.You've Got To Hide Your Love Away
ジョンの「ボブディランかっけえ!」から生まれた、まあマネというかなフォークソング。ただ、ディランよりも言葉数は少ないし繰り返しも少ないから、大分異質ではあるが。8分の12拍子(らしい。よく分らん)のギターはいかにも。ただ、エンディングでディランだったらハーモニカが入るところであえて、外部ミュージシャンを用いてまでフルートを使ったのは意地だろうか。
4.I Need You
ジョージ曲。無難なポップソングである。まだ歌詞にもメロディにも曲にもひねくれさが無い。ただ、アコースティックなギターボリュームペダルを用いたプレイはジョージソロにも通じないことは無い。コーラスは簡単だが効果的。
5.Another Girl
「軽快で上質なポップスすぎて~」その二。なんかこの曲ではギターもポールが弾いているらしいが、まあそんなことは曲自体を語る上でどうでもいい訳で。まあ、悪くは無いんだけど。
6.You're Gonna Lose That Girl
ポップなメロディのジョンの曲。このアルバムのジョンの曲はやたらポップで、『A Hard Day's Night』の退屈そうな感じも、この次のアルバムからの空虚なサイケさも希薄。ひたすらアイドルを演じているようにも思える。そういう意味では、コーラスも上手いこと乗っかり上質である。
7.Ticket to Ride
ジョンはこの曲をヘビーなサウンドと言っているらしいが、多分ドラムのことを言っているのだろう。後のUSインディにも繋がりそうなダルなリズムだが、タムが変なところで入るのはリンゴの個性。このアルバム中では一番『A Hard~』に近いか。しかしずっとポップだ。エンディングの楽しそうな感じが良い。ジョンはいい声だ。
8.Act Naturally
気の抜けたリンゴボーカル曲。カントリーソングのカバー。あまりにリンゴのキャラに合いすぎて笑える歌詞は、「え、これカバーなの?リンゴのための曲じゃないの」といった錯覚を起こさせる。愛すべき捨て曲。
9.It`s Only Love
2分足らずのこの曲はそのあまりに軽快で甘いメロディと歌詞に、曲を書いたジョン本人が後に「この曲マジで嫌い」とか言ったとか。アコギの音がやはり効果的。シンプルによくできたポップス。
10.You Like Me Too Much
イントロの「60'sおしゃれ!」な感じから始まる、ジョージのピアノ主体の軽快な曲。くぐもったボーカルがジョージらしい感じ。ピアノのくたびれた感じが適度にオシャレだ。
11.Tell Me What You See
「軽快で上質な~」その三。まあでも、ゆったりしたメロディや歌い方は一番ポールに合っていて、ハモリも奇麗で、クオリティはこのシリーズ三曲の中で一番高いはず。それにしてもこのアルバム、軽快な曲ばっかりだな。この曲も電子ピアノが登場する。とぼけたドラムも楽しい。
12.I`ve Just Seen a Face
また軽快な曲かよ!という、2分ちょっとのモロカントリーポップ。サイモンガーファンクルな感じ。しかしポールは本当にこういう曲が上手い。ブラシを使ったドラムといい、三本のアコースティックギターの絡みといい、とても「それっぽい」雰囲気があって良い。そして突き抜けていくメロディが圧倒的にポールである。
13.Yesterday
アルバム中もっとも異質であることはまず間違いない、永遠の名曲。他のバンドが皆頑張ってロックンロールしているこの時代に、ポールはさっさとこういう曲を書いて「いち抜けた」をしてしまった。しかし、この曲が後の『Let It Be』をはじめとする濃厚なバラードと違うのは、この曲が短く、メロディがコンパクトでさらりと美しいことか。ストリングスも室内楽的な使われ方なので、結果ポールのシンガーソングライター的側面が前面に出ている。素直にポールの良い部分を生かした、本当の名曲だと思う。
14.Dizzy Miss Lizzy
最後はいかにもなロックンロールのカバー。ちょっと前までの、ロックンロールジョンレノン全開。シャウトしまくりである。そう言えば同名のバンドが後に出てくるが、それがビートルズ直系なバンドなのを考えると、多分原曲ではなく、このカバーから名前を拝借したのだろう。


ビートルズ通算五枚目にして、俗に「初期ビートルズ」と言われる時代最後のアルバム。「アイドル・ビートルズ」とも言われる初期ビートルズ時代だが、その最後のアルバムがまあ見事にポップなアルバムで、しかもその邦題が「4人はアイドル」だなんて、よく出来た皮肉である。

サウンド的には前作の流れを汲んだ、アコースティックサウンドを大きく取り入れたものが多い。しかしそれが枯れた方に行かず、軽快でポップなベクトルに強烈に向かっているのがこのアルバムの特徴。確かに『A Hard~』よりもよっぽどアイドルっぽいサウンドかもしれない。元からポップしまくりなポールはともかく、ジョンまでもがポップなメロディを書きまくる。おそらくキャリア中で一番ポップソングを書いた時期なんだろうが、その中にキャリアの岐路となった『Help!』があるのは興味深い。

ピアノを使用しまくったり、『Yesterday』みたいな曲が表れ始めたりと、確かにこれ以降の変化に先駆けた要素も色々あるのだが、史料的な価値しか無く、サウンド的にはまだ完全に「初期ビートルズ」そのもの、いやむしろひょっとしたら一番「初期」しているかもしれない。個人的には初期ビートルズは『A Hard~』とこれを聞いておけばとりあえずはいいんじゃなかろうか。

あとは、バンドのバランス的に、ポールの曲が増えて、それまでのジョン中心のバンド体制が揺らいできたと言われるが、正直ポールはどうでもいい曲を書き過ぎである。まだまだジョンの天下だと思う。それとジャケットの旗信号が全然「Help」になってないのはファンの間では有名。わざとだっけ?ひねくれてるなあ。
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