読了・そして停滞期
意外と短っ。
- 作者: J.D.サリンジャー, 村上春樹
- 出版社/メーカー: 白水社
- 発売日: 2003/04/11
- メディア: 単行本
永遠の中二病傑作。全方位に敵を作るホールデン症候群を君は見たか。いやあ中々。参考になる本だった。皮肉とか、こういう感じにすればとても酷い感じになるんだなあって。主人公がやたら捻くれて、あらゆる物事を分かってる風な振る舞いをするけど実際はそうでもないのが、主人公の一人称の文章なのによく判る。とりあえず大抵の人間、所謂『社会に上手く適応している』人間の多くは彼にとっていけ好かない存在であるわけで、その痛烈な毒舌の向かう先となる。
しかし、まあなんと、物語らしい物語は存在しないな見事に。要はホールデンが大人ぶっていろんな人が嫌いで、でも何人か好きな人がいて、という話だけでまさか本当に終わってしまうとは。ストーリーらしいストーリーがないというのは結構衝撃的だった、『いや嘘じゃなくて』。
今回読んだのは村上春樹の訳だけど、そこに少し面白みを見つけたのはこういうことです。村上春樹の作品の主人公は、何ていうか、社会にある程度適応して、一般民衆に対してはやや冷ややかだけれど攻撃的とまではいかない、むしろ社会の中で牙を抜かれたかそれとも元々牙を持っていなかったような感じの人物像が私の中にある。彼らは大体が大人っぽい憂鬱や諦観の影を少し帯びている場合が多い。あ、でもカフカは主人公少年だったか?まあいい。それで、このホールデンっていうクソガキは、そんな村上春樹的主人公像とは全く異なった、即ち、社会に適応できないと言うより『適応する気が無い』、しかも実年齢のためか、どんなに大人びたことを言っても子供っぽさというか青さというか、そんなものがちらつく、あくまで『少年』なのであって、まあ別に村上春樹の作品じゃないからアレだけど、その主人構造の違いがはっきりとある。しかし、毒付き方にはどこか共通するところもあるらしく、なんと言うか、『村上春樹っぽくない』と言うよりも『また別タイプの春樹的主人公』といった感じ。その辺が面白い。まあ別にどうでもいいんですけど。
アメリカ文学なんて全く無知に近い私だったので、この本は中々に新鮮で興味深いものだった。個人的には落下死したジェームズ・キャッスルの話が好きだ。こういう奴は、思わず自己投影してしまうって人が多いに違いない。
しかし、果たして私が今、ホールデン少年やジェームズのポジションにいるのか、それとも彼らが『うぬぼれ屋』とか『低脳野郎』とか言われるポジションなのかということだ。もちろん本当はこの両極端の間に様々な位置があるわけだけど。大体こんな事を考えている時点で私の知能やら精神年齢やらのたかが知れてしまうが。そういう意味でこの本はやっぱり『中二病的』だ、いや別に悪い意味だけでなく。
さて、大変所謂『ロック的』な作品であるこの本ですけど、この作品を読んで思い浮かべるアーティストにその人の趣味や、ひょっとしたら性格なんかが表れるかもしれません。まあきっと沢山の人がトム=ヨークを思い浮かべる事でしょう。サリンジャー・レディオヘッド・村上春樹はもはや一つの流れですらあるから。なので私はあえてトム以外で、スティーブ=マルクマスとモリッシーを挙げときます。だって好きなんだもの仕方が無い。あと、こいつらは実際にこういった皮肉な詞をやたらと書くし、まあどうせある程度は影響されてるだろうと。別にベンジーを引き合いに出しても良かったけど。流石に木下理樹までいくと恥ずかしい。まあ彼の場合、その恥ずかしさ自体が魅力だったりするが。良くも悪くも痛さというか。要するにこの本はそういう話でもあるよなあと。やっぱり中二病的だ。悪い意味じゃないんだけど、決して。
- アーティスト: Pavement
- 出版社/メーカー: Matador/Capitol
- 発売日: 1999/06/23
- メディア: CD
- アーティスト: The Smiths
- 出版社/メーカー: Wea Japan
- 発売日: 1990/10/25
- メディア: CD
- アーティスト: BLANKEY JET CITY, 浅井健一, 土屋昌巳
- 出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン
- 発売日: 1995/11/22
- メディア: CD
- アーティスト: ART-SCHOOL
- 出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン
- 発売日: 2002/11/27
- メディア: CD
そして、ちょっと部屋を掃除してからは停滞。貴重なゴールデンウィークは無残にも過ぎていくのでした……。どんたくなんて知らねえ。








