『AURORA』 SHERBETS
2009-06-30
ここでなんかインタビューを受けさせてもらったので(28, Jun, 2009)、その補足と言うか、言い訳と言うか。解説と言うか。
![]() | AURORA (2004/10/06) SHERBETS 商品詳細を見る |
1. 愛はいらない
グランジ的な攻撃的なナンバー。だが、ブランキーのそれよりもシャーベッツのこういう系統の曲は鋭さと神経質さが強調されていて、個人的にはこっちの方が好き。この曲も、単純な繰り返しによる強弱の極端さや病的さがいい具合に響く。途中の止まったり始まったりの応酬がややクドいが、クドいのはシャーベッツではよくあること(笑)ギターの切れは良い。最後のアコギもいい味出している。
2. Merry Lou
ベンジーはキュアーやポーティスヘッドなどが好きという側面を持つが、シャーベッツではそういう側面が特に強調される。この曲なんか、ベンジーの歌が無ければかなりキュアーしている。静寂からブリザードのようなサウンドに突入するのは、ベンジーのギターもあるが、やはりキーボードによるところが大きい。強烈な冷気のうねりを思わせる曲。アルバムに先駆けて発売された『38 Special』にも収録されていた。
3. グレープジュース
イントロからキュアーチックな香り全開の引きこもった繊細さを感じさせるアルペジオが美しい。細く切ないギターソロも、やたら繰り返すのはともかく良い。そしてサビで重力的に力強く陽性に向かったかと思うと、また陰鬱なアルペジオに戻る。この温度的な落差が気持ちよい。特にサビでのフレーズ連呼で上がってから一気に落とす展開は素敵。ともかく、メインとなるアルペジオパートの雰囲気を気に入るかどうかな曲。気に入ってしまえば、妙に長めのアウトロも永遠に続いて欲しいと思えるくらいに美しく感じる。ベンジーは微妙な歌い回しで静寂の中で囁き、寂しく吠える。シャーベッツの多分、ベンジーの求めるシャーベッツらしさという点においての代表曲。流石に二曲連続6分越えはどうかと思うが、気に入ればかなり浸れる。
4. BAR Mie Boo
ジャジーで落ち着いた感じのロカビリー。細いギターの音色と水を打つようなキーボード、そしてベンジーの囁きの対比で曲は進む。ベースがかなりいい仕事をしていると思う。気持ちのよいウネウネ具合。そしてゆっくりと爆発し、歌もギターもどんどん自由になるベンジー。でもどう見てもこれは長過ぎ。
5. トカゲの赤ちゃん
キーボードに導かれて、やはり冷えきった音色のギターとともに冷たい世界観が広がっていく。コーラスたっぷりなギターと重厚なキーボードの中で、神経質に調子を上げ下げするベンジー。ソロのギターも非常に雰囲気に合ったサウンドで好き。歌は同一のメロディを囁き、サビで張り上げるパターンだが、盛り上げ方がはっきりしている。まあ長いが。最後の唐突に崩れる感じが怖い。
6. 勝手にしやがれ
陽性で繊細なアコギの音から、ベンジーのハミングが入る。メロディが繊細でかつ流れるように美しい、「SHERBET」時代を思わせる爽やかさの曲。歌が途切れるところのアコギのフレーズとシンバルワークが素敵。うねるキーボードも静かに曲の世界観を膨らませている。ブランキー時代なら『15才』や『Sweet Days』なんかと同系統か。それらよりももっと牧歌的に繊細で美しい。終盤のドラムのフィルからの展開は本当に爽快感に満ちていて聴いてて気持ちがいい。急に風景が明るく開けていくような、そんな素敵な曲。
7. エスカレーターと彼女の水彩画
割と重厚なリフと繊細なアコギの対比が印象的なインスト。やはり盛り上がる部分では寒冷なサウンドを展開させる。かき鳴らすギターと遠くで神経質なフレーズを鳴らすギターの左右の対比も面白い。だがやはり長過ぎがも。
8. タクシードライバー
M1以上にシンプルで単調なリフに乗って歌う、やはりグランジな曲。結構真剣に単調な中で、不穏なフレーズを弾いたり弦楽器風になったり様々に表情を変えるキーボードがアクセントになっている。「(セックスを)したいぜ!」の連呼はちょっとどうかと思うが、ベンジーらしいヒステリックさ全開である。あと最後の方のギターのうねるリフと絶叫は流石ベンジー。もっと短ければいいのに。
9. チャームポイント
シンプルなエイトビートとパターン化されたベースラインにベンジーの短いフレーズと吸い込まれていくようなキーボードが出入りし、そしてサビでギターがかき鳴らされる。そういうかなりシンプルな構造の曲なのだが、このシンプルさがかえって気持ちが良い。終盤の逆再生やギターのフレーズなど、シンプルなアンサンブルで不思議な世界観の広がりを導く。サビのシンプルなフレーズの連呼も、ベンジーの微妙な抑揚のつけ方によってかなり突き抜けて聞こえる。不思議な疾走感のある一曲。
10. 魔王をぶっとばせ
M3みたいなアルペジオから始まって、徐々に広がりを見せていく。前半はほぼインストで、途中からキーボードが弦楽器風になり、アコギが入り、ピアノが入りギターの音が鋭くなり、半分くらい過ぎてからベンジーが同一のフレーズを連呼し始める。そしてまた冬の嵐みたいなサウンドに突入する。そして唐突にギターを残してブレイクしてからの展開が圧倒的。最後のギターの爆発はちょっとレディへ的。
11. ボーリングクラッシュ
グランジ風なリフを主体として、所々にキーボードがフレーズで絡み、そしてリズムの単調さを維持したまま爆発する曲。アルバムの締めといった感じの曲だが、やはりちょっと長過ぎか。ベンジーのギターが自由になればなるほどに曲が長くなる。そして最後は意外と唐突に終わる。
シャーベッツの2ndフルアルバムにして、シングル『38 Special』を挟んで、ブランキー解散後初のベンジー関連のアルバム。個人的にはこの作品がベンジーのキャリアの中でもベストかも。シャーベッツは元から寒さやそれに付随する孤独について重点的に取り組んでいたバンドだったけれど(1stが『シベリア』だし)、その頂点がこのアルバムだと思う(個人的には同じ寒そうなコンセプトの『ミラクル』は今ひとつだった)。
そのサウンドとしては、ベンジーが繊細で冷えきったアルペジオからブリザードのような激しいギターまでを弾き倒し、その世界観を福士さんのキーボードが更に広げるといったもの。やはりこの役割分担が、シャーベッツにあってブランキーに無い大きな魅力の一つだと思う。曲においても、ブランキーや後のユダ的な猥雑さやファニーさは徹底的に削ぎ落とされ、ひたすらに神経質さと表裏一体の繊細さを追求したものとなっている。その世界観にはベンジーが敬愛するキュアーなどのアーティストの影響を見いだすことが出来て、ああ、ベンジーもやっぱり他の音楽と繋がっているんだなあと思い、なんか良い。
ブランキー以外の浅井健一関連のバンドにおいてしばしば「緊張感が無い」と言われることがあるが、それはシャーベッツにおいては必ずしも当てはまるものではなく、少なくともこのアルバムにおいては完全に不適切だ。徹底的に突き詰められた緊張感もまた、サウンドの冷徹さの構築に欠かせないものだし、またそういったストイックさがあるからこそ、M6が非常に開放感を持って聞こえる。
ただ、ベンジーがあまりに自由過ぎるせいか、「オレが満足いくまでギター弾いて歌うまでが曲」という形式がシャーベッツではよく見られ、特にこのアルバムはそのパターンが多い。一曲一曲が冗長気味なので、アルバムの雰囲気に入っていけない人にとっては苦痛かもしれない。だけどその分、ベンジーはここで自信のこのアルバムのような繊細さ・寒冷性を思う存分追求していて、それはしっかり魅力的な音楽となっている。むしろ「ブランキーはよく分からない」とかそういう人が聴くと気に入るかもしれない、そんなアルバム。
「中村一義」な新譜に期待大!?
2009-06-29
なんかかなりワクワクすっぞ。![]() | 世界のフラワーロード(DVD付) (2009/07/08) 100s 商品詳細を見る |
雑誌でもやたら言葉を尽くしてべた褒めしまくりだし、2ちゃんの中村一義スレでさえも、視聴会に行った人が「これはいい!」と言っていたのでかなり期待が持てる。実際先行シングルの四曲も結構好きだし(『ミス・ピーチ!』はそんなに好きでもないが)。
コンセプトもいい。自分自身の原風景(フラワーロード)を見つめることから世界へ拡散していくようなスケール感があるとかインタビューかなにかで言っていたので、そして全然「100sっぽくない、むしろソロっぽい」とのことなので、物凄く期待できる。個人的には『金字塔』+『100s(アルバムの方ね)』みたいな感じを想像しているけれど、果たして。
『魔法を信じ続けているかい?』とか、タイトルだけで期待満点だって。
『そりゃそうだ』のPVが消えているようなので、代わりにこの曲が主題歌な映画のトレイラーを。
これもいつ消えるか分からん(笑)『モノアイ』PV。やはり中村くんの多重コーラスは素晴らしい。
あと麻生久美子さん可愛いし、こういう雰囲気もなんかいい。みんなカメラを持って街へ出よう!
6月30日追記:なんか新しい曲のPVが公開されてました。抑制した感じがいいな。
以下は私が撮影したフラワーロード。やはり実物を見ている分、期待も想像も膨らむ。
魅惑の佐内正史ごっこ(笑)本当に楽しみ楽しみです。









発売日は7月8日。
『帝都高速度交通営団』って程よい中二臭がする
2009-06-27
実はマイコーよりもこっちにビックリしてました。東京メトロと都営地下鉄、統合へ
何これ!?超かっこいいんですけど。
まさに「日本最大の地下組織」ワロタ。
私は個人的に東京で地下鉄の乗り継ぎに失敗して、余計に200円払ってしまったことがあるので、こういうのは助かります。福岡住まいだから滅多に利用しないけど(笑)でもかっこええなあ。

田舎者が東京に来て、まず始めに爆笑して、そして次第に恐ろしさを感じるマップ。
初めて観た時はいつ自分の爆笑が歯の震えに変わっていたか気付かなかった(笑)
文句無しに世界最大級の密度だそうです。これでも足りないくらいなんだから恐ろしい。
路線図だけ見て言うと、大江戸線の大江戸具合(笑)は結構好きです。かっこいい!
あと浅草線の意味不明具合も(笑)まさかの五反田―浅草に初めて知った時は爆笑しました。
浅草線利用者の方々本当にすいません。

福岡なんて、ピローンとしたのが左右に伸びて、そこからアホみたいに誰得って感じの路線がペローンと伸びてるだけなのに(そのシンプルさ小規模さが福岡のいい所ではあるんですが)。正直ヘンな劣等感を感じている所はあります。何だこの感覚……?ただのミーハー?
この画像はまだ七隈線開通してないな。しまった。

でもこうやって見たら意外と福岡もかっこいい。福岡の街は結構平野部が細かったりするので、山の間の平地いっぱいに街が広がっていて、そこに線路も走っているイメージ。ある意味洗練されている、のでしょうか?
マイコー死亡確認
2009-06-26
マイケル・ジャクソンさんが死去最近は本当に影響力の大きな人の死が多すぎる。まるで現実味が無い。でもきっと事実なんだ。
マイケル・ジャクソン死亡。
どうでもいいけど、上にリンク張ったヤフーの動画の多くは私のマックからは一切見れない。
こういう所がヤフーは本当に駄目だ。ヤフーメールはそれなりに便利だから使っているけど。
マイケル・ジャクソンに関して、私はまるで思い入れが無い。まともにアルバムを聴いたことすら無い。
せいぜいスリラーのPVを面白がって観る程度だった。
むしろ私は、彼が死んだことで彼が所有していたビートルズの版権が自由になって、iTunes Storeとかでもビートルズの曲をお求めになることの出来る時代が来るのかしらとか考える。ビートルズの楽曲はともかく彼がネックだった部分は確かにあったから。この考え方は死者に鞭打つような感じかもしれないので、批判されても仕方が無い。
マイケルのウィキペディアの記事を見る。彼は本当に典型的なポップスターだった。輝かしさの裏でどうしようもない頽廃を抱えていたのは子供の時から最後まで変わらなかったし、強いコンプレックスと、それでもポップスターであり続ける姿勢などもいかにもだった。
訴訟・整形・ネバーランド、あらゆる方面からツッコミを入れられるのもまたポップスターの仕事だと、それを世界最大級の規模で証明したのが他ならぬ彼だったろう。エンターテイメントとは毒の花であると。
意味も誠意もあるのかまるで分からないが、とりあえずは追悼。
何が何やら分からない。
懐かしのマイケルファンタジー。フラッシュ全盛期もまた、それなりに遠い昔か……。
暑過ぎるので、せめて涼しい曲を聴いて
2009-06-21
暑すぎる。夏か。ということで、涼しい曲を聴きたい。というか最近は何故かSHERBETSばかり聴いているのですが。
「これぞシャーベッツ!」て感じの曲。こういう路線はブランキーよりも雰囲気があって良いと思う。
ところでこういうイラストが変化していく感じのPVっていいですよね。
何故かようつべよりもニコニコの方がPVが多いことがある。シャーベッツから二つ目。
『ダンデライオン』とかそういうタイプの曲の一種の完成系。普通に素敵な曲。売れそうなのに。
思うに、シャーベッツにはロックンロールよりもこう、爽やかな曲か幻想的な曲の方が似合う。
いや、ロックンロールもいい曲はいいんですけど。
The Cure。キュアーのポップな透明感ってのは、その後のインディポップの一つの路線を築いた感がする。心地良い涼しさ。寒いか?
もう一曲キュアー。ギターポップの永遠のテーマソング。
ベルセバ。どこかのファンが作った動画。可愛らしくって、そして美しすぎるっす。
チャーリーブラウン……。
モグワイ。泣く子も黙り、凍り付き、そして涙する。鳴ってる周りだけ圧倒的に冬。
トクマルシューゴ。沢山楽器があるのに、総体として凄く透明。そして不思議なワクワク感。
ところで、日本の夏というのは何故にここまで「透明」と対極にあるような鬱陶しき実感に満ちているのでしょうか(笑)じっとり暑い……。日本にももっと透明な「夏」がある筈なんですが。
スマパン。曲の爽やかさの割に強烈すぎるPVで冷や汗(笑)ムゴ過ぎて逆に笑えてくるPV。
一応、不快になりたくない人は注意。私たち、まだ生きてるのよねこれが。
ジム・オルーク。どうでもいいけど日本とボサノバって今ひとつ相性が良くないように思う。
国民性が合わんのか。勤勉な日本人ってボサノバ聴く余裕無さそう、みたいな。
って私は西洋気触れか。
ギャラクシー500。途中で終わっちゃうPV。もうすぐ七月か。
中田ヤスタカ「ここまでは計算通り……あとは」
2009-06-19
かしゆかがフライデーに撮られる 残るはあ〜ちゃんだけ展開速ええ。
しかしこうやって適度にネタにもなりつつ、しっかりと売り上げもあって、そして作品もそれなりに評価されているって、かなり理想的な立ち位置だよなあ。
果たして来週の今頃はまたこうやって騒ぎが起こるのか?
ていうかもしかして一連のこれって、アルバムに向けてのカウントダウンなんじゃね?
中田ヤスタカ、策士過ぎる……。っていうか効果あるのか?
![]() | ?(トライアングル)(初回限定盤) (2009/07/08) Perfume 商品詳細を見る |
あーちゃんがやたら可愛く見える神PV。表情が一番はっきりしてるからな。
しかし曲自体もこれはよく出来てるよなあ。リフレインとちょっと地味目なサビの使い方が本当に上手い。適度に高揚感をセーブして、浮遊感もちょっと封印して、不穏なイントロからちょっとアンニュイに展開するのが凄くクール。Perfumeで一番好きな曲かもしんない。
Perfumeは本当に、今のJ-Popの範囲で最大限の可能性を有効利用できている、本当に奇跡的なユニットだと本当に思う。アルバム買おう。
『Between The Buttons』 The Rolling Stones
2009-06-18
久々に更新。![]() | Between the Buttons (2002/08/27) The Rolling Stones 商品詳細を見る |
まずジャケットが最高にイカス。凄くシックな感じ。ロンドンのどっかの公園の冬ってこんなん?
そしてまさかのチャーリー・ワッツをヒューチャー。なんかやたら年寄りに見える(笑)チャーリーとミックの隙間で俯くブライアン・ジョーンズがまたなんか暗示的でいいんです。
60年代半ばにピークを迎えるスィンギンロンドンの高まりは、その熱をある程度維持したまましかし、水面下ではサイケデリックという新しい表現方式に突入していきます。特にビートルズの『Revolver』なんかが強烈な存在感を発揮し、また海の向こうではもう一人のブライアンがとんでもないアルバムを作り上げ、次第にロックが芸術性を渇望するようになっていきます。
で、こんな時期にソングライターとしてまともに活躍し始めたミックとキースのコンビは、キースはともかく、特にミックは「ヒップであること」に並々ならぬ情熱を注いでいて、それはつまり「時代の流れに身を委ねる」ようなこと、もっといえば「流行に乗っかりたい」ということでした。
そんなミックが当時はまだ水面下で盛り上がっているに過ぎない(この時点で『Sgt.Pepper's』はまだ未発表)このサイケのビッグウェーブを逃す手は無かった。なんか本人はブルースがしたいだけなのに、ひょっとしたらギターよりも他の楽器を扱うことの方がやけに上手いブライアンを利用して(というかドラッグ漬けになりつつあった彼はギターを弾く気があんまりなかったのかも)、あとニッキー・ホプキンスのピアノなんかも導入して、このブームにあやかるアルバムを作ろうとします。
で、出来たのがこれ。「ロックンロールバンド」の筈のストーンズからしたらとても不思議というか、不可解というか、そんなサウンドが、曲自体はいつものとそんなに変わらない筈なのに色々と首をもたげています。ストーンズのサイケ路線は次作にて色んな意味で完結(笑)するのですが、これはその一歩手前って感じで、ある種なんとも半端な感じ。
曲自体はそう、割といつものストーンズライクな、あのストーンズ的勢いがあるから聴けるタイプのポップソングなんですが、所々のサウンド処理が面白いのです。サイケを志向した彼等でしたが、それは所詮彼等の本質ではなく、このアルバムではその「付け焼き刃感」がなんとも奇妙に作用しているのです。
まず、このころのジャガー=リチャードコンビはポップソングを極めたようなソングライティングを急速に取得し、ポップなメロディをミックの歌い回しで歌うだけでかっこいい状態でした。で、そこに色々と訳の分からない、しかも「本当にサイケな逸脱」には到底届かない程度のアイディアを詰め込んだから、なんか奇妙なポップソングが沢山生まれてしまっている。曲自体はソウルやロックンロールなのに、全体としてはそう言えないようなもどかしさ。ジャンル分け不能な中途半端さ。
しかしどういうことか、これが非常に魅力的なんです。あくまでこの時期の彼等はポップソングメーカーであったので、曲はサイケとしては中途半端でも、ポップスとしては絶妙な軽快さと不思議さとカラフルさを持っているのです。それこそ、後に数々のフォローワーがサイケを「相対化」して取り入れたようなあの感覚が、このアルバムにはあるのです。なんかこう、シンバルスとかが好きそうなあの感じ。
この頃はアコースティックで上品な曲もとてもスイートで嫌味が無く、そして何より無頼過ぎない絶妙の「ブームに乗っかってるぜ俺達」感がとても楽しいのです。ああ、当時のロンドンで彼等を見てみたい。
アレンジでどうにか持ってるようなソングライティングが多いのも(笑)このアルバムの魅力です。何と言うか、それサビかよ〜みたいな不思議さ、この辺り彼等独自のポップさがあってとても好きです。サイケはストーンズを神秘的・芸術的にはしませんでしたが、ストーンズポップはまさにこの時期に頂点を迎えます。ルーツという荒野に旅立つ前の最後の熱狂というか乱痴気騒ぎというか。ともかく楽しい!部屋で両手を広げてふらふらしながら聴くことを推奨。何だこのみっともない無敵感(笑)ストーンズで一番好きなアルバムです。
なんかようつべにあった、ダイジェスト版。カラフルで適度に芯が無くてヘロヘロで、楽しい。
最新版の『Connection』。こうやって聴くとやっぱり、曲自体は結構ストーンズしてるんです。
なんかこの曲、キースのお気に入りらしい。よく分からんもんだ。ヘンな曲で、いい曲。
このアルバム、UK盤とUS盤があり、一部収録曲が異なります。余計なシングルなど入れずにこのグダグダポップ感を存分に味わえるUK盤をおススメ。リンクに貼ったのもUKバージョンです。
ほっともっと:それをすてるなんてとんでもない!
2009-06-18
ほっともっとがいつの間にかこのお弁当の販売を終了させることを決定していた。
なんでよりによってこれを!ほか弁の最高傑作の一つじゃないか!
解説しますと、この「豚肉と辛子高菜炒め弁当」(名前長いな……)は、その名の通り辛子高菜と薄い豚肉を絶妙にブレンドしたものがご飯の上に載っている、素晴らしくデリシャスでいいものなんです。しかも揚げちくわと小さな唐揚げまで入っていてもうおかず豪華過ぎ!ちくわ用の醤油も付いてきます。
これで430円!はっきり言ってこの値段でこの内容は凄い。明らかに他の500円クラス以上の弁当とも対等に戦えるだけのポテンシャルを持っていたのに、どうして……。
人気無かったのか?それとも大判振る舞い過ぎて採算が取れなかったのか?
無くなるということだったので、それに店内で気付いて、じゃあ食べ納めかと急遽購入して、ありがたく食しました。ありがとう私の中のほか弁最高級弁当。本当に値段以上の価値があるんです!

っていうか映り悪いな……。ごぼう溢れちゃってるし。
どうしてこうなった……DQ編
2009-06-18
DSドラクエ9、Wi-Fiでのオンライン協力プレイができないことが判明なん……だと……!?
まあ初めっから買う気は無かったですが。DS持ってないし。
しかし仮にも国民的RPGの最新作がこんなんでいいのか?
もう一方ももう一方でアレだし。いつ出るん?
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福岡マンセー
2009-06-17
ウェーハハハハ!ホルホルホル!世界で生活水準の高い都市 日本は3位東京 16位福岡 22位京都
福岡の順位は当然と言えば当然ニダ。まあ、ランクインしなかった地方都市の皆さんは豚骨スープと明太子でもちびちび舐めてなアル。
とまあ、勿論冗談ですが。
実際私は福岡住まいですが、確かに幾つか不満な点はありますが、福岡の街は結構好きです。色々な理由から好きです。嫌な所は大体東京一極集中によるものが多いです。ディスクユニオンが福岡に無いとか、中古のCDの相場が東京に比べて高いとか、東京から遠く離れているせいでライブに来ないアーティストが多いとか、あと都市圏が狭いから都市圏を巡るワクワク度が低いとか(沢山都心的場所を有する東京がおかしい!)、カレーチェーン店がココイチしか無い(多分)とか。
大体何でもかんでも東京に集中し過ぎなんですよ。文化に憧れる若者が憧れない筈が無い。
まず、空港が都心に近く(私の家から自転車で15分!天神から地下鉄で10数分!)、そして割とシンプルに伸びる地下鉄を筋に街が広がり、そして地上は西鉄バスの天下(笑)西鉄バスは路線が腐る程沢山あって訳が分からん部分もありますが、ともかく交通に関してはある程度便利な所があります。
交通の便利さを助長するポイントの一つとして、都市としての構造のシンプルさがあります。天神駅と博多駅を二大中心として、そこから幾つかの副都心(と言えるのかあれらは?)を経てベッドタウンへ線路が延びている構造。いわゆる社会学なんかでいう所の都市の同心円モデルにかなり合致していると言えるその構造は、そもそもの都市圏のそこまで広くなさも手伝って、非常に分かり易い形態を取っています。
というか、都市圏の狭さこそが福岡の大きな魅力の一つなのかも。極端なことを言えば、ビジネスな人達はそのかなり多くが博多駅周辺だし、そしてショッピングはほぼ全て天神で完結するこのシンプルさ。
天神は結構それぞれの区画に、自然とそうなったのか、個性があったりして、それもまた分かり易いです。オシャレがしたけりゃ駅から大名まで歩けばいいし、隠れ家的(笑)な飲み屋は今泉から薬院に何故か集積しているし、デパートは渡辺通に集合。タワレコやジュンク堂も渡辺通沿いにあるといっても過言じゃないし。天神南はよく分からんが。ロフト(笑)
個人的に面白いと思っているのが天神北。ここは福岡のサブカルチャーを支える一大スポットであり、福岡の学生の溜まり場でしょう。ライブハウスと飲み屋とアウトロー系のファッション街はまだ同一地域に集積するのは分かるけれど、福岡はここにオタクショップが追加される。つまり親不孝通りやその付近一帯は、確かにバンドマン的親不孝者どものものでもあるが、同時にオタク的親不孝者どもにとっても存在価値のある場所なのです。この辺のちゃんぽん具合がとても好き。まるで下北沢と秋葉原が間違って共存しているような(まあ規模が違うが)、そんな面白さが好きです。
あと、都心が狭いということもあるけれど、歓楽街的な場所が中州とその周辺に限られるのもとてもいい感じ。風俗街とその他の商業地区がともかくかなりはっきりと切り離されているので、なんというかすっきりした感じがある。まあどこもある程度そうではあるんだろうが、特に福岡は「中州」であることが大きい。川に囲まれた地域に風俗街が密集しているというこの構図的美しさ!少なくとも天神地域でゲロを見かけることは少ない(大名とかはちょっと違うが)。雑餉隈?そんなもん知らん。昔は色々と他の所にあったみたいだが(私の家の近くにも遊郭があった!)、いつしか中州に集積した模様。
ともかく、天神・中州・博多という、狭い都心をシンプルに分けるこの三つの枠組みが、市内で行動する際に余計なことを考えずに済むという点において良く出来ている。まあ確かに天神のビジネス街的側面が大きいのも事実だが……。
そして何より、福岡市は海が近い。天神からでも自転車で数分で海に着く(砂浜じゃないけど)。再開発地区がまたももち浜に限定される(空港が都心に近いことによるビル高規制に寄るものだが)ため、西公園北から箱崎・香椎に至るまでの海岸には無骨な埠頭の風景(倉庫・貯蔵庫・船舶停泊)が広がり、そしてこれらの地域は都市高速の高架によって都心の風景から切り離される。これもまた、構造として福岡の街がとても美しいと感じるポイントのひとつ。高架を海側へ超えるとすぐに世界の果て感が味わえる、この素晴らしさ。
で、福岡タワーは他の全国各地のタワーと同様有料だが、博多港(ベイサイドプレイス)にある博多ポートタワーは無料なんです!これで市内を眺めると、本当にビルが低いのがよく分かります(笑)良くも悪くも福岡独特の光景。人口規模の割に見える景色がショボいという。だがそこがいい。そしてまた、西を向けばドームやらシーホークやらが、東を見ればなんか埠頭やらが見えてイカス!あと下を見ればホームレスの家なんかも見えます。ベイサイドプレイス近くの築港地域は元ドヤ街。その関係かあの辺はホームレスが多くて、こんなこと言うのは不謹慎ですが景色がブルースしています。
あと他にも福岡最大の某高校をはじめとする幾つかの高校と、福岡最大の私立大学(少なくとも福大と同程度)が集まり、道路向かいには活気に溢れる商店街が存在する、そして北にももち浜を臨む西新地区や、県庁と大学病院とヤクザと東公園のホモが同居する吉塚・馬出あたりとか(私が住んでるのはこの地域の端)、芸術工科大学を中心にどこかスカした若者的雰囲気に満ちた大橋地区などなど、色々はっきりした個性を持った地域が割と狭い地域にぽんぽんと配置されている感じで、それらの街と都心との繋がりなんかを考えるだけでもやたら楽しいです。え、香椎?あそこ何かあるの(笑)(香椎はまだ発展途上というか、これからもっと発展していく地域だと思います)
何だこの記事は(笑)
今後もうちょっとちゃんと福岡の街をこの場で自分なりにレポートなり考察なりしていきたいなと、そう思っています。
あと、犯罪が多いらしいですけど、実感はそんなにでも無いなあ。ガラが悪いのは方言のせいもあるのだろう(笑)あと、福岡の中国人・韓国人は割と街に馴染んでいるように思います。とくにこれといったチャイナタウン・コリアタウンは無いし。っていうかバイトの同僚にやたらその辺の人達がいるし。そういう地域に日本で一番近い大都市であることは事実なので、そういう交流の良いモデル地域になるといいですね。
あと、オリンピックは一体どこでする気だったのだろう(笑)
もう既にただでさえ狭い都市圏はパンパンだと言うのに。
魅惑のワンルーム・ディスコ
2009-06-13
Perfumeのっち 「お泊り愛」発覚 相手はストレイテナーのボーカル ホリエアツシ(30)なんかめっちゃ笑った。
のっち「ああ、いいよぅあっくんいいよぅ、あんっ、あんっ、わたしのシークレット・シークレットがもうすっかりエレクトロ・ワールドだよぉ。ツンデレーションがポリリズムしてるよぉぉぉ。」
ホリエ「んっ、のっち可愛いよのっち、ああ、オレのライトニングがのっちのブラックホールに激しくネクサスしてるよ、んっ、やばい、オレのメロディックストームがイェイェー、チュチュンチューン!ああああ、ロックステディしちまううううううう!」
のっち「ふふふ、いっぱいワンルーム・ディスコしたね。もう二人はすっかりパーフェクトスター・パーフェクトスタイルだよぅ。」
ホリエ「もうなんていうか、エターナルなラブレコードって感じだよな。」
ひなっち「どうしてこうなった!」
大山「どうしてこうなった!」
木下「どうしてこうなった!」
戸高「どうしてこうなった!」
このタイミングで新譜をぶつけてくるテナーとパフューム、マジグレートっす……。
あと、アートの新譜の曲目やクレジットが変わってたので差し替え。
やっぱり8月は遠い……。
あとこう、木下とホリエを比べると色々と面白いなあと。
本当に「どうしてこうなった!」レベル。だがそれがいい。
もう知欠なんて呼べない
2009-06-09
ニコ動未成年演奏者がジャンプ漫画家・矢吹健太朗の嫁との不倫認め謝罪、引退へ (いつものように引用)
これはとりあえず、決着がついたということでしょうか。
まさかこんなことになるなんて……。
一応『BLACK CAT』の頃からジャンプは読んでいて、まあこの漫画はネットでも散々ネタにされてたし、私も積極的に好きな漫画じゃなかった。
『To LOVEる』が始まって、うわあ、吹っ切れたなあと思った。ここまで来ると逆に清々しいと言うか。絵柄の毒や癖のいい意味で無い感じや、それでも一般的な萌え絵とはきっちりと距離を置いた絵柄は、確かにああいう漫画に適していたし、内容のいい意味で突き抜けた軽薄さがさらに絵柄のポップさを強化していて、まあ確かに結構読み飛ばすけど、でも悪い漫画とは思えなかった。休載も少ないし。
それがまさか、現実世界ではこんなことになってたなんて。現実は漫画より奇なりと言うか、そんな状況でやっぱりあのおバカポップエロスな漫画を書き続けるって、凄い人生……。職人的なタフさを感じる。漫画が暗いところの無いライトなポップさであるだけに、現実のドロドロ加減や人間の汚い感じが非常に痛ましい。
しかしこんなに現実がヘビーだと、『To LOVEる』を読む時に読者がこれまでみたいに無邪気に読めなくなってしまいそうで、そういう意味でも矢吹氏はお気の毒。もう誰も「知欠」なんて呼べないだろ(最近は殆どいなかったが、今回ので完全に無くなるでしょう)。
しかし『To LOVEる』も、最近前作の主人公が出てきて、なんか凄いなあ。凄く自由な感じがして、いいと思います。どうやって収集付けるかは知らないけど。なんだかんだ言って世界観はそれなりにあるもんなあ。ぜひとも頑張って欲しいです。
あと、『バクマン』で福田さんが『To LOVEる』が一番好きとか言ってたのはひょっとして、こういう一連の辛い流れに対するさりげないエールだったりしたんだろうか。
![]() | To LOVEる-とらぶる 1 (ジャンプコミックス) (2006/11/02) 矢吹 健太朗長谷見 沙貴 商品詳細を見る |
アート、myspaceを始める
2009-06-05
なんか始まってました。何だこのデザイン(笑)この記事を投稿した時点ではまだ『14souls』一曲しか挙がってませんが、これから増えていくと良いなと。何せアルバムまで先が長いので。アルバムまでの楽しみが一つ増えました。
あと、興味深いのがフレンドに表示されている他のアーティスト。
日本ではボラとかオウガとかから、ちょっと意外なTHE BAWDIESや、何となく直接的な接点が無さそうな(笑)髭(HiGE)などが興味深いです。
そして洋楽。マイブラにキュアーにデスキャブにブロパ。SYとレディへなんかもありますね。何となく納得のラインナップ。
こういうのってまあ、スタッフがやってるのかもしれないですけど。
あと、6月5日(もう今日か!)の横浜のライブ、七尾旅人と対バンって凄くヘンな感じ。
そもそも旅人的にアートはナシじゃないか(笑)まあ知りませんが。
どっちも大好きなので観れなくて悔しいです。チケット余ってるっぽいし。でも横浜……。
(個人的には、音楽に対するベクトルがかなり違う気がするのです、この二者は
まあ、どっちがいいというものでもないですが。どっちも好きだし)
ファンの人へ:ごめんなさいヨシトモはまともに物事を語れないのです
2009-06-03
全盛期のムラカミ伝説!(または誇張し過ぎた全盛期の『海辺のカフカ』伝説)一応、ネタバレ注意。
・三話で五回「やれやれ」は当たり前、三話で十回「やれやれ」も
・出だしの自分語りで満開「やれやれ」を頻発
・ハルキ小説の登場人物にとっての「やれやれ」は射精のイキ損ない又はメタファー
・登場人物サイクル「やれやれ」も日常茶飯事
・入り口の石が閉じ、登場人物が多数死んだ状況から一人で「僕はうなづく」
・父が死んでしまっても余裕で「やれやれ」
・一回の「やれやれ」でペ○スが三本に見える
・15歳の佐伯さんの妄想が特技
・「やれやれ」と言うだけで相手の女性が泣き崩れた。心臓発作を起こす佐伯さんも
・「やれやれ」でも納得がいかなければ森に入っていって解決した
・あまりに皆がみんな賢過ぎるから低学歴のホシノ青年を導入
・そのホシノ青年が「やれやれ」
・森を一睨みしただけで話が非現実もしくはメタファーに飛んでいく
・事件の無い移動日でも「やれやれ」
・セッ○スせずに手でイッてたことも
・自分の魂の笛を自分でキャッチして白いものになって通り抜ける
・森林ランニングキッドAなんてザラ、コルトレーンすることも
・森林でアウトになってから現実に帰る方が早かった
・「森の中枢の世界」で「さよなら」した
・フェミニストのヤジに流暢な根本的勘違いの指摘で反論しながら読者の心をキャッチ
・グッと家出しただけで三人くらい死んだ
・イワシやヒルのハリケーンが起きたことは有名
・ガザ地区侵攻が始まったきっかけはムラカミのエルサレム賞受賞
・エルサレム賞の授賞式からイスラエルのガザ地区侵攻を批判してた
・想像力の足りない奴等を楽々ブチ切れて論破していた
・自分の作品に読者のメールを募って返答雑誌まで出版するというファンサービス
・新作長編を出しただけで、全国の本屋を在庫不足に陥らせた New
・5年ぶりの長編でファン全員泣いて喜んだ。心臓発作を起こす佐伯さんも New
すいませんすいません!ヨシトモは話の本質が読めないのです。何となく茶化してしまいます。猫さんは好きです。チョコチップクッキーはヨシトモの大好物であります。
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そのうちちゃんと真面目に何か書こう。
五年ぶりの新作長編はこちら↓
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『Mellon Collie and the Infinite Sadness』 Smashing Pumpkins 後半
2009-06-03
疲れたよママン。(6月27日 追記:やっと書き終わりました)
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Disc 2: Twilight To Starlight
1. Where Boys Fear to Tread
優しく始まった一枚目とは違い、二枚目はハードに始まる。音合わせみたいなラフな始まりからリフだけ残り、ドラムが入ってから重厚に展開する。意外にも爆発はせず、ずっと不穏なリフを撒き散らし続ける。まるでビリーのボーカルだけで曲をコントロールしているような、そんなダルでルーズな曲展開。倦怠。
2. Bodies
前曲で溜めた分はここで鋭く爆発する。チャンネルが変わったようなノイズから、単調で重厚でそして冷淡なリフが鳴り始める。シンプルなリフとサディスティックなビリーのボーカル、そして常に低くそして正確にドコドコ鳴っているドラムのアンサンブルの一丸性が強力。そして曲展開によって喉をキリキリと締め上げて歌うビリー。突如宗教的に静かになり、繰り返される「Love is suiside」、そしてまた押しつぶすようにリフの再来。緩急の付け方が絶妙で、単調な繰り返しが見事に冷徹に機能している。スマパンのハード曲の中でもとりわけクールな曲。
3. Thirty-Three
打って変わって穏やかなイントロが鳴り響く。転がるようなメロディ。Disk2はDisk1以上にサウンドの童話性・郷愁性が強い。歌詞を無視すれば、この曲もそういう流れにある。そしていいミドルエイト。メロディだけで風景が加速しているような錯覚に陥る。
4. In the Arms of Sleep
続けて穏やかな曲。シンプルで陰りの深いシンセの音をベースに、アコースティックな香りが強い優し目の曲。ボリューム奏法による奥行きと土臭い(主にドラムによる)演奏による曲の構造の風通しの良さが魅力。インドっぽい感じに鳴るギターも魅力。
5. 1979
M3からの流れのトドメ。『Tonight』が「これでどうだ!」って感じの必殺、って感じだとしたら、これはさりげなくクールに皆殺し、って感じ。クールキッズに快適なスピードで、淡々と美しい。アメリカの学生どもはこれをデカイ道路や荒野なんかで聴きながら車運転してぶらぶらしてるんだろうないいなあ羨ましい妬ましいクソアメ公がッ!
6. Tales of a Scorched Earth
突然ノイズから、爆裂って感じのイントロが始まるが、なんか妙に音が悪い。ハイがぶち切られている。ビリーの声もラジオを通したかのようなボロボロ具合。何を意図してこんな音にしたんだろう。間奏のノイズ噴射もこのミキシングのせいで迫力薄し。曲もちょっとこれは勢い任せ過ぎやしないか。私がこのアルバムで一番必要ないと思う曲。本当に突き抜けて来ない音質が気色悪い。
7. Thru the Eyes of Ruby
優美なピアノに導かれて始まる、二曲目の長尺曲。と思ったらいきなりスマパンらしい力強い盛り上がり方をして、そこからサイケな音の揺らぎに突っ込む。どっしりハードとサイケを往復し、5分くらいから曲は一番の盛り上がりにさしかかり、ドラムが全開ギターもエフェクトが掛かる。特にいいのはその爆発が収束してから穏やかにかつスケールを広げながら終わっていく所。最後数十秒のアコギとぼんやり優しいフレーズの締めがなんかいい感じ。
8. Stumbleine
アルバム中唯一の完全弾き語り曲。コードチェンジの時の運指の擦れる音が奇麗。メロディや雰囲気はどことなく『Disarm』っぽい。ノイジーさを極限まで削ったビリーのボーカルは本当に優しい。メロディも特別盛り上がる訳でもないけれど、優しく降りてくるような感じで心地良い。
9. X.Y.U.
前曲で待ったりした所にいきなり重厚なリフが降りてくる。三曲目の長尺曲。これはもう、ほぼ全編に渡りハード。ゆったりしたリズムで、突抜を与えること無くじわじわと責めるビリーのS局面。この盤の一曲目に近いかも。長いだけあってもうちょっと展開するけれど。3分以降のドロドロしていく展開、そしてビリーの絶叫によって爆発し、加速し、急停止の後ぐっちゃりとスローに。この辺の重力変化を楽しむ曲かと。ライブで聴いたらきっと盛り上がる。和訳の歌詞に「ズドーン ダダダダダ」とかまで書いてあってなんか笑える。
10. We Only Come Out at Night
急に可愛らしいリズムに乗って始まり、幼稚園のちゃっちいオルガンみたいなのに乗せて歌う、優しく懐かしい感じのメロディなノスタルジィ曲。この曲からアルバム最後のノスタルジィメドレーに突入。合唱する感じのリフレインとキュートなブリッジの対比が可愛い。
11. Beautiful
打ち込みっぽいリズムと単音ピアノ、不思議なサウンドコラージュの中をゆったりとハモるビリーとイハの歌が流れていく、タイトルの通り奇麗な曲。サビのちょっとだけ舞い上がるようなメロディが好き。そしてちょっとSgt.Pepper的なピースフルでジェントルな盛り上がり方(しかもそれがあくまでノスタルジィであるかのような絶妙なアレンジ)がとても切なげで良い。最後に登場するメロディも凄くポップで、それがどんどんあいまいになって消えていくのは狙い過ぎなくらい奇麗。
12. Lily (My One and Only)
M10と被っている気がしなくもないちょっと間抜けなリズムから、牧歌的なノスタルジィさを全開に引き出してくる音色が流れ、そして本当に素朴な優しさと茶目っ気だけしか残っていないようなメロディがとてもとても可愛らしい名曲。歌詞もなんだか微笑ましいが、警察に引きずられていくオチまで付いているのはどういうことだ(笑)最後に登場するメロディのちょっとしたアクセント具合も完璧で、なんだか本当に胸が乾いて死んでしまいそうな絶妙なノスタルジィ具合。ビリーのこういうキュートでポップな側面が凄く良く出ていると思う。本当に絵本のサウンドトラックみたいな穏やかさ・可愛らしさ。
13. By Starlight
ピアノに乗って流れてくる、しっとりしたリズムの壮大な曲。ノスタルジィサイドの締めの高揚。穏やかに、そして奥行きを感じさせる世界で、ビリーが切実そうに音を伸ばして歌う。こういう世界観を作るのが本当に上手いな、このアルバムの時期のビリーは。3分くらいに絶頂を迎え、そしてたおやかに虚しさの世界を漂い、フェードアウトによってアルバムを完結させる。全編を通してギターのエフェクトが素晴らしく、世界観を最大限に広げている。
14. Farewell and Goodnight
アルバムが完結したあとの、それこそ本当に子守唄のようなもの。幕が下りるよと、メンバー全員で夢の波止場みたいなサウンドの中を穏やかに歌い継いでいく。最後までメロディは美しく、ピアノは噓みたいに切なくも虚しい。
そしてピアノだけが残り、切ない旋律を残しながらアルバムは閉じる。まるでアルバムの冒頭にまた繋がっていくかのような(「終わりの無い悲しみ」!)。太陽は輝くけど、僕はそうも行かない 銀色の雨が洗い去ってしまう
きみにも分かるでしょう どっちでも同じだってこと
おやすみ 僕の愛 いつもいつの日も いつまでも 純粋な心とともに
Disk2の方が長いんだな。一時間以上ある。こちらはちょっと長いかな、Disk1の濃度と比べると。
このアルバム本人曰く、最初は片方のディスクは「凄く静かで美しい音楽」、もう一枚は「エネルギー炸裂のロック」にする構想だったらしいが、Disk2からは特に前者的なコンセプトの残り香が漂う。アルバム終盤のノスタルジィメドレーこそがこのDisk2の核であり、そしてこのアルバムの精神的テーマの中心であると。ハードな側面はそれをより際立たせるためにあるような気さえしてくる。この両面性が彼等(ビリーとジミー?)に可能な限りの多面的な形でサウンドになったのが、まさしくこのアルバムなのだ。妄想って素敵。世界最高の妄想(被害妄想も多分に含まれる所がビリー的)が世界を救うと、きっとビリーは本当に信じていたのではないかとか思っちゃう怖い。
ファンが作ったPV?でも女の子可愛くて、なんか切なくて、良し!
最近のライブでの『Bodies』。ベースの女の子可愛かったのに。
あと合唱いいなあ。私も「Love is suiside」って合唱したい!
おまけ
そんな『Bodies』も、カバーする人によってここまで爽やかで切ない曲になるなんて、という動画。
彼のイケメン具合もあるが(笑)まるでシンガーソングライターの名曲みたいじゃないか。
長かったメロンコリー地獄も、やっと終わった。本当に疲れたわママン。
ZEROティー大事にするよ。ありがとうビリー!
新ドラマー加入で上手く行くといいね!いや本当に。頑張ってください。
『Mellon Collie and the Infinite Sadness』 Smashing Pumpkins
2009-06-03
決死の全曲レビュー。死ねる(笑)順次追加で更新していく予定。そして相変わらずこのジャケットはどうかと思う(笑)ジャケはサイアミーズの方が好きだな。
ホントにプッツンしてるぜビリー。それともあの彼女のせい?
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Disc 1: Dawn To Dusk
1. Mellon Collie and the Infinite Sadness
優しいピアノで始まるイントロダクション。途中からストリングスも入ってより優美に。ジャケットからも伝わってくるなんかヨーロピアンな趣がひしひしと感じられるが、3分弱のインストは導入にしては長過ぎませんか?でも気がついたら終わってる。普通に素敵な導入。
2. Tonight, Tonight
そして一気にストリングスの嵐。おおよそロックバンドのアルバムの出だしじゃない(笑)いきなりもう最高にロマンチック。というかまあ、この曲は確かにここくらいしかアルバム中に置くところは無いかも。同じタイプの曲が存在しないし。でも、最高の出だしだと思う。最後にブチ上げる例の六行、特に最後の二行「The impossible is possible tonight / Believe in me as I believe in you, tonight」が死ぬ程ロマンチック。分かったよビリー、わたしも信じるよ!って気分になる。クソ長いアルバムが始まる。
3. Jellybelly
美しくシメた前曲がまるで噓みたいに、ぐっちゃぐっちゃなイントロから始まる、ドラムハネまくりのパワフルロック!サイアミーズからの流れを感じさせる。グチャグチャに潰れたギターのハードなリフと、そこから時折突き抜けるリードギターの対比、そしてともかくどこまでもロールしまくる圧倒的なドラムが凄い。パワーに満ち溢れまくっている。ギターとドラムのキモイくらいの掛け合い。メロディも陽性に突き抜けて、歌詞もいい具合に吹っ切れて(いきなり「どこにもない!お前はどこにもいない!」と来るか!)、どこまでも無理矢理上り詰めていくようなカタルシスが凄いアツい。そして最後のカオス、ビリーのシャウトまで飛び出し、もうデタラメだあああ。こういう系統のスマパン曲でも代表格だろう。
4. Zero
で、パワー全開の前曲から急にパワーを絞って、この曲でどっしりと重くなる。この表情の変わり具合がカッコいい。なんと支離滅裂なアルバムの出だしだろう。やっぱり間奏はカオス。この訳の分からんパワーはどこから出てくるんだ。
5. Here Is No Why
すりつぶすようなシンプルでハードなリフを主体にしたこの曲は、しかし意外とポップでスムーズなメロディを持っている。無理を言えば、『Today』路線の曲であろうか。独特の粘り気の強い歪みと緩急自由自在なドラムが織りなすスマパン的重力を強く感じる。終盤の収束して爆発する展開も流石に慣れたもの。無茶苦茶具合とポップさがばっちり噛み合っている。
あと、注目すべきは歌詞だな。
諦めたらお前は負けてしまうだろう
何故ならお前は悲しみ機械(サッドマシーン!)に永遠に留まるから
スピードに燃え上がり、夢の中で迷う、十代機械(ティーンマシーン)の夢
どうしようもない十代を歌うビリー。厳しいような、優しいような目線。
ちなみにART-SCHOOLの『サッドマシーン』の元ネタはこの曲の歌詞。
6. Bullet With Butterfly Wings
アルバム冒頭からのパワフルな流れが、ここで極まる。血が逆流しそうな勢い。恐るべき完璧な反抗心。漆黒の生命力に満ちた、ひたすら暴力的な混乱。暴動、十代機械の暴動。本当にここまで、凄い勢い。全力疾走です。
7. To Forgive
前曲からギアを落として、ゆったりとした曲が始まる。この曲はニューウェーブ的なダークさやリフレインを持つ鬱曲。先ほどまでとはまた別の意味で「重たい」リフに導かれて、しっとりと歌う。サビで鳴ってたキーボードが、後半で強烈に浮上してくるのが凄く印象的。「オレは忘れるために忘れる。大切なものなど何も無い」無頼派なビリー。救いを振り払うような。
8. An Ode to No One
と思ったら、またパワフルなリフが鳴り始める。歌詞カードではこの曲のタイトルが『Fuck You (An Ode to No One)』となっている。『Fuck You』て(笑)そこまで怒ってくれるビリーに、何故か感謝したくなってしまう。何が彼にそこまで言わせるんだ?
曲としては、『Jellybelly』よりもダークに重く、ビリーの歌は鋭く、って感じ。ドラムは相変わらず無双状態。ホントに気持ち悪いくらい自由自在だが、曲のお陰かマッチョさが気にならないのが大きい。そして強烈なブレイク。そしてじわじわと滾り、と思ったら急にメロウになってみたりして、そして再び、爆発。やはり『Zero』のカップリングの曲群とは詰め込まれたアイディアの量が圧倒的に違う。最後のブレイクのビリーのどうしようもないシャウトがもう、最高。
9. Love
急にエグいシンセのうねりが始まり、ノイズまじりのゴスな雰囲気を構築する。ビリー的なゴスなダウナー感。打ち込みと思われる重たいリズム。美学チックなエグさ。正直この曲ニガテ。個人的にはDisk1で一番好きじゃない(唯一好きになれない)曲。この路線はやはり『Ava Adore』以降の方がより徹底されているように思う。
10. Cupid De Locke
浮遊感漂うハープか何かの調べに乗せた優しい歌。絶対生まれた国を勘違いしている。でも、こんな曲でもドラムがやたらと動き回っていたり、反復する打ち込み音が聞こえてきたりと、作り込みは凄い。というか、ハープにストリングスにコーラスに、しかも仕舞には語りが入るし。滅茶苦茶作り込まれている。
11. Galapogos
静かなアルペジオの中を、一定のペースでシンバルが鳴りながら、ビリーの奇麗な歌が流れていく、美しい曲。ソングライティングの時点でのメロディの良さ、盛り上げ方の上手さを強く感じる。特にドラムの加減は本当に絶妙。ひょっとしたらこの曲が一番『Tonight』に近いのかも。何と言ってもこの曲が素晴らしいのは終盤の展開、静かになり、ゆっくり世界が広がっていき、そしてギターのカッティングが炸裂しそこから一気に上昇する。この美しさ・力強さには鳥肌が立つ。「僕は痛みを否定しない、変化を否定しない」。一枚目後半でとりわけ好きな曲。
12. Muzzle
このアルバムで一番『Today』や『Rocket』なんかと陸続きな曲ではなかろうか。あの粘る歪みのギター、そして緩急自在のドラムによるミドルテンポ。スマパンの一つの王道。この曲ではドラムの三連拍の使い方が特徴的。そして終盤、静かに歌ってたところから一本ギターが増えた時の快感。オルタナティブって感じ全開です。やや地味だけど。ちなみに当初はこの曲をシングルカットする予定が、何らかの事情で『Thirty Three』になったという。この曲のPVまで作っていたとか。み、観たい。
13. Porcelina Of The Vast Oceans
二枚組アルバム中三曲存在する超尺曲の一つで、三曲中一番長い(9分21秒。圧倒的!)。静かで神聖な海が広がっていくような長いイントロから、一気に強烈なリフに突入するところが気持ちいい。航海のイメージみたいに壮大な歌が流れ、そしてまた強烈なリフで落ちる。リフと一体に鳴って鉛を打つようなドラムがやはり強力。そしてギターのエフェクトに凝っている。遠くで聞こえる強烈な歪みや不思議なディレイ、イメージを薄く広く淡く伸ばして、そしてやっぱりリフで落とす。うん、やっぱりこの曲はリフに尽きる。静から動のモーションを、スマパンらしいやり方で冗長に突き詰めた名曲。
14. Take Me Down
Disk1の締めはアルバム中唯一のイハ単独曲。アコギにドリーミングな音をピアノやら何やら、って感じの、曖昧で優しい曲。そして駆け上がるようにメロディが昇り、エンディング然とした壮大な美しさを見せる。どことなくビートルズの『Good Night』を思い起こさせる。イハのいい意味で弱いボーカルなんかもそう言う意味で非常に幻想的。もうこの曲で十分アルバムは完結していますが、更にもう一枚あります。でも、ちゃんとここで聴き終わることが出来るようにもなっているので、まあ安心。その辺は配慮したのかなあ。ここまでで既に57分49秒。もう普通に一枚のアルバムでいいよね。しかしビリーはそれを許さない。
やっぱり長過ぎるので二分割します。個人的にはこれ一枚で十分サイアミーズ越えしている気がするんですが。アイディアの量が半端無い。
ただ、そのアイディアがこう、センセーショナルで時代を先導するような感じじゃないから、その点でレディへとかに比べて軽んじられている気はする。まあ実際支離滅裂だよなあこのアルバム。逆に、最早時代の先導とかそういうのを意識しないようになった最近のUSインディとこのアルバムは立派に陸続きしていると思う。
画質はクソだが、1996年ライブの『Jellybelly』。無敵!ジミーむっちり。
『Bullet With Butterfly Wings』 Smashing Pumpkins
2009-06-01
なんかヨーロピアンなジャケ。ビリーの趣味が爆発している。ジャケット裏はもっと強烈。
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まず、当初のシングルに収められた二曲。
1. Bullet With Butterfly Wings
スマパンの曲の中でも、最も分かり易く、そして激しくグランジしている曲だと思われ。爆発を前提とした抑制の中短く切れたメロディを歌い、そしてサビの激しさに繋がっていく。生き急ぐように拍子足らずで、明るいイメージは無く、ひたすら攻撃的なパンプキンズ。ハネはしないが要所要所でロールするドラムや、途中からもう何がなんだかよく分からないギター、そして極めつけのリフレインが超強力。そこからのブレイクも、定番とはいえ否応無しに盛り上がる。そして最後の強烈な爆発と強引な収束。フラストレーションが一気に燃え上がり、燃え尽きるかのような展開。
ビリーはこの曲を「オーディエンスと合唱し易い」と思ってシングルにしたようだ。確かに、ライブでこれを聴いたら否応無しに盛り上がるだろうなと思う。スマパンの他のハード路線の曲みたいな爆発とはまた異なった、純オルタナティブミュージック的興奮。演奏するのも楽しそう。PVでも演奏してるし。
2. ...Said Sadly
激しい前曲とは打って変わって、非常に穏やかで優しい、イハによるカントリーソング。それは、まるでNeil YoungとNicolette Larsonのデュエットするカントリーソングのように穏やかで優しくてか弱い。この曲の場合、デュエットの相手はNina Gordon、私は彼女について何も知らないが、イハよりもしっかりした歌声が、(悪い意味で無く)弱いイハの声とよく合っていると思う。西海岸の夢を思わせるスライドギター、芝生の上に降り注ぐ優しい太陽を思わせるメロディとハーモニー。この曲は、イハがソロに持ち越すことになる作風と何も変わりはしない。彼の「核」のようなものを、ソロを聴いた後では強く感じる。彼のソングライティングの無欲さがよく伝わってくる(ビリーとはそこにおいて対照的だと思う。ビリーのソングライティングは多くの場合世界を塗り替えんとする欲求に満ちている)。
スマパンのメランコリー期の1stシングル。先行シングルだったか。先行シングルとしてはパワーがあっていいんじゃないっすかねー。カップリングも好対照をなしてるしぃー。二曲じゃ総評する意味ねーっすわ。いやまあ両方ともいい曲なんですが。
この二曲にプラスして、ボックスセットのこのCDには五曲のカバーが収められている。
3. You're All I've Got Tonight (original: The Cars)
The Carsの原曲とほぼ同じようなアレンジであるが、ギターの歪みの重さや質と、ビリーの歌い方でかなりスマパン色に仕上がっている。パワフルなタム回しと分かり易い左右のギターの壁がいい具合。間奏のギターソロはかなり抑制されている。ビリーのこういう曲における歌い方の(いい意味での)醜さ具合は一貫している。なんと言うか、えぐいあの感じ。
4. Clones (we're all.) (original: Alice Cooper)
Alice Cooperのシンセと機械的なリフの隙間を流れるポップソングを、やはり90年代風のハードさでもってカバー。ただ、ミドルエイトの部分に幾らかの脚色というか、盛り上がっていく感じの原曲のミドルエイトを、呪文みたいに冷淡に歌ったりして、その前後の構成がちょっと入れ替わったりしている。ギターのミュート時の音がいかにも90年代オルタナな感じでいいと思った。サビのメロディは、普通に聞いてたらそうは思わなかったけど、よく聴くとあんまりスマパンっぽくはない。どうでもいいけど。
5. A Night Like This (original: The Cure)
キュアーの原曲はキュアーらしさが強烈に出た、クールでちょっと力強いマイナー調というか、まさに「キュアー節」みたいな曲だけど(っていうかカッコいいなあおい)、それを何故かビリーではなくイハのボーカルで、しかもいつも以上に弱々しく歌う。タイトで音が大きめなドラムの他は輪郭の丸い音が多く、独特のサイケ感はキープしている。うっすら入っているチェロの音が夜をなぞるようで美しい。というか、イハの声でもスマパンっぽい曲に聞こえる。ということは、スマパンのメロディに占めるキュアーの位置がどれだけ重要かということを表す。まあ流石にアハーハーなんてコーラスはスマパンの他の曲じゃあ聴けないが。
6. Destination Unknown (original: Missing Persons)
ピコピコ具合がいかにも80'sポップスって感じの原曲(ガールズポップっすね)を、割とそのままカバー。打ち込みを使用している。うねうねシンセが実にそれっぽい。ただ、原曲のどこかドリーミングな感じは無く、むしろYMOを少し思わせるようなクールさを感じる。間奏にもノイズが入るし、原曲よりも無機質な感じ。ただ、メロディがポップでどこか可愛らしいので、無機質さが暗さに繋がらないのがちょっと面白い。
7. Dreaming (original: Blondie)
これはなんか、カバーだけどこう、名曲然として存在しているし、ビリー的にも多分そういう位置づけで、しかもシングルの最後を収束させる意味も持たせているのだろう。Blondieに関しては恥ずかしくも無知なのでようつべで原曲を聴いてみたら、なんか3分くらいの元気のいいポップスソングだった。それをスマパンはゆったりと丁寧に、5分くらいの「幻想的な名曲」風に料理する。リズムが打ち込みなのだが、このリズムはほぼ『Ava Adore』と同じものが使われている。既にこういう方向に向かっていたようだ。リズムが全面に押し出されている。あくまで人力チックな他の演奏と上手く合ってて良い感じ。原曲以上に「Dreaming」な感じに仕上がっていると思う。3分半を過ぎると、後はアウトしていく。順番に楽器が減っていく。リズムは最後まで消えずに、それにふにゃふにゃシンセが絡み、そして突如途切れる。いいなあ、演出上手。原曲が女性ボーカルだからか、ダーシーが「最初は」ボーカルをとるが、これがなんか変な感じ。エフェクトが掛かっているのか、声が汚いのか(笑)ダーシーの歌は全然上手くないと思う。コーラスはいいと思うけど。途中からビリーがメインで歌い出すのがなんか笑えると言うか哀れと言うか。
という訳で、追加されたカバー曲は誰かの80年代趣味に満ちている。それらのどれもがそれなりにしっかりスマパン色に仕上がっているのは流石と言うか。でも原曲のメロディとかを聴いていると、確かにそれらとスマパンが陸続きな感じはする。個人的にはニューオーダーのカバーも聴きたかったかも。
そして最後にちょっとだけ、「次」の方向性を匂わせて終わる。この辺ビリーの完璧主義具合が伺える。当然ボックスが出る頃にはジミーは既にいなかった訳だから。
スマパンのPVはどれもようつべで「リクエストによる埋め込み無効」が出る。
よってまたもやニコニコから。
怒りに満ちていながら、オレはまだカゴの中のネズミみたい
オレしかいないと言っておくれ ジーザスは一人息子だったろ
オレこそが選ばれし者だと言っておくれ
ジーザスはお前のための一人息子だった!
怒りに満ちているのに、オレはまだカゴの中のネズミなんだ
まだ信じている、オレはきっと救われはしないということを
ビリー……(´・ω・`)
この絞り出すようなやけっぱちな鬱加減、好きです。
ついでに、メロンコリー期のライブ動画。始まり方が笑える。テンポ速いカッコいい!
ビリーが望んだオーディエンスとのコミュニケーションもばっちり。
この頃のスマパンは「外部から見れば」本当に最強だな。
実際は、内面はボロボロだったという。死に体にはとても見えないが。
あとZEROティー欲しい。
アートの新譜:曲目
2009-06-01
なんか発表されてました。ここで。以下引用。1. 14souls
作詞/作曲:木下理樹/編曲:ART-SCHOOL
2. STAY BEAUTIFUL
作詞/作曲:木下理樹/編曲:ART-SCHOOL
3. ローラーコースター
作詞/作曲:木下理樹/編曲:ART-SCHOOL
4. マイブルーセバスチャン
作詞/作曲:木下理樹/編曲:ART-SCHOOL
5. HEAVEN'S SIGN
作詞/作曲:木下理樹/編曲:ART-SCHOOL
6. LOST CONTROL
作詞:木下理樹/作曲:木下理樹、戸高賢史/編曲:ART-SCHOOL
7. tonight is the night
作詞/作曲:木下理樹/編曲:ART-SCHOOL
8. wish you were here
作詞/作曲:木下理樹/編曲:ART-SCHOOL
9. don't I hold you
作詞/作曲:木下理樹/編曲:ART-SCHOOL
10. CATHOLIC BOY
作詞/作曲:木下理樹/編曲:ART-SCHOOL
11. KILLING ME SOFTLY
作詞/作曲:木下理樹/編曲:ART-SCHOOL
12. 君は天使だった
作詞/作曲:木下理樹/編曲:ART-SCHOOL
13. Grace note
作詞/作曲:戸高賢史/編曲:ART-SCHOOL
追記:曲目が変わったので差し替えました。
先行発表曲は一曲のみ。ミニアルバムからの収録は無しか。期待します。
なんでM3とM4だけカタカナなのか気になるけど。
そしてまた戸高曲で締めか?今回は一曲だけか戸高。
お馴染み天使ソングも、なんか今回はタイトルが直球(笑)この位置ってことは大曲?
そしてやっぱり8月5日は遠すぎる。メジャーだからしょうがないのか。






















