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『Primary Colours』 The Horrors

2009年05月13日 17:26

しししししし死ぬ程素晴らしいいいいいいい!!
Primary ColoursPrimary Colours
(2009/05/05)
The Horrors

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一応座って正面を向いているという部分で1stと共通するが、しかしその雰囲気が全然違う、しかししかし「セルアウトッ!」って感じは皆無、むしろこの歪み具合ってキュアーのあれだろー、と、もうそういうモノ好きをニヤつかせるこのジャケットからしてすでに強力だが、それはまあ中身あってのものだし。

素晴らしい、多分ここ十年のUKインディロックでも最も理想的な2ndでは?
っていうか00'sでUKで完全に絶賛できる2ndの方が少ないし。
(ちなみに私はBloc PartyとNine Black Alpsの2ndは大変素晴らしいと思う。
 ぱっと思いつくのはこれくらい。リバの2ndも好きだけどあれはアレだし。)
ポストパンクリバイバルは決定打を提示できずに収束した感があったけど、もうとっくに終わったと思ったこんな時期に、こんな理想的な形で、しかもこんな予想外のイロモノ(と思われていたであろう)から出てくるなんて。
(大体あのブームはXTCとG4とJDのパクリばっかりだったし。 いや、好きなバンドも結構あるんだけど。)

全体の雰囲気はまさにJDかキュアーにマイブラが乗り移った感じ。
もしくは最初期マイブラ(ゴスっぽい)が今のUSインディシーンに目配りした感じ。
そしてそこに、00's的な折衷具合と、アートロック最前線の技術やノウハウ、
そしてあの雰囲気(ゴス!)をそのままに増幅させ最新系にする気概。
そう、遂にゴスはリバイバルの対象から最新型インディミュージックに返り咲いた!

興奮してなんかよく分からん感じになっとる。

具体的にサウンドについて書く。
まず、1stにあった「なんかゴスにしてはやけっぱちなガレージ的疾走感」は消滅!はせずに、何曲か(特にM2とか)のリズムの中に、または曲の骨組みの中に適度に保存され、そしてそんな楽曲の上をギターとシンセが埋め尽くす。もう凄い埋め尽くしっぷり。

ギターは前作のメスの様な感じではなく、それこそマイブラ的な、ディストーションと深いリバーブで激しい「ノイズの筆」となって、怪しく蠢いたり、蠢きながら疾走したりする。この辺は最近のUSインディのネオサイケ事情(ディアハンターとか)と共振するものを感じるが、その使われ方は激しくUK的(「color」じゃなくて「colour」なのです!)で、もっと言えばキュアーやJDみたいな雰囲気にこのギターを突っ込めたことが今作最大の発明だったのかもしれん(既にそういうのあったのかもしれないがそんなの知らん)。NW的不穏さとマイブラ的陶酔感・疾走感が絶妙にマッチしている。

キーボードもまた、強力な音の壁発生装置となっている。メロディも勿論弾くが、それよりもやはりギターと同じく、鮮やかで膨大なノイズの上昇や下降を繰り返し、音の壁を作り出す。

しかし、この二つの音の壁を用いながらも、NW的空虚感は維持されている!アルバム全体のサウンドはカラフルでなく、ちゃんと一定の「らしい」トーンで統一されている。これはアレンジ・プロデュースの成功と、作曲のコンセプト段階での成功両方によるものだろう。

そして、前作ではゴスのくせに物凄く情け無い感じだったボーカル(そこがウリでもあったのだけど)は、それはもうイアン・カーティスやロバート・スミスが生き返った(後者はバリバリ現役だが(笑))かの様な、的確なNWゴスボイスを響かせる。低い声がある程度メロディアスな旋律でも一定の抑制を保ち、そしてそれを突き破りそうで突き破らない感じのあのシャウトが聴ける。

そして何よりこのレコード全体の雰囲気が、アーティストの「こういう雰囲気だ!」という目標(と言ってもそんなにシンプルなものでもなく、曖昧な「妄想」に近い様な)に向かってのみ機能していることが素晴らしい。安易なエンターテイメントも、ダンスフロア向けのチップサービスもここには一切無い。「あの」雰囲気目指して全楽器が暴れ回っている。もう本当に素晴らしい。

そしてそんな荒れ狂ったりゴスったりしまくった後、最後にたどり着くのがアルバム中いちばん穏やかで美しい『Sea Within A Sea』という。あの絶妙にアナログさとデジタルさが、穏やかさとマイナーコードが行き来する素晴らしいリフレインに行き着くという。もう出来過ぎだろう。そう、全体的に曲の並びもなんかいい具合。

また世界に一枚、どこかのインディロック好きの「ぼくの考えた世界最強の名盤」が生まれた、そんな感じの、ちょっと憎たらしいくらいに羨ましくなるような、そんな素敵なレコード。沢山のインディミュージックに対する愛が強烈に感じられてニヤニヤする。1stからの飛躍加減といい、多くの人がレディへを引き合いに出してしまうのも仕方が無いと思う。そのくらい、バンドストーリー的にも強烈で美しい飛躍だと思う。



しかしこれ、次はどうするんだろう。まさかそこまでレディへ見たいに、なるのか?
期待して、いいのか?
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ユージンとフランシス

2009年05月05日 17:20

エンターとか言って入門用みたいにしてあるけど、
そもそもアルバム一枚しかないのにこれはアレだよなあ……。
Enter the VaselinesEnter the Vaselines
(2009/05/05)
The Vaselines

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それにしてもえらく格好のよろしいジャケットになったなあ。ユージンはギターポップ的イケメンの理想型って感じだし、割とおばちゃん顔なはずのフランシスもこうやって見ると、髪型に救われているとも思うがすごく洒落て愛しく思える。そして温かな日の光(サンビーム!)が鮮やかに自然に二人を包む。うん、とても奇麗なジャケットだ。ジャケットだけでこのレコードが欲しくなっちゃうくらい。あの頃のギターポップとして理想的な感じのジャケット。


ザ・ウェイ・オブ・ザ・ヴァセリンズ:コンプリート・ヒストリーザ・ウェイ・オブ・ザ・ヴァセリンズ:コンプリート・ヒストリー
(1998/12/23)
バセリンズ

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ちなみにその唯一のアルバムって言っても、このサブポップ編纂のベストしか今現在彼等の手に入れ易い音源は残っておりません。そしてこれ一枚で大体揃う。だからベスト盤を出し直すのはどうかと思う。しかも2枚組に水増しして……。エンターとは言うけど、どう考えても既存のファンに買い替えさせる気満々だろう。

でもあの新しいジャケットは魅力的だ……。
上と下を見比べてみましょう。
どっちがいいかな?
どっちが素敵かな?

Nirvanaもカバーした曲。なんかいい雰囲気で大好き。

『Love / Hate』Nine Black Alps

2008年06月07日 22:46

なんとなく聴き返したらやっぱり素晴らしくて、そしてそんな素晴らしいアルバムなのにアマゾンにレビューが無いことに憤慨して、書いてみた。以下はその転載。
Love/HateLove/Hate
(2007/11/06)
Nine Black Alps

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遂にUKには根付かなかったNIRVANA的グランジを敢えて2000年代のUKでやるという、UKロック界の「醜いアヒルの子」Nine Black Alpsの2ndアルバム。

前作で見せた重心の低いハードでエッジの利いたサウンドは幾らか健在だが、今回は「引きの美学」と「ポップさとマイナーコードの使い分け」を重視したソングライティングにより、サウンドの殺傷力は幾らか減ったかもしれないが、その分奥行きが広がったように感じる。それは、前作ではアコースティックな二曲に集中していた彼らのElliott Smith信仰が、ハードな楽曲の中にも良く行きわたったことを表す。アコギなども使って、憂鬱さ・気だるさも増し、彼らなりのローファイ・ノイズポップを上手く表現している。

しかし、相変わらずしっかりと良い曲を書いて来るバンドだ。アレンジでお茶を濁すのではなく、しっかりと歌を聴かせられる曲作りをしているのが頼もしい。一曲目の時点で、彼らの以前のハードなサウンドが好きだった人々は面食らうかもしれないが、USインディ好きな人ならば、このガリガリしながらもポップな感じは気に入るだろう。

ハイライトは最後の『Under The Sun』。Elliott Smith的な憂鬱な静寂から、次第に奥行きが深まっていき、ついには絶望的な浮遊感の中に落とし込まれるこの楽曲は、このアルバムにRadioheadの『The Bends』を求めた人々の期待にも幾らか応え得る、出色の出来だと思う。

残念なのは、このアルバムが本国イギリスであまり評価されておらず、日本でもそれほど知名度が無いことだ。UKロックにおいてここまでしっかりと曲を書いているバンドはそうはいないのに、残念な限りである。バンドが挫けずに続くことを祈る。

あとアルバムタイトルが、日本のArt-Schoolの同名のアルバムと完全に被っているが、直接の関係性は無いにしても、二つのアルバムが提示する世界観は近しいものがある。ああいった日本のオルタナバンド好きにも、このアルバムは聴かれるべきであろう。


ここから先はレビューに書いてないこと。


まず、(ボートラを除けば)40分未満というアルバムのコンパクトさが素晴らしい。やはりこういう音楽はそのくらいの尺がちょうど良い。一曲も三分ぐらいの曲ばかりで、しかもどれもポップでエッジが立ってて良いんだな。なんでUSインディ好きの人たちが騒いでないのか分らない。かなりの出来なのに。

で、結局そのソングライティングの性質が、今作ではかなりART-SCHOOL木下と被っちゃった感じはする。このアルバムの幾らかの曲は、ボーカルをこっそり入れ替えて「アートの新曲です」って言ってもあんまり違和感が湧かない感じはする。まあ、そういうのが私は好きなので、このアルバムは最高なんですが。

もしアジカン後藤がAshじゃなくてこっちを自分のフェスに呼んでくれたらもう無条件でアジカンの信者になったのに。まあAshいいけど。

あと、初期オアシスっぽいメロディの曲もあったりして、ソングライティングのレベルで色々なタイプのメロディが揃ってるから、聴いててお得感があるし。もっと売れればいいのに。



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