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Neil Youngがオルタナのゴッドファーザーである証拠『The Bridge』

2008年09月08日 06:09

Neil Youngのトリビュートはなんか数枚はあるらしいが、大概はカントリーチックな歌もの曲をオシャレに歌う「だけ」の詰まらんやつだろうきっと(私が年取ったらそういうのを「いい!」と言ってたりして)。
で、とりあえずこれから紹介するCDは、そういった大人しいものとは全く違う、ロック然としたNeilの側面を扱ったトリビュートなのである。原曲を超える、または原曲に無い面白みを付属させる、そしてアホみたいに原曲をぶっ壊す、そんなトリビュートらしいおバカな仕上がり(当時Neil本人が嫌がったほど(笑))で満足です。
The Bridge: A Tribute to Neil YoungThe Bridge: A Tribute to Neil Young
(1989/07/28)
Various Artists

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まあ、参加アーティストが普通に凄い。The Flaming LipsにPixiesにSonic YouthにDinosaur Jr(あと全然好きじゃないけどNick Caveとかあとその他)と、USオルタナ/インディの名だたるメンツが、思い思いにNeilの曲にハサミを入れている。

ベストトラックはSonic YouthかPixiesかで揺れる。この二曲ははっきり言って原曲を超えてる(まあSonic Youthの方は原曲がトホホな出来だからなあ)。それぞれの持ち味を最大限に生かして、もはや自分の曲みたいになっていて良い。Neilっぽさが希薄というよりは、この二者がNeilのキャラクターをよく消化していると言った方が正しいか。

Sonic Youthがカバーした曲は『Computer Age』。迷盤と名高い『Trans』からの選曲という、まさかの選曲。この『Trans』がなぜ迷盤かと言うと、Neilがボコーダーを多用して、新しいサウンドに挑戦したアルバムなのだが、その出来はなかなかに残念だ。テクノとも言えないし、典型的80'sサウンドともどこかずれている(Neilのソングライティング的個性によるものと思われ)。曲自体はなかなかでも、その変なアレンジによって良くも悪くもキワモノ揃いな一枚となってしまった。
Sonic Youthが選んだ曲はその中の二曲目。原曲の奇妙なボコーダーやエフェクトはもちろん全部カットし、そして曲にSonic Youth的勢いと狂気を大量注入。ってかもはやリフと歌メロを引用して自作曲に載せたぐらいの勢い。丁度『Daydream Nation』くらいの時期なので、その頃らしい勢いと攻撃性に満ちたアレンジとなって、かなり鋭いサウンド。ってか、この時期のSonic Youthの曲の中でもかなり上位に入る出来じゃないか?Neilの曲の再評価と自身の作品の充実という、双方にとって美味しいカバー。この後一緒にライブ回るしね。

Pixiesがカバーしたのは『Winterlong』という曲。この曲も特別な説明を要する曲で、Neilの70年代に出たベスト盤に収録された、いわゆる『レア・未発表曲』的な扱いの曲。名曲多いNeilの曲群からあえてこれを選択するセンスと、その絶妙なハマり具合が素晴らしい。
原曲はNeilらしいゆったりとした、割と陽性なロックソングだけど、Pixiesはこれをいくらかテンポアップ、ってか『Wave Of Mutilation』とかのテンポまで引き上げ、そしてPixiesらしいギターアレンジと、デブとキムの混成コーラスで、割とあっさり目に仕上げているが、これはまたもう普通にPixiesの曲だろ(笑)。段々盛り上がる展開や、ブレイクの仕方、そしてコーラスの掛け合いなど、Pixiesの美味しいところを惜しみなくつぎ込み、そして原曲の絶妙なポップさをまた絶妙に活かしたナンバー。これもPixiesの歴史の中でも5本の指に入る名曲なんじゃないか?

で、The Flaming Lipsはまだこの頃はキャラを確立しきってはいない頃だから、今カバーしたらもっといいものが出来上がるだろうなあとは思う、けど十分にいいカバー。イントロの意味不明に元気のいいドラムから、ふにゃふにゃギターポップと化した『After The Goldrush』を、とても「らしい」拍子外れな感じで歌う。独特のサイケ感はこの頃からもうあったんだなあと思った。

で、原曲を知ってると爆笑できるのがDinosaur Jrのカバーした『Lotta Love』。原曲は『Comes A Time』というカントリー全開なアルバムの中でもとりわけクールで大人っぽい曲なのだが、そんな面影は全く残ってない(笑)。
元々ダイナソーは、「ふらふらしながらも実はしっかりした歌心を持ち、サウンドも攻撃性がある」などと、Neilと作風が似ていることが当時からかなり指摘されていて、それに嫌気がさした彼らは、友達を連れてきてゲストボーカルとして採用、で、適当に歌わせてできたのがコレ。『Don't』はマジだからかっこいいけど、これはアホとかっこいいのスレスレのところだろうなあ……。以下当人たちのコメントらしいです。
J「みんな僕たちをNeil Youngみたいなサウンドだって思ってるから、僕の友達に歌ってもらった」
Murph「そしたら彼は全然歌えなかったんだよ(笑)」
つまり、そういう出来なのだ。ギターも声もうるっせえしアホ全開。まあ、面白いしバカだしで最高ではあるし、ダイナソーっぽいと言えばそれまでだけど。真っ当なカバーも聴いてみたくはある。世の中に溢れる、原曲から寸分もはみ出さない、上手なカラオケに毛が生えたくらいの「優等生カバー」に対する壮絶な皮肉なのか!?とか考えても、こいつらのことだから絶対そこまで考えてないだろうし考えるだけ無駄だなあと思うと、何か楽しい。

あとはまあ、いかにもって感じの大人っぽいカバーから実験的なカバーまで色々揃っていて、普通に聴くだけで、原曲をよく知っている身としては非常に面白いです。あ、Nick Caveの『Helpless』のカバーは最悪。なんか権威がかっていて、コーラスとかも厳かすぎて、Neil的荒み感が感じられん。ってかカッコつけすぎたDavid Bowieみたいになってるし。


まあ、全体としてみれば非常に楽しめたし、買ったお金(ヤフオクで1000円くらい)に見合った価値は軽くあったし、いい買い物をしました。Sonic YouthとPixies好きは、カバーとかNeilとか関係なしにマジで必聴ものだと思います。

個人的には、コレにPavementもいたら完璧すぎるなあと。まあ、時期的にまだ1stリリースくらいだから厳しいか。もしカバーしていたら、ダイナソーを超える珍カバーをしてNeilがキレるかもしんない。
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『Narrow Stairs』Death Cab For Cutie

2008年06月25日 01:57

正直な話、もっと早くこれ書いとくべきだった。
Narrow StairsNarrow Stairs
(2008/05/13)
Death Cab For Cutie

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USインディー界の重鎮デスキャブの通算六枚目、メジャー二枚目のアルバム。3年ぶり。

毎回良いアルバムを作るUSインディのアーティストは多い。彼らは作品ごとに極端に変化したりすることは少なく、ともすればマンネリに陥りかねないところを絶妙なセンスで防ぎ、良曲を連発する。デスキャブもまた、そういうタイプのバンドの代表であろう。今作も大変質の高いポップソングがずらりと並ぶ。

今作の特徴としては、前作では控え目だったバンドサウンドに回帰したことだろうか。彼らの作品中では『Photo Album』のポップさや『Transatlanticism』の雄大さなどに今作のサウンドは近いのかも知れない。しかしそれらと今作の間の大きな違いは、前作『Plans』の繊細なアレンジがバンドサウンドに盛り込まれながらも、音自体がやや太くなったことだろうか。M2では珍しく太いベース音のループが曲をリードする。また、曲によって音の奥行きを使い分けることに拘っているようにも思える。

あと、前作ではなりを潜めていた轟音ギターも、今作ではしばしば効果的に登場する。幾らかエモっぽい部分が復活しているのだ。まあ事はそんなに単純でもないか。

まず、M1,M2と壮大な曲が続く冒頭。とりわけM2はその壮大すぎるイントロに彼らの今作における意気込みを感じる、スケールの大きい楽曲となっている。

この二曲の神々しい感じからM3で一気にポップになる。妙に歯切れの良いサウンドだが、ギターの音などはポストロック通過後といった風な奥行きが感じられて美しい。その後ゆったりとしたサウンドの曲が続く。この辺りは『Transatlanticism』にも共通する広大な風景が広がる。そしてM9。これ、デスキャブ全曲中でも、『The Sound Of Settling』にも勝るとも劣らない、完璧な3分ポップである。可愛らしいギターが勢いを増し、爽やかに疾走する。サビのボーカルの上昇が非常に心地よい。

その後、民族チックなリズムから壮大に展開しながらも何故かブツッと切れるM10と、少ない音でしっとりと歌われるM11でアルバムは幕を閉じる。


個人的には、後半にM2レベルの壮大な曲がもう一曲欲しかった気もする。それでも十二分に満足できる、流石の一枚と言える。ここから次はどのように変化するのか、早速だが楽しみでもある、少し心配でもある。



ここまでアマゾン投稿用。


正直、ちょっと中だるみ感はあるような気がする。まあそれでM9が凄く生きてくるんですけど。
アルバムの優劣はちょっと付け難いなあ。前作がデスキャブのアルバムの中じゃあちょっと特殊だからなあ。まあカラスとこれだったら、今の気持ち的にはややカラスかなあ。あっちのほうがしっとりしてる。こっちの方がどっしりしてる。貫禄か?

『Brighten The Corners』

2008年05月17日 14:28

新ブログの体裁が整ってきた今日この頃。The Beatlesレビューの途中ですが、関係ないレビューをさせていただきます。何となく右にレコメンドなコーナーを作ったから、そこのCDのアマゾンレビューを書こうと思って。それでこの一枚。アマゾンレビューのコピペね。

Brighten The CornersBrighten The Corners
(1999/06/23)
Pavement

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USインディ代表のPavement。堂々の四枚目。相変わらず変なジャケットである。



感触としては、2nd『Crooked Rain, Crooked Rain』を洗練させた感じか。へろへろローファイであることがPavementの大切なキャラの一つであったが、それを再び全開にした前作から打って変って、今回はそのヘナヘナ加減をかなり「意図的に」コントロールしている気がする。例えば、M1はアルバム中でもとりわけヘッロヘロなヤケクソロックだが、それが本当にヤケクソの不安定さというよりは、かなり余裕なフラフラさのように感じる。そしてM2からはそんな「コントロールされた」ヘロヘロさの中を、退屈そうな歌が退屈そうに、相変わらずの美メロをなぞっていく。

このどこか安定した作風は、もしかしたら1stが最高傑作だと思う人などにはなかなか受け入れ難いものかもしれない。「あのノイジーでブチギレな私のPavementはどこに行ったの?」と。しかし、私が思うには、前作の混沌を経て方向性が定まったのか、このアルバムの曲は彼らの全キャリアを見渡して、かなり曲自体のクオリティが高いように思える。徹底したメロディ志向はバンドが元々持っていた「ダルい」感じと合わさって、荒くれカントリー的などっしりとした王道ささえ感じさせる。荒野を鼻歌混じりに、ゆっくりと、退屈そうに行く五人の姿が透けて見えそうである。日本で言うと、HiGEなどはこのアルバムに近い作風をしているように思う。

あと、マルクマスの詞はどんどん凄いことになっている。支離滅裂っぽくて、でもギリギリ意味はありそうな無さそうな。

ただ、このアルバムはひょっとしたら完成し過ぎていて、これまでのキャリア総決算的なところがあるから、次もこの路線でアルバムを作っていたらマンネリ化していたかもしれない。そこはまあ、ナイジェルの力を借りたりしながら上手くやり過ごしたわけだが。

2008年04月04日 09:28

最近はもっぱらNeil Youngばっかり聴いている。メロウサイドも爆音サイドも両方ともかっこいいのがこの人の強み。サニーデイ・サービスとダイナソーJrの両方を聴けるみたいな。作品も40年分あるしストーンズみたいなとりあえず出しとく感が無くていつでも現役最前線な感じだから、いつのものを聴いてもいい具合に聴けるのがうれしい。この人のベスト盤作るのは難しいわ。曲順とか「神」だわあって思うのが何枚かあるし。『After The~』とか『Rust Never~』とか。曲も金太郎飴的だけど色々なタイプがあるし。流石ウッドストックとパンクとグランジをリアルタイムで通過してきただけのことはある。っていうかあり得ねえ、凄いキャリア……。

D

2001年のフジロックの動画です。アホかと。レスポールでこういうプレイをする奴ってニール以外にいるの?

『Sister』Sonic Youth

2008年01月19日 09:35

Sonic Youthの作品群の中で、最高傑作はどれだろうと考えると、いろいろとその時の体調とか趣向の違いとかで答えが変わってしまうけど、「圧倒的に聴きやすい」作品はどれだろうと考えると、何も悩むことなく『Sister』となる。

Sister

Sister

  • アーティスト: Sonic Youth
  • 出版社/メーカー: SST
  • 発売日: 1994/10/11
  • メディア: CD

全十一曲で43分弱というボリュームは、その後の彼らの作品ではめったに見られない。アルバム中一番長い曲が五分台というのも、彼らの作品群の中でもまれだと思う。「じゃあ展開の少ない単純な曲が多いのか」と思えば、一曲目『Schizophrenia』においては四分半という時間の中でやや性急だが様々な展開を見せる。何よりもサーストンとキムが交互に歌うのが素敵(いいなあこんな夫婦)。で、この一曲目が終わって聞こえてくるのはハイハットの尖った音。ここからは「鋭い」ポップソング連発で、三分間の中に疾走感とインディーらしさ全開だが完璧に近いギターオーケストレーションが聴ける。このアルバムはサーストンが歌う曲が多いけど、そのボーカルがいい感じにキレキレながらも程よく歌心を感じさせるもので、ポップになったとはいえ十分にハードな曲をすんなり聴かせてしまう。


オルタナ派ギター弾き諸兄にはまるで聖典みたいなアルバムだと思う。このアルバムにおいて、激しいギターは短いフレーズを繰り返しながら細く鋭く疾走し、水みたいな音のギターも穏やかさの中に緊張感が溢れている。しっかりとギターの音が空間に奥行きを与えている。この音はまさにその後『Dirty』あたりもしくは『Washing Machine』まで続いていく音のように思われる。

しかし、このアルバムのもっと大きな聴きどころはドラムだと思う。スティーブ・シェリー加入後二作目だけど、疾走する曲の多い今作において彼は短い曲時間中で曲展開を上手に表現している。タイトでかつ平凡に陥らない工夫が随所で見られるドラムは、前作『Evol』から急激に効果的に働くようになっている。

インディーズハードコアなバンドのドラムとして完全に完成していると思う。大いに勉強になる。


とりあえずSonic Youth初心者にはこれを薦めるようにしている。ただ『Sonic Youth初心者』というのはあまり見たことが無いけど。聴く気が無いかやたら知ってるかのどっちか。何で?




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