曽我部恵一BAND『キラキラ』

 2008-04-29
キラキラ!

キラキラ!

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うわ、なんか嫌な人だな、私。以下レビュー。


近作の『LOVE CITY』や『BLUE』で旧サニーデイのファンまで呼び戻した曽我部恵一。彼のここ数年の充実っぷりは、単純に多作なことに加え、自分の表現の範囲を貪欲に広げていく行為だった。今や彼が曲を書き歌っていればそれはもう「曽我部作品」として成立してしまうのだ。なんとズルい!

そんな絶好調の曽我部が、ここ数年で最も力を入れていた活動こそ、曽我部恵一BANDに他ならない。『Strawberry』で発現した「ロックンロールな初期衝動」の方向性を、彼は壮絶な回数のライヴを経て鍛えていく。どんどん修練していくのに色褪せない初期衝動。この作品はその方向性のとりあえずの一つの答えであり、収束点だ。


『キラキラ』と題されたこのアルバムは、まさにその名の通りの出来となった。小細工を一切用いない曲作りや演奏によって、遂に曲は平均2分台という恐ろしいことになっている。この辺りは曽我部が近年のUKロックの風潮を考慮したとも考えられる。それこそThe Libertinesから連なるUK新世代ガレージを引き合いに出してもいいほどの粗く、ぐちゃぐちゃで、なのにキラキラした演奏は清々しい。曽我部も声を荒げて歌うのに、もはや性ともいえる美メロに乗ったそれは実に爽やかだ。

爽やかと言っても、これは純朴と無知を勘違いした若造がヘラヘラ歌うそれとは根本的に異なる。そもそもバンドの平均年齢が30を超えているのだ。新人(笑)。いやしかしそれだけに、ある意味勢い任せのポップソングにも絶妙な哀愁や憂鬱が漂っている。それでも「キラキラ」したものを追いかけようとがむしゃら(という風に計算された)に駆けだしていくその音は、歌は、このCDの裏ジャケの写真のように眩しい。


大体『青春狂走曲』のセルフカバーとか、反則だろっ……。本当にズルいアルバム。曽我部がそういうスタンスを突き詰めるとこうなるということ。多分に打算的で、しかし初期衝動的で純粋な、不思議なアルバム。

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