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『The Beatles(White Album)』The Beatles(2)

2008年07月30日 00:51

The Beatles (The White Album)The Beatles (The White Album)
(1990/10/25)
The Beatles

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Disk2
1.Birthday
なんだっけー確かビールのCMになってたはず、そんなキャッチーなリフに導かれたロックンロール。しかしリフ一辺倒かと思えばそうではなく、結構コロコロと展開が変わるワンコードで押し込むジョンのパートからコーラスも賑やかな『Magical Mystery Tour』的ポップなポールパートをはさんでまたリフに戻る。メンバー全員にきちんと見せ場があり、そういう意味ではあまりこのアルバムっぽくはないかも。良くも悪くも、よく纏まり過ぎているかも。
2.Yer Blues
前曲と同じようなコード展開のはずなのに、急に凶暴で鈍重な雰囲気に変わる。ロックンロールの両極端を見せ付ける曲順にまずは乾杯。いくらか迷いながらも、今作におけるジョンの曲の中でも最高レベル。当時流行のブリティッシュブルースをパロったとされるが、その攻撃性はパロディ元を優に凌駕する。切れ切れに剃刀のように引っ掻き回すギターと、それよりさらに剃刀度の高いジョンの攻撃性全開のボーカル、重心の低いベース、それらが止まったり刺さったりする空間で鳴り続けるオープンハイハット。ビートルズ全曲の中でも最も重たい部類に入るであろう。ブレイクが来るたびにジョンの激しさが鼓膜を揺らす。途中のリズムチェンジからのグダグダ具合もまた、グダグダなのに恐ろしく混沌としていて皮肉っぽい。そして元のリズムに戻りフェードアウトだが、その間もジョンはオフマイクで歌い続ける。
このように、ジョンのキャリア中でも最も攻撃的ではないかと思えるこの曲。ジョン自身もお気に入りらしく、ストーンズのロックンロールサーカスにて、クラプトンなどを従えた新バンドで演奏している。そちらも強烈。
3.Mother Nature's Son
前曲の激しさが嘘のような穏やかさ・優しさ。ポールのこういう方向の曲の中でも、牧羊チックな感じと宗教的サイケ感とトラディッショナルフォークさが見事なバランスで融合したこの曲は本当に、本当に最高の部類に入る。アコギのアルペジオがやりすぎてない感じで切なく、バックのホルンが効果的に使われ、ボーカルにもリバーブがいい具合にかかり、童話の世界のような、不思議な浮遊感を演出している。メロディもポップ過ぎず、しかししっかりと優しさと軽やかさを保っている。メロディやアレンジの全体的に浮遊感漂う雰囲気が、どことなくジョージチックな感じもする。少し引っ込んだところでハミングするポールの歌が、少ない楽器と空間で作られるイメージの中を漂う。風景のイメージやら香りやらが感じられる名曲。
4.Everybody's Got Something To Hide Except Me And My Monkey
多分ビートルズ中最も長いタイトルだろう。元気よく疾走するジョン作のシンプルなロックンロール。終始テンションの高いジョンのボーカルや、所々に入る合いの手シャウト、やかましいギターやらドラムやらからは、バンドとしてまだ全然問題なくかっこいいビートルズが感じられる。アウトロに向かう展開にきちんと一仕掛け作るところは流石ビートルズ。そのシンプルで荒々しい暴れ具合から、元祖パンクの一曲として挙げられることもある(個人的には「そうか?」と思わないこともない)。
5.Sexy Sadie
前曲とは打って変わって、気高さを強く感じるジョンのバラッド。その気品溢れるコード進行は後にRadioheadが『Karma Police』でパクリもとい強くオマージュしている。リリカルで憂いとポップさを程よく含んだピアノが素晴らしい。ジョンのボーカルも優しさと攻撃力を併せ持ち、そしてこのアルバムには数少ない他メンバーのコーラスが上手く曲に調和する。しかし、途切れることなく歌を紡いでいくジョンがあまりにかっこ良過ぎる。ギターソロも美しく、リズム隊も無駄なく非常に効果的な活躍で曲自体の持つ魅力を最大限に補強する。このアルバムの曲の中でも、最もアレンジが上手く行っている曲だと思われる。全体を通して孤高な雰囲気をかもし出していて、切ないような、力強いような、そんな気持ちになる。
6.Helter Skelter
突如別のCDみたいな曲が始まる。初期メタルがブルースからの特異な派生であることはそれなりに知られているが、まさにその走りであるこの曲。優しさに溢れた曲を量産しつつ、こんなおバカで過剰なブルースを逸脱したロックを作ってしまうこの時期のポールはまさに絶頂。メタル的なルート引きベースから、とてもビートルズとは思えないメタルなギターまでポール製である。かなりもっさりと重たいリンゴのドラムが実にそれっぽい。最後のリンゴの叫びは更にそれっぽい。そしてこんな曲を20分も演奏(実際は編集で4分に抑えられているが)してしまうテンションの高さ・おバカさ・素晴らしさに感動とは別の賞賛の気持ちが止まらない。
ところで、この曲のタイトルは「ポール家の近所の滑り台の名前」らしいが、このタイトルは後に不吉でおぞましい何かを示す言葉として使われるようになる。チャールズマンソンがこのタイトルを「最終戦争」と訳したのは有名。岡崎京子の攻撃性の極限としての作品『へルター・スケルター』はもっと有名、多分……。HiGEも『Goo』でこのタイトルを引用していた。確かになんか雰囲気のある単語ではあります。
7.Long, Long, Long
このアルバム、激しい曲の次は必ず静かな曲が来るよな……。この曲はジョージによる、宗教的な気高さに溢れたミニバラード。ジョージのこういう曖昧な雰囲気の曲といえばそう、オルガンがやはり重要な位置を占める。アコギと絡み変な浮遊感を作り出す。そして、ところどころで意外と動き回るドラムも印象的。優しくも憂い漂うジョージのボーカルは弱弱しく、今にも楽曲の彼方に吹き飛んでしまいそう。終盤の天に吸い込まれるような展開は、まあ宗教。Radioheadの(またか!?)『Motion Picture Soundtrack』の最後の天に召される音はやはりこれを参考にしたのだろうか。
8.Revolution 1
多分世間的にはこれよりもテンポの速い『Revolution』のほうが有名。ただ、このゆったり加減や、ホーンが入っていることや、ドゥーワップ調コーラスや、イントロのトチリなど、全編和やかなムードに溢れているこのバージョンも悪くない。後半の喘ぐようなコーラスもなんだか奇妙。どことなく『All You Need Is Love』と同じようなピースフルさが漂っているが、でも歌詞はタイトル通り革命についての皮肉だしなあ。
9.Honey Pie
どう考えても第二次大戦前って感じの雰囲気全開の、おしゃれジャズ風ポップソング。ポールのおしゃれ趣味が全開な良曲。いかにもな感じすぎる演奏がなんか面白い。メロディも見事に昔なつかしな雰囲気をかもし出しまくり、大人の余裕を見せつけまくるポールの歌も楽しい。ある意味これもバカ曲だよなあ「そこまでやるか!?」って意味で。60年代的にはこれはレトロスペクティブにあたるのだろうか。そう考えるとポピュラー音楽の歴史にちょっと興味深い気持ちになる。
10.Savoy Truffle
このアルバム中ならジョージの一番いい曲はこれか。『Taxman』以来の、タイトなリズムの上で非サイケな演奏をするタイプの曲。歌にしてもリズムにしてもとてもファンキー。ポール的暑苦しいファンキーさではなく、やたらと洗練されながらもユーモアたっぷりって感じのファンキーさ。ジョージのボーカルも嫌味ったらしく捻くれたり掠れたりしてもう大変かっこいい。豊穣なブラスにしっかりと対抗できる、細く尖ったギターを弾いており、それに呼応してか関係ないのかやはり水を得た魚のように動き回るポールのベースも非常にポイント高し。歌詞で甘党のクラプトンをからかってたり、ジョージがその持てるだけの大人っぽいユーモアとジョークと嫌味っぽさを濃縮した、非常に濃い一曲だと思う。賑やかさがやはり『Sgt.~』的な気がしたり。
11.Cry Baby Cry
ジョンの弾き語りっぽいものをベースとした、『Sexy Sedie』に次いでこのアルバム中で誇り高いメロディを奏でる曲。やはり切れ目なく歌い続けるジョンの歌が中心となり、力強く演奏が続いていく。やはり全パートが曲を際立たせるためにそれぞれ上手く機能している。
アウトロにはポール製の、謎の弾き語りが付属する。何なんだろうこれ。これと最後の会話のせいで書きたてられた不安が、次の曲で全開になること請け合い。
12.Revolution 9
ジョンとヨーコによる、愛と混沌の間に写る世界、60年代末という革命とそれによる混乱に満ちた世界を表現したサウンドコラージュ8分超え。まあ長すぎ。「ナンバーナイィン……」と呟く声、挿入される革命の群集のざわめき、いたずらと悪意に満ちたさまざまな音楽の挿入。ただ、意外と激しいところと静かなところがはっきりとしていて(いい具合に支離滅裂的な感じ)、実はこういう音楽としては聴きやすいのではないかしら。
ところで、下のこの曲の動画は素晴らしい。見事に恐怖・不安を煽る。作った人はすごくいいセンスを持ってる。
13.Good Night
あの混沌を潜り抜けたら、最後は「ディズニー映画のエンディングみたいな」優しいストリングスに導かれた子守唄風のジョン曲。もっさりしたリンゴの声が思いのほか曲の雰囲気に合っていて面白い。ストリングスなどのサウンドは本当にディズニーみたいな派手でドリーミーで優しげなもの。長い映画を見終わったような感じ……というよりは前曲のせいで、まるで「恐怖映画を見終わったら突如ディズニーなエンディングが……?」っていう感じ。なんだろう狙ってんのかなあそれとも暗にケンカ売ってんのかなあアレに。ともかく二枚組みの長旅の終わりはこんないかにもエンディング然とした曲なわけです。クセえぜとってつけたような感じがプンプンするぜェェェッ!狙ってやってるんなら嫌な奴等だなあビートルズってのは。


恐怖の二枚組み。真っ白な二枚組み。とりあえず疲れた。

まず、サイケデリックにはまってスランプだったジョンが、ここでは見事に復活しています。キャリア中でもかなり重たい曲を連発したかと思うと、やたら気品高いメロディを紡いだり。私はジョンの最盛期はこのアルバムだと思っています。最後の盛期……。あとヨーコが邪魔なときも。でもこの好調はヨーコのおかげらしいし……。
ポール、ポールもポールらしい優しさと軽さで出来たポップソングに関しては相当に充実していて、これも彼のキャリア中でもとりわけ輝いている風に思える。小品だけ集めてアルバム作れちゃう。ただ、ロックンロールな曲は当たり外れが大きい。あと『Wild Honey Pie』は要らない。
ジョージ、なんかほとんど完成していた『Not Guilty』(ジョージらしい憂鬱なメロディが聞ける、ちょっとハネたリズムのおしゃれで小粋な曲)が収録されなかったのは本当に可愛そう。絶賛冷遇中といったところか。
リンゴ、よく考えたら本体叩くべきところをポールに取られた曲って二曲だけか。自作曲はまあ、次のやつがいい曲だしね。そういうこともある。

アルバム全体を通して、一般的には「様々な曲を詰め込んだせいで統一感はないが」と解説されるが、どうも私にはそうは思えない。また、確かにサイケからロックンロールに回帰した作品ではあるけど、そのロックに初期ビートルズの影はほとんど見当たらない。そして、あの白いジャケットのせいなのか全体的に、サイケ期のカラフルとは真逆なモノトーンさ、暗さ、寂しさといったものが、主に音から想起される。大体このアルバム、ハードな曲とアコースティックな曲が多い。それらが交互に並ぶように曲順は定めてあり、そのためテンションのアップダウンは激しく、聞く人は変な不安に苛まれてしまう。次の『Abbey Road』(『Let It Be』はまあ失敗作だし)がまたカラフルなサウンドに回帰するのに比べると、このアルバムのモノトーンさはかなり冷ややかで寂しい。
それがこのアルバムの特徴なのだ。つまり、曲調やアレンジの冷ややかさ・クールさに関して、アプローチは違うが『Revolver』と同種のものがあり、そこが現代においてこのアルバムが人気がある所以だと思う。また、シンプルになったアレンジは楽曲を生々しいものとし、インディチックなプロダクションによる作品作りのヒントがこのアルバムにたくさん詰め込まれている。

このアルバムでメンバーは仲違い、解散へGOGO!する訳ですが、その前にこれだけ立派に「好き勝手」やっているアルバムを残すことが出来て良かったと思うし、凄いと思う。まあカスな曲はカスだけど。二枚組みだし仕方ない。でも一枚に纏めるともったいない気もするし。



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『The Beatles(White Album)』The Beatles

2008年07月27日 01:39

The Beatles (The White Album)The Beatles (The White Album)
(1990/10/25)
The Beatles

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1.Back In The U.S.S.R.
飛行機のジェット音から軽快なロックンロールに突入。ファンキーなポールのボーカルや後期ビートルズの要であるピアノが熱っぽく転げまわる。そしてビーチボーイズのパロディチックなコーラス。ギターの音も結構尖がっていて、ともかく勢いがある。かなりの楽器をポールが担当しており、リードギターからピアノ、ドラムに至るまでポールの自作自演。そのためか、解散後のソロ・ウイングス的な大味ロックンロール路線の先駆け的な要素が見られる。
というか、ビートルズのアルバムなのにいきなりリンゴ不在な曲だなんて……。当時バンドがどういう状況だったのかを如実に表している。
2.Dear Prudence
全曲のアウトロのジェット音からそのまま怪しいアルペジオに導かれて始まるジョン曲。その怪しいアルペジオが曲を支配し、ジョンのどこか空虚さを感じさせる力の抜け気味なボーカルとともに宗教的な怪しさがある。低い声のコーラスなんかも怪しい。悪漢はコーダへ向かっていく展開で、ギターとドラムがそれまでの閉塞感を突き破っていく。ドタバタしたドラムはリンゴっぽい感じがするが、これもポールのドラムでやはりリンゴ不在。
3.Glass Onion
これはちゃんとリンゴの力強いドラムが先導する、ハードでシャープなジョンの曲。歌詞が過去の曲の揶揄(あとポールへの悪口)で占められているが、それに合わせて挿入されるいくつものインストゥルメントが面白い(悪口言われながらもリコーダー吹いたりするポールw)。それによって楽曲がカラフルになるかというとそんなことなく、ずっとモノトーンの緊張感が続き、そしてアウトロの奇妙で不快なストリングスに到達する。曲自体は非常にシンプルながら、ジョンのボーカルや鋭いギターなどのハードな雰囲気によって「刺さる」一曲となっている。ジョンのボーカルはかなり攻撃的で、モーサムの百々が「そんなのズルイ」と思ってビートルズに目覚めるきっかけになったとかなってないとか。
4.Ob-La-Di, Ob-La-Da
前曲とのあまりのギャップの大きさにがくっとなる、ポールのポップソングの中でももっとも可愛らしく、子供向けっぽい一曲。「幼稚だ!」と揶揄されることの多い曲だが、その細部のアレンジの懲り方にはポールの意地を感じる。それぞれの歌の繰り返しで異なる歌い方を試したり。特に細かいコーラスワークに遊びが多い曲で、さまざまな楽器やエフェクトとともに、まさにおもちゃ箱ポップとして高性能な曲。後半のテンションの高いポールのボーカルと、それでも可愛らしく終わるところが聴き所か。
5.Wild Honey Pie
これは……意図を測りかねる曲。奇妙なバックの音に合わせてタイトルを繰り返し続けるだけの変な曲。何でポールはこんなしょうもない曲を入れたんだろう。こんなの外してジョージの曲とかをもっと収録してあげればよかったのに(これを収録して『Not Guilty』を収録しないって!)。
ただし、ピクシーズがこの曲をカバーしているらしく、私は聴いたことないが、滅茶苦茶かっこいいとのこと。聴いてみたい。
6.The Continuing Story Of Bungalow Bill
今度はジョンによる正直しょうもない曲。童話風のコーラスとひねくれたヴァースを無理やりつなげた感じで構成される。オノヨーコがボーカルとして参加しており、そのせいか今度はポールが参加していない。曲としてのレベルはかなり低い。歌詞は黒人差別についていいこと言ってるらしいが。こんなのよりももっとジョージを……。
7.While My Guitar Gently Weeps
そんなわけで現れた、ジョージの最高傑作のうちのひとつとされる名曲。渋い大人のブルースを思わせる、ジョンとはまた違った意方向の緊張感の漂う一曲。曲自体のムードもさることながら、やはりかなりハードなエリック・クラプトンによるギターが緊張感を高める。そんなギターの下で暗躍するベースがかなり太く怪しく蠢く。やはりジョージ曲でいい仕事をするポール。全体を貫く愁いを帯びた雰囲気はかなりビートルズ的(レノン=マッカートニー的と言い換えてもいい)雰囲気から逸脱している。ちょっとアダルティ過ぎてだるくて、私はそれほど好きでもないけど。
8.Happiness Is A Warm Gun
展開がころころと変わるジョンの曲。怪しいギターのアルペジオが支配する前半は段々とハードさを増して行き、どっしりと三連ブルースチックになる中間部(ジョンの相当けだるいボーカルが印象的)から突如変拍子気味な激しいリフを繰り返した後、急に高揚した、ポップなコーラスが登場する。しかしその上で激しくシャウトし、トーキングし、突き抜けていくジョンの声は圧巻。そう、このころころ変わる曲調に合わせてジョンのボーカルもその熱量を巧みに調節する。そしてハードなギターの音。このアルバムはハードな曲が多いが、どの曲もギターはいい具合に歪んでいる。曲・音ともにかなりざらついた感触の、奇妙な攻撃性を持った曲。
9.Martha My Dear
不可解で強力な前曲からまた、いきなり可愛らしいピアノが始まる。やはりポール曲。自分の犬について歌った、かなりどうでもいい曲なんだろうが、そのポップとしての強度はかなりのもの。曲自体の「ポールのいいところ」を詰め込んだようなポップさに、段々とホーンやストリングスが入って鮮やかになっていくアレンジ。ポップ職人としてのポールの真骨頂である。まあ、ポール以外のメンバーはレコーディングに参加してないっぽいけど。
10.I'm So Tired
これまた重たい雰囲気のジョンの曲。重たいといってもこれは攻撃性ではなく、ひたすら倦怠感の漂う中を突如ジョンが突き抜け、じわじわと高揚してはまた倦怠に落っこちるのを繰り返す曲。こういう曲をかなりかっこよく聞かせられるジョンのボーカルはやはり強烈な才能である。一応ブルースだろうが、ジョンがやると妙に破綻した展開などでブルースの常道とは外れた凄みが強く感じられるようになる。
11.Blackbird
ビートルズ時代のポール曲の中でも随一の装甲の薄さを誇る、非常にパーソナルな雰囲気の(歌詞は黒人差別についてだが)アコースティックナンバー。ふくよかな空間を感じさせるポールのアコギ弾き語りがかなり綺麗でおしゃれ。ポールのボーカルも力みが一切ない、非常に済んだものとなっている。メトロノームの反復する音もまた素朴さを深めていてよい。夜に静かな部屋で聞くと気持ちがいいです。
12.Piggies
ハープシコードが印象的なジョージ曲。バロック調な盛り上がり方はサイケ期っぽい。ってかこれもっと早く作っていれば『Sgt~』にいれられたんじゃないの?まあ曲自体のクオリティはがっかりな感じだけど、ストリングスが入ったり多重録音のコーラスだったりという後半のコケオドシッぷり(アウトロには何故か荘厳なストリングスが!)は面白い。そしてそんな優しい曲調なのに、人々を豚として皮肉る歌詞……。豚の泣き声入り。まあジョージらしいっちゃらしい。でもやはり、これが入って『Not Guilty』が入らないのはどうなんだ?
13.Rocky Racoon
ポールの曲。トーキングスタイルからやさしいメロディに移ったあと、軽快なバーのメロディに吸い込まれていく曲。アコギの音やハーモニカ、軽快なピアノなどが活躍する、またしても小粋なポールポップ。崩しまくったボーカルから優しいハミングのメロディの憂い具合への移行がかなり良い。このいかにもどこかの寂れたバーで歌ってそうな閉じた雰囲気はポールポップの一番おいしいところ。
14.Don't Pass Me By
ビートルズ史上初のリンゴ単独作曲(2曲しかないけど)。アコーディオンが印象的なゆったりカントリーポップソングなんだが、曲自体がいまいちなのか、それともリンゴのボーカルがうまく行ってないのか、どこか物足りない感じはする(もうひとつのリンゴ作曲『Octopus's Garden』と比べると顕著)。サウンドの中心がエレピやアコーディオンという、バンド然としていない楽器のチョイスのせいなのか、それとも全体的にもっさりとしたミックスのせいなのか。メンバーのフォローもあんまり足りていないようだし。あとタイトルは「俺を無視すんなよ……。」ってところだろうか。このアルバムのレコーディングでのリンゴの冷遇っぷりが伺えるのか?
15.Why Don't We Do It In The Road?
ポールがファンキーで暑苦しいボーカルを披露する、まさにタイトルどおりの曲(タイトルの意味は「何でみんな道端でオナニ○しないの?」)。まんまロックンロールの展開にだるいピアノ乗っけて、そのうえでポールがタイトルを連呼する。それだけの曲。うーん……。
16.I Will
また来た必殺のポールによる小ポップソング。短くシンプルに、優しさに溢れたメロディを紡いでいく。その伴奏にはアコギやパーカッション、そしてジョンの口で「ポコポコ」言ってる音や口ベースなど、小規模なものしか使われていない。それによってこの小規模な、心をちょっぴり和ませてくれるポップソングを書いてしまうのだ。正直こういう方向性のポールの曲に駄曲は存在しない(少なくともビートルズ時代は)。その中でもこの曲の簡潔さ・優しさはトップクラスである。こういう曲をさらっと作れるポールが羨ましい。そしてポールソロのアルバムはこういう曲が多ければ多いほど私にとっては好ましい。
17.Julia
一枚目の最後はジョンの弾き語り。これも『Dear Prudence』などとよく似たアルペジオが使われるが、こちらは怪しさよりも儚さ、空虚さが強く強調されている。力なくたゆたうジョンのボーカルがなんとも寂しい。パーソナルな内容(ヨーコとか。何が「Ocean Child」だよ)を歌っている。ジョンがここまで繊細な表現を用いたのは多分この曲が始めて。


前半だけでも相当疲れました。何で二枚組の癖に一枚の曲数も多いんだよ!意味わからないよ!続きはまた今度。

東京も月まで吹っ飛ぶこの衝撃ッ!!!

2008年07月25日 19:08

信じられん……。


サニーデイ・サービス、再結成


最近充実し過ぎでしょ曽我部さん……。ランデヴーバンド、曽我部バンド、第三子誕生ときて、とどめがこれ……。おおおおおおおおおおおっ!

エゾが、少々遠いな。一度限りの再結成ではないとのことなので、まさか全国を廻る可能性もあるのか?

本当、枯れないどころかどんどんと広がっていく人だなあ。

あと、ドラムの丸山さんはマジでサニーデイ終わった後どうやって生活してたんだろう……。絶対質問攻めにあうでしょう。

ま、まさかアルバムは出ないよなあ。いやでもこの調子なら……。



どうでもいいかもだけど

2008年07月23日 01:11

The Beatlesのレビュー、Youtubeの動画を張り忘れていたので慌てて貼っています。
いやあ中期以降のプロモーションクリップは面白いのが多いですね。特にアニメ関係はヤバい。この時期のアニメって原色がキツくてキツくて凄く強烈。『Lucy In The~』のプロモは今でもある意味スタイリッシュで危うく感じられてしまうほど。当時はこんなんが子供向けアニメとして流れていました。一体子どもたちをどうする気!?

この時代の文化・デザインなどの勉強にもなるんで、ぜひぜひご覧になってくださいな。
やはり60年代はステキだ……。
こういうのを見たり聴いたりしてると、それが40年前のものだとは到底考えられず、まさに今、現在進行形なもののように思えてくる。

L・S・D!L・S・D!L・S・D!
流石にマズいか……。

さっき見つけた動画。なんか混ざっとる。全然古臭く聞こえん。カッコイイ!



……そして、次のレビュー更新は30曲90分越えなのです。誰も見てなくても頑張る積もり。

『Yellow Submarine』The Beatles

2008年07月23日 00:48

きいたこと、ありませーん。
でも、『Yellow Submarine Songtrack』の方で、「ビートルズの作った曲」は聴きました。
アマゾンは両方とも貼る。
Yellow Submarine (Original Motion Picture Soundtrack)Yellow Submarine (Original Motion Picture Soundtrack)
(1990/10/25)
The Beatles

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Yellow Submarine SongtrackYellow Submarine Songtrack
(1999/09/14)
The Beatles

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順番は『Yellow Submarine Songtrack』に並んでた順。
1.Hey Bulldog
もう最高。ジョンがサイケデリックから足を洗った大一発目にして非常にソリッドで緊張感に溢れた名曲。メインリフが物凄くかっこいい。ギターの音が鋭く粗く、後のミッシェルとかそういうバンドに繋がっていくような、スタイリッシュな鋭さを感じる。また、吐き捨てるようなボーカルもこれまでのサイケで輪郭のぼやけた歌とは根本的に異なっている(まあジョンはどっちも凄くかっこいい訳だが)。このボーカル、サイケ以前の初期ビートルズのころと比べても、攻撃力が格段に増している。
どっしりとしたリズム隊もしっかりと曲を支える。細かいところでやはりリンゴがいいドラムさばきを見せるのは流石だと思う。ベースラインも妙なリズムで鳴っていて不穏。
また、ポールのハモリもかなり有効に機能している。とりわけ間奏やアウトロの二人の暴走加減は最高。この投げやり感。実際この曲は『Lady Madonna』のプロモーションクリップ撮影の合間に「半ば冗談で」作ったというんだから恐ろしい。終盤の、この曲のタイトルを決めることになった二人のアホな暴走が非常に微笑ましい。
総じて、よく纏まり殺傷力の高い、かなりの良曲。この曲を聴く限りじゃあすぐ後のバンドの崩壊なんて予測できないな。この曲から『White Album』期にかけて、なぜかジョンは自身のキャリア中最も攻撃性・緊張感が溢れた曲群を一気に書きまくる。サイケデリックによって無限に広がった可能性によるスランプ(67年はジョンが書いて発表された曲は多くない。名曲が多いがそのどれも奇抜なアイディアや混乱性が特徴となっている)からの脱出によるものなのか。それともヨーコ効果か。
2.All Together Now
要するに、ポールが「ポンキッキ」的な子供向けポップソングを書いたということ。跳ねるリズム、楽しそうなコーラスの掛け合い、子供にイメージを与えるような「数え唄」的な歌詞。まあ決して質が高いとは言わないが、しかしそれでも色々と工夫が散りばめられていて面白い。いやー本当にポンキッキの世界だなあ。そういやオザケンも「オナラで月までいけたら~」とか歌ってたんだよなあ。つまりそういうノリの曲。真面目に論評すべきものではありません。
3.Only A Northern Song
インド曲を書いていた時期のジョージの、割とポップソング寄りな曲、なのか……?かなり曖昧に揺らいで行くメロディ、神秘的で空虚なオルガン、調が合ってるのかどうか分からないピアノに、やたらと良く動くベース、そして無数のホーンやら効果音やら何やらの音の洪水。非常に分かりやすくサイケしていらっしゃる。ジョージのこういうタイプの曲はジョンに比べて、もっと精神的に高尚というか、マジに神様に繋がろうとしている感じがして一層不気味。まあこの曲は歌詞は皮肉なんですけど。最早これインドでも何でもないよなあ。『Sgt.pepper~』のアウトテイクだけど、絶対『Within You Without You』よりもこっちの方がいい曲だよなあ、っていうかポールの曲一曲くらい削ってでも入れるべき曲だったような。暗すぎたか。ギリギリでポップさを保っているメロディが却って根暗さを縁取っている印象。
4.It's All Too Much
そんな上の曲にも増してさらにイッちゃってる、ジョージの最高傑作のひとつにしてビートルズサイケ一つの頂点。いやあもう、「悟り」を開いてしまってジョージ超怖い。
フィードバックしたギターで曲が始まって、そこからいい具合に歪んだギターが始終ポップで、サイケで、なおかつ時に攻撃的で、でもやっぱりイッちゃってるようなフレーズを重ねていく。そこに爽やかなホーンやら手拍子やらが被さっていく。しかし、そんなカラフルなうわものを支えるベースがおかしい。ずーっと同じ音を弾き続けるベース。ずーっと同じ音が下の方でウーーーーーーと鳴り続けている。相変わらず良く動きよく転げまわるドラムとリズムは合わせて、しかしずっと同じ音。これが相当エグい。そこがいい。やはりポールはジョージ曲でなんかいいベースを弾く傾向にあるようだ。
で、その中を相変わらずふらふらするジョージの歌だが、ここでのジョージの歌のメロディラインは、どこか本当に高尚な「悟り」を開いてしまったかのように、確信的に、そして意味深にふらふらする。そのフラフラメロディが、ジョージの全キャリア中でも屈指のポップさというのがなかなかあり得ん。ポールの子どもっぽい可愛らしさをたたえたメロディとは真逆の、「絶対的な何か」に近づいていくような堂々とした、でも宗教どっぷりだからどこか危うげな、そんなメロディ。コーラスなども色々と怪しく挿入されたり。
圧巻は後半からの展開。ポップなメロディでまとめた前半からそのまま進行していくのに、歌メロは更に曖昧さを極め、そして怒涛のタイトルコール。いつまで続くのコレって感じの狂気を感じさせる、奇妙なコーラス。「トゥーマッチョ、トゥーマッチョ」。このコーラス中のリンゴのドラムがまたたまらなく怪しい。無心になって「過剰だ」と歌い続けて、フェードアウトして終わる。
個人的には、ジョージのビートルズ最高傑作だと思う。ジョージの精神性、その危うさが最良の、しかもポップな形で収束している。6分越えな楽曲。『A Day In The Life』に次いで当時の彼らの最長ソング。『A Day~』はジョンとポールの合作だけど、これはあくまでジョージの単独曲だというところに、そしてこんな超会心作がこんな辺鄙なアルバムに収録されてしまうというところが、ジョージの孤独さ・不憫さ・皮肉っぽさといったキャラクターを強烈に焼き付ける。レコーディングが『Sgt.pepper~』に間に合っていれば、そして収録されていれば、どれだけあのアルバムの評価が変わったことか。ビートルズ全楽曲の中でも最も「不遇で、タイミング悪くて、知名度の低い大曲」であることは間違いない。

ビートルズが主役として登場するアニメ『Yellow Submarine』のサントラみたいなもの。まあこの時期ってまだアニメ黎明期でしょ?アニメのサントラっていう概念すら新しかったに違いない。

で、なんで、こんな、クソみたいな(だって半分はアニメのサントラ。あとアニメで使われた数曲の既存曲も収録)、アルバムに、二人の天才の傑作中の傑作を、収録しとんじゃああああああああ!

ふう。

ところで、私が聴いたのは『Yellow Submarine Songtrack』なんですが、これ、ビートルズの楽曲を「リミックス・リマスター」した数少ない音源の一つで、他に収録されている既発曲を含めて相当聴いた印象が違います。
まず、昔の技術的要因のせいなのか、この辺の時代のレコードは全てのパートを左右どちらかのチャンネルに振る必要があったのかどうかは知らないけど、ドラムやボーカルもすべて片側のチャンネルに入っていて、これがヘッドフォンで聴く場合には、最近の楽曲などを聴くときと比べて感じる大きな違和感になります(まあ、それがいい、って場合もあるんでしょうけど)。
それをこのアルバムでは、パンニングをやり直してボーカルやドラムを中央に配置、結果、以前と比べてどっしりとした、現代的なサウンドとなってビートルズのいくつかの楽曲が蘇った訳です。
勿論ファンの中には「こんなはっきりした音像ビートルズじゃねーよこのクソリマスターがぁぁぁ!」とおっしゃる人もいる訳ですが、現代っ子・ゆとり全開の私としては、このリマスターによる現代サウンド的ビートルズはかなりしっくりきます。というか、そのせいでこのアルバム収録の4曲がやたら良く聞こえるのかも。
なので、EMIはさっさとビートルズ全音源をこういう感じでリマスターしてくれないですかね。まあその場合、山ほどの古参ファン・マニアが誹謗するのでしょうが。いやでもこの、リマスターされた楽曲たちの「現役感」というか、最近の楽曲にも全然引けを取らないぜ感は凄い。『It's All Too Much』とか、ボーカルをリアムに差し替えたら十分オアシスの新曲って言えちゃうくらいのクオリティ(もしかしてオアシスはもはや現役じゃないか?)。こんな感じで、現代風サウンドな『Rain』や『Strawberry Field~』を、せめて死ぬ前までにはお目にかかりたいなあと思います。

まったくどうでもいい思いつき

2008年07月22日 00:16

昨今のPerfumeによる中田ヤスタカ天下を討つため、または二匹目のどじょうを狙って、もしくは凌駕するために、レイハラカミがアイドルをプロデュースし始めたら私は爆笑して死ねるなあと、ヤノカミを聴きながら思った。いや、矢野さんいいんですけどね。

むしろ、レイハラカミによるPerfumeのRemixとか。『チョコレイト・ディスコ』のハラカミMixを三分間妄想して笑い転げてました。何してんだよオレ勉強しろよ……。

そういや絶望先生でDMCネタにしてるところは見たことないな

2008年07月21日 23:51

すっかりお金儲け体制に入ったDMCだけど、タワレコはなんかあんまりメタルの方向に力入れてないよね。ってか渋谷系ポップな方面を重視しまくってるよね。クラウザーさんと根岸君モードがほぼ均等に扱われてるよね。

どうなんでしょうね。
六巻が出るなんて知らなかったよ。私はフェス終ってから読んでないから最近の展開は全然分からない……。
デトロイト・メタル・シティ 5 (5) (ジェッツコミックス)デトロイト・メタル・シティ 5 (5) (ジェッツコミックス)
(2008/03/28)
若杉 公徳

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デトロイト・メタル・シティ 6デトロイト・メタル・シティ 6
(2008/08/08)
不明

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まあそれよりも、絶望先生の15,16巻だ問題は。まだ私アニメ見たことないんだぞどんな声なのか全く知らないんだぞそれなのに限定版買っていきなり観てしまうのはいささかハードランディングすぎやしないか。

あっ、14巻も面白かったです。っていうか、ここまで前作を読んでること前提、ノリを理解してること前提みたいなマンガもなかなか無いよなあ。まさか先生が●●されちゃうなんて。最近の大型バッテリーは大分小さくなったんだなあって話。あとなんか巻末オマケがしえちゃんだし。懐かしいよ妙に。

もういっそ3期は改蔵でいいんじゃないか?

あと見どころはやはり小学館ネタ。「今回の一件は完全にネタ潰しじゃないですか。」ワロタ。
加賀愛の出番は今回もそれなり。百三十九話は冒頭数ページで御馳走様です。右手がサラッとあざとい。
あと、絶対巻末で糸色チルについて触れると思ってたのに。多分小学館事件無かったらその辺の仲睦ましい絡みが見れたのに(あの辺の世代のサンデーの漫画家ってなんか仲いいですよねジュビロとか)。まあ流石にあの裁判への展開やキラーパスは読めなかったのでしょう。読めるかあんなもん。
さよなら絶望先生 第14集 (14) (少年マガジンコミックス)さよなら絶望先生 第14集 (14) (少年マガジンコミックス)
(2008/07/17)
久米田 康治

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おまけのやつで火田くんに「踏み台完了」(超翻訳)って言われてるけど、どっちがより売れてんのかなあ。まあ、あっちか。まあ愛され方が違う気がするけど。

どこに、行かれるの、ですかー!?

2008年07月21日 23:25

ZAZEN BOYSのアルバムの一曲目『Asobi』のPV

そういやモーサムも最近はこういうモードだな。福岡繋がり。
最初のシンセで最近のモーサムかと思った(良く知らないんだけど、多分こんなんだったはず)。
流石に全部聴くと違うもんだった。

カシオメン……。最早電気製品すら扱っていない。

あと最後の向井、グラサン外さんのかい!

なるほどどんどん肉体性から離れていく感じなのね。ニューウェーブ的な無機っぽさを重視する方向。演奏至上主義的な「ZAZEN」らしさを一旦放棄して、音の構築にやたらと気を配り、緊張感と透明感で聴かせるタイプの曲か。
まあここまで来ると、もはや演奏が馬鹿テクとは全く異なったベクトルに向いてる訳で。こういう曲をライブでやる時は激しくなったりするんだろうか。やはりカシオメンはギターを触らせてもらえないのだろうか。

最早バンドとしてどうなのか多少不安はあるが、まあもし解散したとしても、感傷とは無縁(これは向井がナンバガ解散後特に気を使ったことの一つだと勝手に思う)なバンドだからどうとでもなるだろうけど。まあフリッドマンがプロデュースして、本人たちもしっかり納得して作品を出すんだろうから、全くの駄作ということは無いでしょう。それなりの人々が考えてた「向井らしさ」(リズム重視、みたいな)から大きく離れて、それでもなお強烈に「ZAZEN」(もしくは向井)を感じさせる作品であるといいな。

発売は9月17日。DAIGAKUSEIでよかった。

うひゃひゃひゃひゃひゃひゃ

2008年07月19日 00:33

うひゃひゃひゃひゃひゃひゃ
やっとライブか。待ちくたびれたぜ!

当サイトは傲慢で頭の固い音楽評論家気取りヤローを装った、
今時ちょっと珍しいART-SCHOOLのファンサイトでーすっ。

ちょうど『左ききのキキ』ツアーから一年か。そしてまたドラムサンか。
ここは人気がどうとか考えるよりも、バンドがファンとの距離を近くしようと取るのがファン心理。
ぶっちゃけこれからアジカンクラスにバカ売れすることは考えにくいから、
ライブである程度以上のファンがニヤリとする選曲で、いいライブをやって欲しいのです。
そしてこっそりと超絶名盤、『Love/ Hate』とも『Flora』とも方向性の違う名盤を作ってくれたら、
西の果て福岡なんぞに住むいち卑小なファンとしては超絶満足なのです。

ぶっちゃけ日本のバンドで現状で大変好きなのはアートと髭だけっす。中二か!
ちなみに髭の新譜は近日レビュー予定。正直、想像していたよりもずっと聴きやすかった。
週末はタワレコのダブルポイントを利用してThe Vinesの新譜を買いたい。やっぱり中二か!
髭ってなんか海外のグランジバンドと発売日が被るジンクスでもあるのかな。
前作はNine Black Alpsと被ってた(輸入盤だけど。そしてタワレコ天神店はその輸入盤を入荷しなかったけどな!)。

それにしても東京の奴等はいいなーあんだけシェルターでライブしといて、
『KINOSHITA NIGHT』までやるのかよ。
友人が昔福岡でやってたそのイベントを見たとかで、メンツを聴くと悶絶しそうになって悔しい。
……それに比べるのも酷だが、今回のこのイベントのメンツはまあ、こんなもんだろうな。
なーんで同じような系統のギターロックで下北沢は溢れ返っているというのに、
いつまでもアートとシロップは特別なんだろう。まあ私だけかも知れんが。


この曲のこのライブ動画はかなり素晴らしいのです。プロとは思えんwwwいい意味でwww
これが去年のライブで観れたのは凄く嬉しかった。あの喜びをまた!




全然関係ないけど、大学の文芸部、ずっとゴースト化していた文芸部に作品を提出するにあたって、もうなんだか自分が楽しければそれでいいので、木下と五十嵐の同人誌みたいな内容の小説を書こうかなあとか思う。あーあ。あひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ。

『Magical Mystery Tour』The Beatles

2008年07月15日 17:46

Magical Mystery TourMagical Mystery Tour
(1990/10/25)
The Beatles

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1.Magical Mystery Tour
世代によってはポンキッキーでお馴染の、同名の映画のテーマソング。突き抜けていくような軽快陽気なポップさが持ち味。メインボーカルにはかなりエフェクトが掛かっていて、楽しげなピアノやホーンと相まって、おもちゃ箱サイケを地で行ってる感じ。単純な繰り返しでここまで飽きさせないのは流石です。チープトリックのやつはなんかダサいのに(なんかあの時代独特のリバーブ感ってあるよね)。
2.The Fool On The Hill
リコーダーが印象的なゆったりとした曲。ピアノ中心で、ハーモニカやらマラカスやらも入っていて、ドラムがハイハット以外入って無くて、完全に普通のロックンロールから離れまくっている感じが良い。ポールの歌も熱がこもり過ぎていなくて優しい。そしてメロディ自体の素朴さと、ちょっと薄めで寂しげな伴奏が良くマッチしている。
3.Flying
おそらくビートルズの公式音源中では(『Revolution 9』を除いて)唯一のインストナンバー。なぜかメンバー四人ともが作曲クレジットに載っている。これは……どうなんだろな。まあサイケで不思議な感じだけど。良く聞くと曲自体はロックンロール的トライアドなコード進行だったりする。
4.Blue Jay Way
ジョージ作の、宗教的ないかがわしさがすごく漂っている曲。こっちの方が却ってインド全開なやつよりもヤバいかも。逆回転なオルガンやら、フランジャーなボーカル、ドラム。アシッドなメロディ。確かにジョンはサイケのせいで色々駄目駄目になったけど、一番サイケ的にヤバかったメンバーはジョージだよなあと、これを聴いて思うのです。微妙に聞こえてくるチェロも不気味。そしてこういう曲でもドラムがトコトコと入っていくのが、意外とサイケさにマッチしていて不思議。まあ確かに暗すぎて、『sgt,Pepper~』のカラーには合わないか。
5.Your Mother Should Know
ポールが狙ってちょっと古めのマイナー調ポップスを書いてみた曲。出だしのコーラスの憂い具合がいかにもって感じでクスッとくる。昔の社交場か何かで掛かっていそうな。そしてそこでメンバーの親の世代の奴等が手をとり躍っているイメージ、だそうな。サウンドはシンプルだが、それでもピアノとオルガンなので、全然ロックバンドではない。
6.I Am The Walrus
ジョンのサイケデリック的大曲構築への挑戦の、一つのピーク、というか、行き詰まり。そのメロディ・サウンド・歌詞に至る全編に行きわたったナンセンスさは、非常に薄暗く退廃的な倦怠感に満ちている。ジョンのボーカルもフィルターがかった感じで聞こえる。圧巻なのは突然変な効果音が挿入されてから曲全体が浮かび上がってミドルエイトへ向かう展開。ボーカルの効果はきつくなり、ストリングスがより前面に出てきて(しかしなんて退廃的なストリングスだろう)、そしてエンディングで次第に壊れていく。無意味な効果音が飛び交い、変なコーラスや、ラジオから流れる『リア王』が混沌を作り出していく。
圧倒的な混乱具合が陰惨さに繋がっている。そういう点で僕はこの曲とM8が対極的なものに感じる。
7.Hello, Goodbye
まさに「ビートルズってこんな感じ」を体現する、見事な陽性ポップソング。おもちゃ箱をひっくり返したようなサウンドが楽しい。実はかなり良く働くドラムが曲の骨組みそのものをがっしり作っている。本当にこういうドラムいいなあ。ベースもスケール上をコロコロと転げまわったり、メロディの上昇に逆らって下降したりする。曲自体は非常に分かりやすい展開をしていくが、そのメロディの可愛らしいこと可愛らしいこと。もうここまでのメロディが出てきたらそれだけで「勝ち」みたいな。そんな曲に更に弦楽器やらギターやらオルガンやら、そして『Help!』と双璧を成す最高のコーラスを肉付けして、更にはネバーエンディングな仕掛けを作って、この幸福感がどこまでも続いていくような、まさにポールサイケの極北と言っていい出来。前曲が暗いからな。次も暗いけど。
8.Strawberry Fields Forever
ジョンのサイケデリック的挑戦が成し遂げた偉大な成果の一つ。サイケデリック的陶酔感を純粋な感情の表現に上手に利用できた稀有な例。これはサウンド面での実験(最早バクチの域)とそもそものソングライティングの成熟が相互作用している。
アンソロジーⅡにはこの曲の他テイクが収められているが、それらを聴いて、確かにサウンドは右往左往しているが、そもそもの曲自体は、メロディ自体は初めからかなり完成している。この、頭やられてぼんやりしている感じと、どこか英雄的な旋律回し、そして迷子のようにふらふらと漂うジョンの歌が歌詞と相まって、虚無に飲み込まれる手前の純真を思わせてならない。そういう意味で、ひたすら退廃的で混沌としたM6とこれはどこか対極的な気がする。
そして、そんな最高のソングライティングをフルに生かすアレンジ、というよりも、その曲の持つ可能性を、「二つの別個のアレンジを、テープ操作によって『強引に』繋げる」という手法によって、逆説的だが、カラフルかつモノトーンに色付けしたアレンジが光る。前半のメロトロン中心の脆く崩れそうなサウンドから、途中でホーンセクション中心の力強い(にしては音の空白が大きく、やたら寂しくもあるのだが)パートに変化していく。そしてドラムがフェードアウトしていく、と思ったら帰ってくる、吹きすさぶ風のような音とともに。しかし、その全パートにおいて、そもそもの曲が持つ「孤独感」のような、うすら寒くなりそうな風景は変わらない。
サウンドの奥行きや、その歌の内容、ひたすら空虚さの漂うメロディなどから、強烈に聴く人にイメージを喚起させる曲。ジョンの境遇と併せて考えれば、その風景はあまりに寂しい。PVみたいなやつもまた、曲にいい感じに合ってる。やはりこの曲が、個人的な刹那的な好みを排除すればジョンの最高傑作か。個人的にはビートルズのベストサイケ曲は、これかジョージの『It's All Too Much』。
9.Penny Lane
街中で流れると歩く足取りが軽くなりそうな感じの、ポールのおしゃれポップ。前曲の寂しさを一蹴してしまう陽性ポップさに「ああ、ポールはやっぱりポールだなあ」と思ってしまう。ピアノとホーンがひたすらちょっと陽気でお洒落な昼下がりの街の光景みたいな感じで広がっていく。最後の転調は「立場的に、どんなポップソングにでもどうしてもヒネリを加えたい」ポールの面目躍如といったところか。
10.Baby You're A Rich Man
ジョンとポールの合作らしい、ラーガロック調(ラーガロックって何だ?)の曲。ホワイトストライプスの最新作なんかでも聴ける、いかにもケルトとかその辺って感じのビブラフォンか何かの音が印象的。こう、空中に音で線を引くような音がしますよね。曲自体はまあ、メロディとかしっかりサイケしてるんだけど、ちょっと精彩を欠くか。
11.All You Need Is Love
この時期のジョンにしては割としっかりと地に足ついた感じのするポップソング。イントロの派手なホーンから楽しげな曲のエンディングに至るまで、「昔から今までをすべて包み込むような」多幸感に溢れる。ちょっとホーンやギターがムーディー。ストリングスもゆったりとした大人っぽさがある。しかしジョン独特の雰囲気もあって、ヴァースが微妙に拍子足らずだったりする。サビやアウトロの異様な幸福感、M8で見せた「孤独感」とは全く逆の雰囲気から、あと適度に崩したメロディなどから、そして何より曲自体の放つメッセージから、どことなくソロ以降のジョンレノン作品に繋がる要素を見つけ出すこともできる。


イギリスでは二枚組EPやシングルだった曲たちを、アメリカの奴等が勝手に一緒にして出しちゃった、でも何でか気が付くとこれが公式盤化していたという、なんか不思議なアルバム。なのでそもそもからアルバム一枚としてのまとまりは無い。
アルバム前半が『Sgt.Pepper~』の余力、って感じ。まあ、程よく力が抜けて、いるのか?特にポール。
まあ普通に、後半のシングル群がこのアルバムにおいては重要な訳で。何故かは知らないが、アルバム『Sgt.Pepper~』を聴くよりも、これらのシングル曲の方がよっぽど分かりやすくサイケしているのがなんとも。っていうか、『Penny Lane』と『Strawberry Fields Forever』は『Sgt~』の先行シングルになったばかりに同アルバムから外されたと。もしこの二曲がアルバム入ってたら、絶対今の低評価は無いなあと思う。あとジョージの、『Yellow Submarine』に収録される没曲も入ってたら良かったのに。なんか、もったいないにゃあ。
という訳で、この時期のシングル曲は恐ろしく完成度が高い。間違い無くビートルズの歴史中最強。なのでこのアルバムは存在する。M6~M8の流れは、纏まりとかはともかく、その圧倒的なクオリティの前に跪いてしまう、聴いてると。
まあ、これだけの密度・クオリティの曲の放出がずっと続くわけねーよ、ってのが、次のあの真っ白な名盤の生まれる土壌となる訳ですが。……あれ、全曲レビューするのか。疲れそう。





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