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キラキラと輝くもの/ 筋肉少女帯

2008年02月16日 10:00

キラキラと輝くもの

キラキラと輝くもの

多分このアルバムは筋少の最高傑作ではない。どうせ『SISTER STRAWBERRY』とか『レティクル座妄想』とかその辺。アルバムトータルで行くとね。

このアルバムのいいところは前半。前半だけなら筋少でも最強じゃないですか。前半すなわち大曲『サーチライト』まで。筋少はアルバムにいちいちコンセプトっぽいものをつけたがるバンドだけど、このアルバムのコンセプトはやや曖昧。多分、悲観に暮れる人と、それを照らす、つまり救おうとする救世主のストーリー。幻想的な味付けはかなり排除され、筋少にしては奇妙な現実味に溢れたアルバム。前半はその辺がはっきりしていて、前向きなのか後ろ向きなのかよく分らない分裂症気味な詩世界が展開される。『小さな恋のメロディ』をそういう風に解釈する奴なんかいねーよ!ってくらい悲観的に解釈する彼女を救おうとしたかと思えば、僕はもうダメだからすべてを君にあげるとのたまう。

世界を救おうとして狂気に落ちる男と、孤独な彼を唯一信じ続ける女性の歌もあって、要するに、世界を救おうとしてるけどダメだ~っていう話。三曲ともやたら疾走感と悲壮感に溢れていて大変よろしい。メタルとか何とか関係なく格好いい。それが行き着く先が『サーチライト』な訳。オーケン一世一代の大自虐。


「やあ詩人!」最近なんだかまともだなあ

「やあ詩人!」随分、普通のこと言うなあ

「やあ詩人!」奇を衒ったりしないのかい?

「やあ詩人!」世の中拗ねてる年でもないか


なんか賞でも欲しいのかい!?あんた何様のつもりだい!?

もうなんか、思考が行き着くとこまで行ってしまって、「客観」だったはずの自分がもう一つの、破滅的な「主観」として現れるみたいなアレを見事に描き切っている。曲自体もそれまでの疾走感が嘘のように重たく、機械的で、静と動を繰り返しゆっくりとしかし力強く進む。9分半が短い短い。筋肉少女帯の行き着いた最終地点のどん詰まりだと思う。


そんな感じだからか、後半は失速。いや、曲自体は悪いわけじゃない。しかし、どう考えても曲順がアレだ。普通なら前半のハードな曲の間にポップな曲を挟むだろうに、そのポップな曲を後半にまとめちゃったもんだから。普通に奇麗でおしゃれな『ベティー・ブルー』やら、のちに活動停止に至るバンドの内情が見え隠れする『御散歩モコちゃん』やら、地味だけどいい曲なのに。その代わりの最強の前半なわけだけど。


ともかく、幻想風味が抜けて、理想を持ちながらも力なく崩れそうな感じがなんとも虚しい。すべては『小さな恋のメロディ』の最初の一行に集約される。


この激しいメロディを歌うほどの怒りなど今はもう無いからね

妄想に妄想を重ねたインテリは、いつの間にか疲れ果てていた、そういうお話。

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