『イノセンス論』とその他

 2007-07-19

ボーダーライン六本松店が7月20日付で閉店することに今日気付いた。店に入ると品物が減っていて、ずーっとあったCDが無くなったりしていた。閉店セール二割引である。私は残っているCDの中から二枚抜いて、買っていった。中古レコード屋がなくなるのは寂しいし手痛い。私はここでどんなCDを買ったか思い出そうとしたけど、今ひとつ思い出せなかった。店のBGMはくるりのベスト盤で、ハローグッバイの「この次は何時だろう 帰りたいのに雨が降っている」のところとかがいつも以上に悲しく聞こえた気がした。ブックオフとかとの大きな違いの一つに、店のBGMの違いが挙げられる。だって『ブックオフヘビーユーザーのシミズクニアキですムニャムニャ』とかいってるBGMと、中古レコード屋のそれっぽい感じとでは、コンビニと喫茶店ほどの雰囲気の違いがある。まあ結局、コンビニのほうが喫茶店なんかよりもずっと強いように、中古レコード店もブックオフという圧倒的強者に食われていく運命なのかねえと寂しくなる。まあ時にはブックオフのジャンクな感じも嫌いじゃないけど。


こういう書き方したら嫌らしいけど、やっぱりCDを買うのにも、買う場所による雰囲気を楽しむってのはあると思う。例えば新品のCDを買うとき、タワレコとかHMVとかで買うのと、普通の店で買うのとどっちが雰囲気的にそれっぽいかなんていうまでも無い(あくまで個人的な話です)。同じ中古のCDでも、ブックオフで買った場合と中古レコード屋で買った場合との気持ちの違いってのはあると思う。それが「それっぽい店で買うことで、さも自分が音楽フリークであるかのような気分に浸って優越感」みたいなものと考えるのは考えすぎか。こういう考えすぎは自分の首を絞めるから困る。しかも私は自分の首を絞めるのが大好きだから困る。


『フリーク』っていう言葉はなんかお洒落な響きがある。意味内容的には『マニア』とかもっといえば『オタク』とかの類義語のはずなのに、この中で明らかに『フリーク』だけ優越感的なものを感じる。例えば、かのグレイプバインの名曲『放浪フリーク』も、『放浪オタク』ってかいたら物凄くイメージが変化する。やはり『フリーク』っていうのは爽やかなイメージがあるし、『オタク』っていうのは劣ったというかそんな負のイメージが付きまとう。今の時代人間は皆平等と考えられているが、どうやら言葉は平等ではない(でも言葉が平等だと表現の幅は狭まるよなあ)。だから「オレって○○のフリークなんだよねえ」とか自慢げに言う奴は何となくいけ好かない。「自分○○オタですフヒヒサーセンwww」(これは卑屈すぎるか)の方が数十倍マシだ(○○の中に入るものによるとは思うのだが)。




ここまで普通の日記。ここから私的イノセンス論。


というのは今日買ったCDがART-SCHOOLの一枚目(データでしか持ってなかったのだ)とAJICOのライブ盤で、そのアートのCDについてきたライナーノーツ(紙屑と同意義の場合あり。今回はやや該当)にやたらとイノセンスイノセンス書いてあったからだ。


もちろん、真面目に『イノセンスとは』とか語る気は無いです。知識も常識も経験も足りんのですよ私は。


みなさーん、イノセンス持ってますか〜?という投げやりな文句からこの論文というウンチク的ゴミ屑はスタートする。時々イノセンス=DoTeIとする人がいるけどそうじゃないだろうと思う。多分その論で行ったら私は一生イノセント。「へへへ笑うがいいさ」と続けるのは負け犬の書くことなのでやめておく。そういうことじゃないんだきっと。


センチメンタルって言葉は、よく青春モノなんかで濫用されて汚されてきた言葉だけど、やっぱりそういうものに尾を惹かれる気持ちとか、その度合いとかに私は広義のイノセンスを感じます。なんか社会的にオトナで悪い事をするとする。その時に沸き起こる理由のない後悔の念の半分くらいは、死んだはずのイノセンスがちょっと起き上がって抵抗を試みているわけだろう。そう考えると果たして人は完全にイノセンスをぶっ殺す事ができるのだろうか。少なくとも私は出来そうに無いけどなあ。


ただ、狭義のイノセンスならやっぱり『青春時代の、汚れてオトナになる前の状態』みたいな意味になってしまうのかなあ。この意味のほうがはるかに分かりやすいし使いやすい。こっちの意味ならイノセンスはいつか死んでしまうものとなる。私はどうもそうは思えんのだけどなあ。学生には到底分からんオトナの世界もあるんだろうけど。中州とかをうろうろしてるとそういう世界が見つかるかもしれないけど、怖いから辞めます。まあ別にもうどうなってもいいんだけど。





で、ここまで書いて何が書きたかったのかというと、ただCDの話がしたかっただけだ〜!


私がどうしようもなくイノセンスを感じる名曲リスト〜(あとその解説)

1・Death On The Stairs/The Libertines

これはもう圧倒的に青春してる。だってあのピートとカールがこんなに仲良くそして勢い良く歌い上げて、その曲調はもうワカモノの明日無きライフインロンドン〜って感じで素晴らしく青々しい。『Oh please kill me,or don't kill me』って言うサビのところなんかもうね。私はどうやら透き通って綺麗なものよりもむしろこういったジャンクな青春にイノセンスを感じる気がする。そういう意味でART-SCHOOLはちょっとイノセンスイノセンスうるさすぎる時があるのは確かだなあ。別にいいけどねそういう芸風だし慣れたし。

2・My Girl/Supercar

スーパーカーとかもうまるでイノセンスの象徴みたいなバンドだけど、この曲では一生懸命自分らの青春風景(それは空想っぽいのも含まれてる)を頑張って客観視しようとしてできてない感じ(多分狙ってやってるからいしわたし淳二はタチが悪い)がなんともそれっぽい。今日の日記はそれっぽいをやたら多用するけど気にしない。音のほうもギターがおとなしい音になって「ほらちょっと青春を脱出したところから見てるよ」感が出ていていい。思うに、青春から一生懸命に抜け出そうとするのはたまらなくイノセンスだし、青春をどうせこんなもんさと決め付けてしまったりするのもイノセンスだと思う。本当にイノセンスの乏しい奴はそんなこといちいち考えないだろう。

3・You made me realize/My Bloody Valentine

この前日記に乗っけたばっかり。この曲は入手困難ゆえに名曲になってる部分は大きいと思うけど、イヤやっぱり名曲ですよ。この疾走感。こんなに疾走する彼らの曲は他にはない。彼らはラブレスの時期のライブでも最後にこの曲を十数分に引き伸ばしてやり続けるらしい。元々三分しかないから、途中のノイズだけのところでノイズ流しっぱなしって言うこと。もうノイズっていうのが、特にコントロールすることを投げてるギターノイズってのは本当にイノセンスのカタマリですよ。その辺ナンバガとかも時々ギターをグワ〜ッてしてたけど、それを聴く度にやっぱりナンバガのセンチメンタル加減は田淵ひさ子によるところが大きいんだなあと思う。

4・I Can See For Miles/The Who

ロック界のおバカセンチメンタル番長と言えばなThe Whoなわけですが、歌詞はともかく曲的に一番イノセンスの爆発って感じがするのはこの曲かなあと思います。ひたすらスネアを連打しシンバルを鳴らし続けるキース・ムーンのドラムがこの曲のほぼ全てです。ここまでイノセンスでかっこよくていとおしいドラムがあろうか。サビ前のブレイク中にもう堪らんとばかりに入ってきてサビ全体を覆いつくすドラムの音の洪水。ピートのギターもいい感じにそれを助長するから困る。ここまでバカで美しくてカッコイイコーラス部が書けるなんてピートは天才。今更言う事でもないかあ。それだけに、そういう青春性が濃いだけに『Baba O Riley』のミドル部分がさみしくも堂々と輝く。

5・流星ビバップ/小沢健二

 小沢健二の情景描写能力は恐ろしいほどに完全である。そこに描かれるのは一見おちゃらけている様で完全にそのおちゃらけ具合をコントロールした、青春の風景をその外側から書かなければ出来ないはずの光景である。そして彼は時々その『過ぎ去っていく青い風景』を寂しそうな視点で描く。全ては通り過ぎる。そんな切なさと、それでも私たちの生活が続いていくことを優しくも冷たい詩に込めた彼の大名曲。

薫る風を切って公園を通る 汗をかき春の土を踏む

僕たちが居た場所は 遠い遠い光の彼方に

そうしていつか全ては優しさの中へ消えてゆくんだね

流れ星静かに消える場所 僕らは思いを凝らす

目に見える全てが優しさと はるかな君に伝えて



「結局私はこの日記で何がしたかったのだろう」って気分になってきたので、この辺で切り上げます。明日はテストだあ。

コメント
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イノセンスといえば私ですよね
愚直なまでのこのまっすぐさ 汚れなさは今思い出すだけでもヒヤヒヤしたものですね
ということでThe Whoは今度かしてほしいです
今度はウソじゃありません
【1970/01/01 09:00】 | T.T #79D/WHSg | [edit]
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ぶっちゃけビートルズ聴く前にフー聴いてもよく意味分からんとは思うんですよ。私も最初何がいいのかよく分からんかったし。でも貸しちゃうよ待っててミスターイノセンス大王。
【1970/01/01 09:00】 | okazaki5 #79D/WHSg | [edit]
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>7月20日付で閉店することに今日気付いた。

あ、忘れてた・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
【2007/07/22 21:04】 | かえ #79D/WHSg | [edit]












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