「感情が無い」っていう感情

 2007-08-15

轟音でグシャグシャになる音楽と、静寂の中を細い楽器の音が通り抜けて行く音楽を最近やたら求めてます。これは、趣味がどうとかではなくて、もっと実践的な意味で、つまりパクるためにその元ネタとして求めているのです。とりあえず、こんな感じの音が最近気になるわけです。

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この二曲、元から凄く好きな曲だったんですが、私自身が曲を作る必要に迫られているかもしれない今、この二つの曲は参考にするところが非常に多いのです主に歌とギターと曲中の展開とかで。特にギターは、最近色々考えないといけないなあと思ってて、歌モノをつくるためのコード進行とかではなく、どうやってかっこいいリフやフレーズを作っては曲にしていくかについてばかり考えています。これまでシンプル極まりないものばかりを弾いてきたので、知識も経験も足りず作業は進んだり進まなかったりですが、とりあえず独特のものが造れたらいいなあという、誰しも抱く感情を糧に頑張っています。パクる方向で。


で、この二つのバンド、RADIOHEADとJOY DIVISION、両方ともその音楽の中に激しく極端な部分を持ってる二バンドですが、やはりサウンドの要というか、感情を表現するために効果的に使われているのがボーカルと、そしてどう考えてもギターな訳です。「おいおいjoy divisionのヘナヘナギターのどこが感情的なんだよ〜^^」とか言ったりするのは良くないことですよ。最近の私が思うにニューウェーブ期の象徴的なギタリストはジョニーマーでもアンディギルでもなく、それは色んな意味でもバーナードサムナーが相応しいのです。

これは私の解釈ですが、イギリスの80'sニューウェーブは大体三つくらいのタイプに分別できて、1・シンセが鳴り響く、所謂ポリシックス的なもの(日本でニューウェーブって言ったらこれが一番有名ですよね)、2・最近のイギリスのリバイバルの主流であった、Gang Of Fourや中期XTC的な、鋭角的なギターが角角でポップな曲を作り上げそれに踊れるリズムってやつ(The Futureheadsなんかモロですね)、そして3・ゴシックで静かで鬱な空間をギターの音で、埋めるというよりもむしろ曲の輪郭をなぞるみたいな感じで装飾するもの、この三つかなって思うんですけど。それでjoy divisionはまさに典型的な、そしてある意味もっとも理想的な3のバンドなんです。そのゴシックで鬱な部分がボーカルのイアンカーティスのお陰なら、その世界観の外側を必要最小限で飾り付けるのがバーニーのギターな訳です。彼はヘタクソなギター弾きですが、そのフレーズは曲の世界観を上手に作り上げています。ハードロック的にギターで曲を塗りつぶすのでなく、曲に線を描くような不器用で繊細なギターを弾くのです。そのもっとも顕著な例の一つが上の動画です。彼は単音のフレーズをよく使用していますが、これは明らかに曲を埋め尽くすことなどできず、無音の真っ暗な空間にかすかな閃光を撃つに過ぎない状態です。それは熱量が極端に少なく、曲全体をクールダウンさせる効果があるのです。これと同様のことがソニックユースの様々な曲などにおいても言えます。弾きまくらない、単調な単音のフレーズは基本的に寂しさを持っているものです。無感情的なというか、機械的なというか、そんな寂しさ。

で、そういったギタープレイと対極なようで対極でないのが、ジョニーグリーンウッドのギタープレイです。私が思うに、一番意味的にグランジというかオルタナというか、そんなギターを弾くのは彼だと思います。彼のギターはなんと言えばいいのだろう。ブルースだとかハードロックとか定番リフだとか、そういうのを全く通過していなくて、その分の隙間にこれでもかと感情を詰め込んでみました的なギターだと思います。その感情は本当に、いつも心が空虚な、憂鬱な奴が頭にキてわめき散らしてるかのような、そういった負の感情的なものだとおもいます。そういう点では先程のニューウェーブなギターとも共通しているので、この二つは逆ではないのです(逆なのは感情よりもテクニックだとか理論だとかにしっかりと基づいて弾かれる、所謂ブルージーだったりハードロッキンだったりの、悪口的に書けば様式美的なギターかと思います。ああ、また敵が増える。)

あと、そんなジョニーの感情的過ぎるギターこそがレディオヘッドが他のポストロックバンドに飲み込まれすぎずに存在するための生命線な気がします。どんなにバンドがクールにポストロックをやっても、ジョニーのエモってるギターがポストロックすぎない、スノッブすぎない位置へバンドを持って行ってる気がします。よく分からんし説明できんですけど。

この二人のギター弾きの間にこそ、オルタナティブ以後のギターロックの極端な部分の精神性が宿ってると、さっき私は唐突に思ったのです。勉強しなくてはならない。やってやらねば。ぼちぼち頑張る次第です。

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